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元ICONIQの伊藤ゆみが明かした韓国練習生時代話と「年収数億円」の現実味

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
今や女優として活躍する伊藤ゆみ(写真:Yumeto Yamazaki/アフロ)

かつてICONIQという芸名で歌手活動を展開し、現在は『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜THE THIRD SEASON』や『海月姫』などのドラマにも出演している女優の伊藤ゆみ。そんな彼女が昨日出演したテレビ東京の『じっくり聞いタロウ〜スター近況(秘)報告〜』での発言が、ちょっとしたニュースになっている。

ヨン様の妻と韓国でアイドル活動

実は彼女はかつて“Sugar”というアイドルグループの一員として(そのときの芸名はアユミ)韓国で芸能活動を展開しており、デビュー前の過酷な練習生活や「年収が最大で数億円あった」ことなど当時の裏話を『じっくり聞いタロウ』番組内で明かして話題になっているのだが、では、それがありえるのだうか。

まず、彼女が“Sugar”として韓国でデビューしたのは、2002年。メンバーは4人組で、そのうちのひとりは今や“ヨン様”ことペ・ヨンジュンの妻であるパク・スジンだ。

グループは途中でファン・ジョンウムが卒業したが、代わってイ・ハリンが加入。ただ、今度はパク・スジンが2006年5月に卒業し、その年の暮れに解散している。

所属したのは、スターワールド。少女時代のメンバーであるサニーの父親が社長を務める会社で、のちに東方神起や少女時代、最近ではEXOにRed Velvetなどを輩出するSMエンターテインメントともゆかり多き会社だ。

SMエンターテインメントといえば、韓国でも早くからアイドルの発掘および育成に力を入れてきたことで有名。金を惜しまずレッスンを積ませ、その才能に磨きに磨きをかけてデビューさせる。

このSMエンターテイメントに限らず、当時の韓国エンタメ業界では各社がスカウト・育成システムを本格的に取り入れていた。

伊藤ゆみは番組内で、「デビューまで寮で団体生活しながら学校に通い、下校後もダンスやボイストレーニングのレッスンがある生活を1年ちょっとやっていた」と明かしていたが、それだけ才能があり光るものがあった証拠だろう。

というのも、韓国では練習生生活を10年近く続けてもデビューできずにいる者たちが多いと言われている。また、とあるアイドル練習生は「豆腐だけ食べて1か月過ごした」と明かしているだけに、伊藤あゆみが番組内で明かした体重管理は韓国のアイドル養成所の不文律なのだろう。

(参考記事:【深層ルポ】デビューできずに10年…韓国のアイドル練習生たちの厳しすぎる現実)

MAX年収数億円はありえるのか

ただ、そうした過酷な日々に乗り越え晴れてデビューし、アイドルとして成功すれば高収入も期待できる。伊藤ゆみも番組内で韓国アイドル時代の最高年収が「数億円だった」と明かしていたが、昨年はそれを裏付ける数字が明らかなっている。

昨年10月に韓国の国会議員によって公開された国税庁資料によると、上位1%に当たる歌手46人の平均年収は42億6400万ウォン(約4億2000万円)だったのだ。

(参考記事:アイドルもモデルも格差くっきりとなる韓国芸能界の知られざる年収事情)

伊藤ゆみが韓国でアイドルとして人気絶頂だったのは今から10数年前なのでその数字を額面通りに照らし合わせることはできないが、その半分としても21億ウォン(約2億円)。つまり、伊藤ゆみの「年収数億円」発言は決してありえない話ではないわけだ。

ちなみに韓国では今も彼女のことを「アユミ」と呼び、日本での芸能活動も都度、報じられている。昨日の『じっくり聞いタロウ〜スター近況(秘)報告〜』出演や発言も、スポ―ツ新聞『スポーツ京郷』から『毎日経済』や『ソウル新聞』といった一般紙のネット版でも報じられているほどだ。

藤井美菜など日韓両国で活動するタレントの“先駆け的存在”とも言える伊藤ゆみ。いずれにしても、国境を越えて活躍するタレントたちが明かす“日韓エンタメ比較”は、両国にとって興味深い話題であることは間違いなそうだ。

(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち)

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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