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日本の東方神起ファンの善行が話題に!! 韓国芸能人とファンが作った“寄付文化”とは

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
東方神起のユンホ(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

東方神起のユンホが2月6日、32回目の誕生日を迎えた。世界各国の彼のファンがお祝いのメッセージを送っているなか、日本ファンの善行が韓国で注目を集めている。

光州(クァンジュ)社会福祉共同募金会によれば、ユンホの日本ファンクラブ会員たちが誕生日を記念して、500万ウォン(約50万円)相当のベッドと寝具類を寄付したという。

光州はユンホの地元だ。

ファンとともに成長する東方神起

ユンホ・ファンの寄付は今回が初めてではない。去る2011年から光州社会福祉共同募金会を通じて、生活必需品やお米の寄付、奨学金支援、図書館支援など持続的な善行を行っているという。“寄付天使”と呼ばれるユンホの善行は数えたらキリがないほどだ。

とある韓国メディアは、「ユンホがファンクラブに“高価なプレゼントは受け取らない。そのお金を寄付して社会に役立ててほしい”とお願いした後、ファンたちの寄付が始まった」と紹介している。

プレゼントではなく寄付を贈るという“文化”を作り上げた東方神起とファンの絆は、彼らが長く愛されている理由のひとつであるし、成長を止めない原動力にもなっているといえるだろう。

(参考記事:韓国カメラが撮った!! 追い続けた!! スーパーデュオ「東方神起」成長の記録

もっとも、東方神起に限らず、アイドルの誕生日に寄付活動を行うK-POPファンは少なくない。

総額20億円以上も!? 韓国芸能界の寄付文化

そもそも韓国芸能界には近年、寄付文化がすっかり根付いているといえるかもしれない。

多くの犠牲者が出た2014年のセウォル号事故の“寄付リレー”は知る人ぞ知るところであるし、昨年11月に起きた浦項地震のときも多くの韓流スターが寄付活動に参加していた。

寄付の参加者が増えていく様子を“寄付リレー”、多額の寄付を行う人を前出のように“寄付天使”などと表現することもある。韓国芸能界の寄付天使のなかには総額20億円以上も寄付したスターもいるほどなのだ。

(参考記事:総額20億円以上も!? 韓国で最も寄付額が多い“寄付天使”TOP7は?

もちろん東方神起も浦項地震の際、児童福祉専門機関・緑の傘子供財団に5000万ウォン(約500万円)を寄付している。

韓国芸能界の年収事情を見ると…

とはいえ、どこの国であろうと芸能界はもっとも浮き沈みの激しい業界のひとつだ。

韓国国税庁の資料によれば、韓国芸能界の上位1%に当たる歌手46人の年収は平均42億6400万ウォン(約4億2640万円)、俳優158人は20億800万ウォン(2億80万円)、モデル82人は5億4400万ウォン(約5440万円)の年収を稼ぐという。

(参考記事:アイドルもモデルも格差くっきりとなる韓国芸能界の知られざる年収事情

しかし上位10%に含まれない大多数の芸能人は、一般的なサラリーマンよりも低い年収を得ている場合が多く、下位90%に当たる歌手の平均年収は870万ウォン(約87万円)、俳優は620万ウォン(約62万円)だ。

積極的な寄付活動を行っている芸能人たちも、それなりの収入があるから善行もできるし、逆に気持ちはあっても難しい芸能人もいるのが現実だろう。

いずれにしても、寄付文化が根付いている韓国芸能界と、それに共感する日本ファンの善行は素晴らしいこと。今後も社会的な意義の深い“芸能人の誕生日”が増えることを願うばかりだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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