6位の日本を横目に…韓国が世界で最も「革新的な国」と評価された意外な理由とは?
世界で最も「革新的な国」はどこか。意外にも、韓国が1位という結果がある。しかも5年連続だ。
アメリカの『ブルームバーグ』が200以上の国・地域を対象に発表している「ブルームバーグ・イノベーション指数」がその根拠で、最近発表された2018年版でも韓国は世界1位となっている。
意外な1位!? 日本は6位
イノベーション指数は、1.研究開発(R&D)支出額、2.製造業の付加価値、3.生産性、4.ハイテク企業の集中度、5.高等教育の効率、6.専門研究員の数、7.特許登録活動という7部門に基づいてランクを決めているという。
韓国(89.28点)の次点はスウェーデン(84.70点)で、3位シンガポール(83.05点)、4位ドイツ(82.53点)、5位スイス(82.34点)という結果だ。日本は前年から1つ順位を上げた6位(81.91点)。アメリカはトップ10圏外の11位(80.42点)だった。
この手のランキングで韓国が首位を記録するのは珍しいかもしれない。「イメージがいい国」を表す「国家ブランド指数」などで伸び悩んでいることとは、対照的にも映るだろう。
(参考記事:ドイツや日本と対照的…韓国が「国家ブランド指数」で伸び悩むワケ)
韓国メディアも「韓国、5年連続“最も革新的な国家”」(『ソウル経済』)、「ブルームバーグ・イノベーション指数で韓国5年連続1位」(『東亜日報』)、「韓国“ブルームバーグ・イノベーション指数”5年連続世界1位…日本6位、中国19位」(『朝鮮日報』)などと報じていた。
世界トップクラスの研究開発費
では、韓国のどこが革新的なのだろうか。
韓国は7つの部門のうち、「研究開発(R&D)支出額」(2位)、「製造業の付加価値」(2位)、「ハイテク企業の集中度」(4位)、「高等教育の効率」(3位)、「専門研究員の数」(4位)、「特許登録活動」(1位)と、6つの部門でトップ5入りを果たしている。「生産性」だけは21位だが、非常に高い評価だ。
そもそも、韓国の国内総生産(GDP)比のR&D投資が高いことは有名だ。『朝鮮日報』も「2016年のGDP対比、研究開発分野の支出比重は4.54%で世界1位であり、絶対規模でも世界6位の水準だ」と解説していた。
そのため今回のランキングでも2位という高評価を受けたわけだが、その多すぎる研究開発費に対して世界的な科学誌『Nature』から厳しい指摘を突きつけられたこともあった。
(参考記事:“ノーベル賞コンプレックス”に苦しむ韓国に世界的科学誌が突きつけた厳しい指摘とは?)
ただ、その他の部門でも高い評価を受けているのは事実だ。
「特許登録活動」1位はサムスンの影響
特に「特許登録活動」は世界1位となっている。これは人口100万人当たりの特許数や、GDP1000億ドル当たりの特許数などが世界トップレベルということを意味している。
「韓国と特許」というと、日本ではあまりピンと来ないかもしれない。エンタメ関連のコンテンツが“パクリ論争”になったり、日本文化の起源を韓国だと主張したりすることが、良くも悪くも話題になることが多い影響もあるのだろう。
つい先日も「折り紙」の起源について議論があった。
(参考記事:日本の「折り紙」の起源は韓国!? 世界進出を目論む韓国伝統文化“ジョンイジョプキ”とは)
ただ特許数は多い。ブルームバーグは「特許登録活動」で韓国を高評価した理由について、「サムスン電子が決定的な役割を果たした」としている。実際にサムスンは、2000年代に入ってからIBMに続いて2番目にアメリカで特許を取得している企業だそうだ。
さらにブルームバーグは、「サムスン電子の半導体、スマートフォン、デジタルメディア機器は韓国の供給業者やパートナーの生態系を作っている。日本がソニーやトヨタ自動車を中心に発展してきたことと類似している」と解説。いかにサムスン電子が韓国において重要な企業か伝わってくる。
ドイツの統計・調査会社Statistaが行った調査で「メイド・イン・コリアは嫌われている」という結果もあるだけに、当分は“サムスン一強”が続くかもしれない。
いずれにしても、世界で最も「革新的な国」と評価されている韓国。来年以降も1位をキープしていくのか、注目したい。