Yahoo!ニュース

美女アタッカー対決の韓国Vリーグ頂上決戦を制したのは…女子バレー韓国代表に光

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
チャンピオンシップMVPのイ・ジェヨン(写真提供=SPORTS KOREA)

Vリーグの2018-2019年シーズンが幕を閉じた。日本のVリーグではない。韓国のVリーグだ。

美女対決で注目集めたVリーグ女子頂上決戦

韓国Vリーグは男子部・女子部があり、今季は2018年10月に開幕。リーグ戦を行ったあと、3月15日からはリーグ戦上位4チームによるポスト・シーズンに突入。3戦2先勝方式でプレーオフを勝ち抜いたチームが、5戦3先勝方式のチャンピオンシップを戦うこの時期を韓国では“春バレー”と呼ぶのだが、今年の “韓国・春バレー” を制したのは、男子部は天安(チョンアン)現代(ヒュンダイ)キャピタル・スカイウォーカーズ、女子部は仁川(インチョン)興国(フンブッ)生命ピンクスパイダーズだった。

と書いてもチーム名だけではわかりづらいので日本に馴染みのある選手で説明すると、現代キャピタルは以前本欄でもインタビューを紹介した韓国男子バレー界のスーパースター、ムン・ソンミンがキャプテンを務めるチームであり、興国生命は世界的なス―パーエース、キム・ヨンギョンがかつて在籍したチームだ。

現代キャピタルは2年ぶり4度目のチャンピオンとなり、興国生命はそのキム・ヨンギョンが活躍した2008年-2009年以来10年ぶりとなる王座戴冠となったが、特に興国生命対韓国道路公社ハイパスの対戦となった女子部のチャンピオンシップは盛り上がった。

興国生命は高校時代から有名だった凄腕アタッカーのイ・ジェヨンを擁し、韓国道路公社は美女スパイカーのパク・ジョンアがいる。その実力と美貌で、ふたりともVリーグ屈指の人気選手となっているだけに注目が高かったのだが、その対決を制したのはイ・ジェョンだった。

(参考記事:“Vリーグ女神”に“美人姉妹”、日本との因縁も。韓国美女バレー選手ベスト6を一挙紹介【PHOTO】

外国人選手の人気と実力に頼ってきたが…

イ・ジェヨンはチャンピオンシップ4試合で107得点を記録(1試合平均26.75点)。パク・ジョンアも孤軍奮闘したが、記者投票で選ばれるチャンピオンシップMVPに輝いたのはイ・ジェヨンだった。

特筆すべきはこのふたりの活躍によって「Vリーグにトジョン時代が来た」とするメディアが多かったことだ。トジョンを漢字にすると「土種」。スポーツの世界では「地元選手」「国内選手」を総称するときにしばし使われる言葉だが、これまで韓国のVリーグ女子は外国人選手の依存度が高かった。

各チームには世界各国からやってきた外国人選手をエースにし、彼女たちが各種個人ランキングの上位を独占してきた。

(参考記事:まさに「コートの女神」だ!! 韓国Vリーグ女子の歴代“美しすぎる外国人選手”たち【PHOTO】

ただ、今季のリーグ戦得点ランキングではイ・ジョンア(624点)が2位、パク・ジョンア(588点)が4位。1位と3位の座は外国人選手に譲ったが、韓国人選手が久しぶりにトップ5に割って入った。

外国人監督のもとで女子バレー韓国代表が始動

それだけに「韓国女子バレーにふたたび明るい光」とするメディアもあった。昨年の世界バレーではまさかの1次リーグ敗退し、その直後には代表チーム内のセクハラ不祥事も発覚するなど代表レベルにおいては良いニュースがなかっただけに、余計に肯定的に映るのだろう。

その女子バレー韓国代表は史上初の外国人監督を招聘。イタリア出身のステファーノ・ラバリーニ監督を迎え、いよいよ新しいスタートを切る。

5月21日から始まるFIVBネーションズリーグに向けて、4月下旬から本格的なチーム作りに入る。ラバリーニ監督は近日に代表候補22名を発表するというが、イ・ジェヨン、パク・ジョンアなどVリーグで活躍した選手たちを主軸に最初のチーム作りを始める見通しだという。

(参考記事:女子バレー韓国代表に史上初の外国人監督。「世界的な名将」の計画は?) 

果たしてイタリア人新監督のもとで、イ・ジェョン、パク・ジョンアなど韓国Vリーグの“トジョン”スターたちはどんな活躍を見せるだろうか。ネーションズリーグはまだ先だが、今から楽しみだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事