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日本では「セクシー」ばかりが強調されるアン・シネの意外なもうひとつの“顔”とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=KLPGA)

本日6月14日から韓国ではKLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)ツアーの今季13戦目にして2つ目のメジャー大会となる『KIA自動車 韓国女子オープン』が、仁川(インチョン)のベアーズ・ベストGCで行われる。

1987年から開催されている『韓国女子オープン』は、過去に申ジエ(2006年、2008年)、アン・ソンジュ(2007年)ら現在は日本で活躍する選手たちが優勝しており、2010年には“韓国ゴルフ界のオシャレ番長”の異名を持つヤン・スジンも優勝したことがある大会だ。

韓国でも大胆ミニスカ姿を披露

そのヤン・スジンと同じく“韓国美女ゴルフ神セブン”のひとりに数えられるアン・シネも、今回の『韓国女子オープン』にエントリーしている。アン・シネにとっては4月下旬の『KLPGAチャンピオンシップ』、先週行われた『S-OILチャンピオンシップ』に続く今季3度目の韓国ツアーだ。

2試合とも予選落ちで終わっただけに『韓国女子オープン』で結果を残し、なんとか存在感を示したいところだが、実は先週、韓国でもニュースメイカーらしい一面を覗かせることがあった。

アン・シネが自ら着用したゴルフウェアを、済州島で暮らす高校1年生のジュニア選手にプレゼントしたというのだ。

そもそもアン・シネといえば、ボディラインが目立つタイトなゴルフウェアとミニスカートが有名だ。旧知の韓国ゴルフ記者によると韓国でもアン・シネのファッションは何かと話題になる。

(参考記事:追跡写真22枚!! 韓国では膝上35センチの“スカイブルー”!? アン・シネとマッチプレー!!

ジュニアに自身着用ウェアをプレゼント

そのアン・シネが自ら着用したゴルフウェアを女子高生に送ったのは、慈善活動の一環でもあった。

韓国には家庭環境が厳しくてその才能を存分に伸ばせない子供たちを支援する『緑の傘こども財団』というものがあり、スーパーデュオ東方神起のユンホや、アメリカ・メジャーリーグで活躍する秋信守(チュ・シンス)などもその慈善活動にも参加しているのだが、アン・シネも参加。

2016年のプロアマ大会でワンポイントレッスンをしたことで知り合った女子高生に、激励の意味を込めてゴルフウェアをプレゼントしたというわけだ。

このニュースは、日本のゴルフ・ファンからすると、ちょっぴり意外なことかもしれない。アン・シネというと、日本ではどうしても「セクシーさ」ばかりが強調されがちだからだ。最近はビキニ姿も披露した写真集を発表したことも手伝って、余計にそのイメージが強いかもしれない。

(参考記事:【画像】アン・シネがゴルフウェアを脱いだ!! “水着”で証明したセクシークイーンのボリューム感

韓国女子ゴルフ界の“寄付天使”たち

もっとも、アン・シネの慈善活動が話題になるのは今回が初めてではない。

2017年には父親のガン治療でお世話になったソウル市内の病院が推し進める「ガン征服希望プロジェクト」に1億ウォン(約1000万円)の寄付を行っている。韓国では慈善活動や寄付活動に積極的なセレブたちを“寄付天使”と呼んだりするが、アン・シネもまた“寄付天使”なのだ。

さらに言えば、韓国女子ゴルフ界にはアン・シネ以外にも、“寄付天使”は多い。

例えば、昨年の『サマンサタバサ・レディース ガールズコレクション』で日本デビュー戦・初優勝を飾り、今回の『韓国女子オープン』にも出場するキム・ヘリムである。2009年から獲得賞金の10%を欠かさず寄付していることから、韓国では“寄付天使”と呼ばれている。

もっとも有名なのは、申ジエだろう。2006年にプロ転向して優勝したときから、母校、恵まれない家庭で育つ児童、身寄りのない老人や障がい者施設などに、毎年数千万ウォン単位で寄付している。

東日本大震災のときには、招待出場して優勝した「サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント2011」の賞金全額を被災地に寄付したほどだ。

(参考記事:イ・ボミや申ジエなど日本で活躍する韓国女子ゴルファーたちの「深イイ話」

もっとも、プロとして結果を残してこそ(賞金を獲得してこそ)、慈善活動や寄付活動ができるゆとりもできる。強くて優しいからこそ、それがまた光り輝いて見えるのも事実だろう。

そういう意味で言うと、そろそろアン・シネには結果も問われる頃でもある。今季は推薦枠で出場した日本女子プロゴルフツアーで3度の予選落ち。前出した通り、KLPGAツアーでも予選落ち。予選突破できたのは、『中京テレビ・プリジスンレディースオープン』だけにとどまっている。

それだけに今日から始まる『韓国女子オープン』では少なくとも予選突破をしたいところだ。

2017年大会では予選落ち、2016年大会では60位タイ、2012年から2014年までは毎年予選落ちとアン・シネにとって相性が良い大会ではないが、2015年大会では前出のヤン・スジンとともに3位タイとなった。

果たして今大会では……。今度は実力がニュースになることを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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