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「無印良品」が密かなブーム!? 韓国で人気を集める、意外な「日本商品」とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真:ロイター/アフロ)

韓国で、日本のとあるメーカーが静かなブームとなっている。「無印良品」だ。

韓国金融監督院の電子公示システムによると、無印良品の2017年の売り上げは1095億ウォン(約109億円)。前年比39%も伸びており、2004年の韓国法人設立以来、初めて1000億ウォンを突破したという。営業利益も58億ウォンで、前年(27億ウォン)の2倍となっている。

韓国メディア『韓国経済』は、「2012年までは韓国国内にライフスタイル専門店が乱立するなかで営業赤字」だったそうだが、「2013年に江南に892平方メートル規模の旗艦店を出して反転の契機が作られた」と分析していた。

「MUJI Korea」の成川卓也代表理事は、「2020年までに韓国に15~20店舗を新たに出そうと考えている。売り上げ面ではユニクロの売り上げを超えることが目標」と語っている。

日本の外食チェーンも人気

日本でも馴染み深いメーカーが韓国でも人気を博しているというだけに興味深いが、同様の例は無印良品だけに限らない。

特に韓国では近年、日本食がトレンドとなっており、「カレーハウスCoCo壱番屋」や「かっぱ寿司」が現地化したメニューを提供したりしている。

韓国では、うどんや寿司といった典型的な和食だけではなく、「食べ方や調理法、名前などが独特な日本の外食メニューを求める消費者が大幅に増えている」(『ファイナンシャルニュース』)のだ。

日本の外食チェーンが韓国でも人気なのは、近年日本を訪れる韓国人観光客が増えていることも無関係ではないだろう。彼らが必ず買って帰る日本の商品も生活感に溢れているが、日本で本場の味を知り食べて好きになる人が増えている。

かつて日本のファンクラブ活動を手伝ったK-POPボーイズグループのメンバーたちも、来日するたびに「一蘭」ラーメンや「CoCo壱」カレーに行きたがった。

日本では無名、韓国では有名の逆転現象

日本ではほとんど知られていないが、韓国では有名という“逆転現象”が起きているパターンもある。

代表的なのは、日本酒「がんばれ父ちゃん」だろう。

新潟県の老舗酒造メーカー白龍酒造が作っているパック酒なのだが、韓国におけるパックの日本酒市場では70%のシェアを占めており、同国では「日本酒の定番」などといわれている。韓国では2006年からの10年間で、輸入量が53倍にもなったらしい。

(参考記事:日本では無名の清酒「がんばれ父ちゃん」が韓国で愛されている理由

「美しすぎる!」と韓国で話題を集めた日本美女も

日本ではあまり知られていない活躍という点でいえば、日本の芸能人も少なくない。

例えば、「美しすぎる!」と韓国ネット界で話題になった藤井美菜などは、韓国では非常に有名な存在だ。2012年から本格的に韓国で活動しており、今では“清純のアイコン”として人気が爆発している。

(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち

生活用品から外食チェーン、そして芸能人にいたるまで、日本のものは韓国で人気が高いのだ。

いずれにしても歴史問題や政治的な葛藤とは離れて、韓国で人気の日本のものは少なくない。今後はどのような日本のメーカーや人物が活躍するのか、注目してみたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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