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三浦桃香ら“黄金世代”よりも若い!強くて愛くるしい韓国女子ゴルフの新世代たち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
チェ・ヘジン(左)とイ・ジョンウン6(写真提供=KLPGA)

日本女子プロゴルフ界が“黄金世代”の台頭で沸いている。2014年に史上最年少15歳と293日でツアー優勝を飾った勝みなみ、昨季の日本女子オープンを制した畑岡奈紗に続けと言わんばかりに、今季は三浦桃香、原英莉花、新垣比菜などの活躍が目覚ましい。

彼女たちはいずれも1998年生まれ(畑岡は1999年1月生まれ)で、今年20歳になる若手たちだが、実は韓国でも若手が頭角を現している。

例えば、その愛くるしい笑顔とは対照的な勝負強さを備えた“可愛らしき怪物”チェ・ヘジンである。2017年6月には高校生アマながらKLPGAツアー初優勝を遂げ、翌7月には全米女子オープンで準優勝。その6週間後にもKLPGAツアーで優勝してプロ転向する前に2勝を挙げてしまった逸材だ。

(参考記事:強くて可愛いチェ・ヘジンに韓国のオジサマたちが夢中になるワケ)

2017年8月にプロ転向すると、12月にはベトナムで開催された『2018 KLPGA開幕戦ヒョソン・チャンピオンシップwith SBS』で優勝した。中学生の頃から韓国国家代表に選ばれてきたスーパーエリートは、プロになっても着実に成長している。

このチェ・ヘジンが韓国で揉まれた怪物とすれば、アメリカで鍛えられて頭角を現した怪物もいる。ドライバー飛距離が平均280ヤードを超える“長打美女”ことソン・ウンジョンだ。

中学時代に国家代表に選ばれるも、そのポジションを放棄してアメリカに武者修行へ。2016年にはUS女子ジュニアゴルフ選手権とUS女子アマチュア選手権を制し、今季から韓国でプロ転向している。

ふたりはともに1999年生まれ。つまり、日本の“黄金世代”よりも1つ下の世代になる。

韓国では昨年、日本でも5月のサロンパスカップで存在感を示したイ・ジョンウン6や“フィールドのバービー人形”とも言われる新世代美女ゴルファーのパク・キョルなど1996年生まれの台頭も目立つが、ふたりはそんな先輩たちにも迫る勢いだ。

(参考記事:「人気女優そっくり」の韓流美女ゴルファー、パク・キョルが人気沸騰中!!)

しかも特筆すべきことに、韓国では彼女たちよりもさらに若い世代も出てきた。

例えばコン・ガヨンは、KLPGAジャンプツアーでプロデビュー初優勝を飾った。KLPGAの準会員になって、わすが20日目での優勝だ。その1か月後には、ソン・ユジンが同じくジャンプツアーでプロデビュー初優勝を成し遂げている。

ジャンプツアーは3部ツアーの性格をなすとはいえ、プロデビュー戦でいきなり初優勝しているのだから、驚きだ。ふたりは2000年生まれで、まだ高校生なのだ。

また、高校生ながらすでに世界に挑戦している者もいる。先日の全米女子オープンに出場したパク・ヒョンギョンだ。

2000年1月生まれでまだ高校3年生ながら、ミンジ・リーやパク・ソンヒョンと同じくハナ金融グループとスポンサー契約を交わしており、今季からKLPGAの会員に。まだドリームツアーを主戦場とするが、5月の全米女子オープンの韓国予選で1位となり、アメリカ行きの切符を勝ち取った。

最終的には49位タイで終ったものの、そのルックスの良さも手伝って「スター誕生の予感」(『スポーツ・アジア』)と期待を寄せられている逸材だ。

(参考記事:全米女子オープン出場の韓流“女子高生ゴルファー”が話題。パク・ヒョンギョンとは何者なのか)

98年生まれどころか、99年、2000年生まれの若手が次々と頭角を現している韓国女子ゴルフ。これに2001年生まれの怪物ユ・ヘランなどを加えると、まさに粒ぞろいだ。

と同時に、日韓女子ゴルフ界の低年齢化がいよいよ加速していることを実感せずにはいられない。いつの日か日本の“黄金世代”と、韓国の“恐るべき10代”たちがしのぎを削り合う日も来るかもしれない。

その日に備えて、今から韓国のニューエイジたちにも注目しておくのも悪くはなさそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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