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チャングム女優イ・ヨンエ、『師任堂』のあと今は何をしているのか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
イ・ヨンエ(写真:ロイター/アフロ)

7月20日からテレビ東京系列で毎朝放映されている(月曜日から金曜日)韓国時代劇ドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』。全40話のうちの半分が終わり、回を重ねるごとに面白さが増して朝からテレビに夢中になっている視聴者たちも多いことだろう。

特に主人公・師任堂を演じるイ・ヨンエに魅入ってしまうファンは多いのではないだろうか。もともと韓国でもトップ女優だったイ・ヨンエだが、2003年に主演した韓国時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』を機に、日本でもファンが多いことで知られている。

優雅な美しさのグラビア公開に

『師任堂』はそのイ・ヨンエが13年ぶりに主演したドラマだけに、日本のファンにとっても待望の作品だったに違いない。

もっとも、『師任堂』が韓国で初放送されたのは2017年1月。つまり、今から1年半以上の前のことでもある。

2009年に結婚して2011年には双子を生んで芸能活動を中断していたイ・ヨンエは、『師任堂』で本格的に芸能活動を再開しているが、『師任堂』終了後も活発に活動を続けている。つい最近もファッション誌で優雅なグラビアを飾って話題になったほどだ。

(参考記事:【画像あり】韓国で最も優雅に年を重ねる女優イ・ヨンエ、上品な最新グラビア公開!!)

広告業界でもイ・ヨンエは人気者だ。例えば8月3日には、イ・ヨンエが広告モデルを務める美容機器の累積販売数が全世界1000万台を突破したことが韓国でニュースとして報じられるし、先週は同じく広告モデルを務めるLGグループのイベントに登場した。

イ・ヨンエはLGグループの高級化粧品のイメージキャラクターを10年以上務めているが、「化粧品ブランドで10年以上の長きに渡って広告モデルを務めるのは国内外でも例は少ない」(『ニューストゥデイ』)という。

もともと「酸素のような女性」という広告コピーで有名になったイ・ヨンエだが、まさに“韓国歴代CMクイーン”の中でも図抜けた存在と言えるだろう。

気になる次回作は…

とはいえ、ファンにとって気になるのはクラビア登場やCM出演ではなく、やはり次回作ではないだろうか。『師任堂』で本格的に芸能活動を再開したイ・ヨンエだけに、さらなる次回作に注目が集まるのは当然だろう。

韓国の大手芸能プロダクション関係者によると、イ・ヨンエは依然として「キャスティングしたい俳優・女優」の上位にあるそうだし、今年2月には韓国の民放テレビ局SBSのバラエティ番組『一夜のTV芸能』でも、「ドラマでもっとも多くの出演料をもらっている俳優はイ・ヨンエとチョン・ジヒョン。それだけ引く手あまたということ」と芸能関係者が明かしていたほどだ。

(参考記事:日本の俳優の5倍以上か!? 1話1000万円が基本となりつつある韓国スターのギャラ事情)

そんな人気者だけに次回作を巡って情報が錯綜することも多い。実は最近もイ・ヨンエが来年放映予定のドラマ『異夢(イモン)』の主演濃厚と今年1月に報じられていたが、8月15日に出演を取りやめたことが明らかになっている。

『異夢』は日本統治時代を背景に、ソウル(当時は京城)、満州、上海などで繰り広げられるメロドラマで、イ・ヨンエと俳優ユ・ジテが主演を演じるとされていた。ふたりは映画『春の日は過ぎ行く』(2001年)でも共演しており、17年ぶりの再会として期待と注目を集めていた。

7月下旬には一部メディアがイ・ヨンエの主演中止の可能性を報じたが、7月31日にはイ・ヨンエの所属事務所が「出演が不発になったわけではない。現在、スケジュールを調整中」と公式見解を明かしたほどだった。

だが、8月14日に制作会社側が「イ・ヨンエの出演を見送ることになった」と発表。ドラマは10月からのクランクインを予定しているが、どうやらやはりスケジュールが調整できず、イ・ヨンエは仕方なく出演を断念したという。

代わって韓国時代劇ドラマ『善徳女王』のヒロインで知られるイ・ヨウォンがユ・ジテの相手役を務めることになった。

イ・ヨンエのファンにとっては肩透かしを食らった感も否めないが、気を落とすことはない。ドラマ『異夢』の主演は流れたイ・ヨンエだが、すでに次回作の準備は進んでいる。

13年ぶりの主演映画準備中

今度は映画。韓国映画『私を探して』で主演を務める。同作は、6年前に失踪した息子とそっくりな子供がいるという連絡を受けた母親が、息子を探すために見知らぬ村を訪ねるヒューマンサスペンス。来年公開を目指して今年5月から撮影が始まっているという。

イ・ヨンエの長編映画主演と言えば、2005年に日本でも公開された『親切なクムジャさん』以来13年ぶりとなるだけに、その出来栄えには今から期待が集まるところだ。

あの頃と違って、現在は実生活でも二児の母親でもあるイ・ヨンエが、どんな母性愛を表現するかという点にも注目が集まることだろう。

また、韓国映画界では近年、女優がヒロインとなっている映画のヒット作が少ない。2017年の俳優ランキング・トップ10を占めたのは男優ばかりだっただけに、女優イ・ヨンエにかかる期待も大きいのだ。

(参考記事:“国民的俳優”に、あの“反日映画”主演俳優も。2017年に最も輝いた韓国映画俳優TOP10は?)

いずれにしても芸能活動を本格的に再開させているイ・ヨンエ。当分の間はその復帰作となった『師任堂』での演技を楽しみながら、彼女の次なる作品の完成を待ちたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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