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韓国で「がんばれ父ちゃん」が絶賛バカ売れ中!? 愛される意外な“日本のヒット商品”とは

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(ペイレスイメージズ/アフロ)

忘年会シーズン真っ盛りの今日この頃だが、韓国でもこの時期、会社の同僚や先輩・後輩たちと1年の労を労う会食・飲み会が多くなる。韓国では忘年会ではなく、「ソンニョン(送年)会」と呼ぶのだが、そうしたお酒の席で人気の日本酒があることはご存じだろうか。

日本では無名だが韓国では日本酒の定番

しかも、そのネーミングはかなり奇抜でユニーク。その名も、日本酒『がんばれ父ちゃん』。韓国の大衆的な居酒屋で日本酒を飲むとなると、かならず目にする日本酒なのだ。

新潟の老舗酒造メーカー白龍酒造が作っているパック酒で、日本ではそれほど馴染みのある日本酒ではないだろう。筆者が韓国に行き友人や仕事仲間と日本式居酒屋などで飲みの席を一緒にすると、誰かが気を利かせてかならず注文してくれるのだが、最初はまったく知らなかった。

しかし、韓国で『がんばれ父ちゃん』は「日本酒の定番」として、パックの日本酒市場シェアの70%を占める大ヒット商品なのだ。

この『がんばれ父ちゃん』のように、意外な日本製品が韓国でヒット商品になっているケースは多い。

韓国でよく買われている日本の商品を知るために参考になるのは、韓国で五指に入るオンラインショップ「11番街」が出したランキングだろう。

オンラインショップ「11番街」は昨年10月31日から、別途の会員加入手続きなしに日本の「楽天市場」で買い物ができるサービスを提供しているのだが、1年が過ぎた最近、最もよく売れている日本の商品を発表したのだ。

日本を訪れた韓国人観光客が火付け役!?

それによると、韓国で人気を博した日本の商品の1位は、資生堂の「アクアインテンシブ シャンプー」。2位は京セラの「キッチン用品」となっており、3位は寺岡有機醸造の「たまごにかけるお醤油」という順だった。

資生堂のシャンプーや京セラのキッチン用品といった商品は、クオリティの高さが人気の秘訣のようだが、「たまごにかけるお醤油」の商品レビューを見ると、「日本に旅行したときに買って、気に入ったので注文した」という声が。

近年、日本を訪れる韓国人観光客が大きく増えている。

日本政府観光局の月別推計値を見ると、去る8月の訪日韓国人は前年比35.3%増となっており、“虫テロ”など、韓国人が日本で巻き込まれた“いざこざ”に関するニュースが増えた印象がある。

その一方で、日本商品に触れる機会も増えているのだ。

韓国人が日本で絶賛する商品

実際に、数年前に「箱買いして帰りたい」という声も多かったサントリーのチューハイ・カクテル「ほろよい」などは、その人気の高さから現在は、韓国で販売されるようになっている。

他にも日本を訪れた韓国人が喜んで買って帰る商品は少なくない。

韓国のオンラインショップ「11番街」のランキングには、カシオの「G-SHOCK」やリバーライトの「極シリーズ」、資生堂専科の「パーフェクトホイップ」、「竹内式 包丁研ぎ器」などもランクインされていた。

キッチン用品が多い印象があるが、「11番街」の関係者は韓国メディアに「日本のキッチン用品は価格に比べて性能や耐久性が高く、以前から人気が高い」と話していたという。

最近はこうした日本の商品だけではなく、韓国に進出した日本の外食チェーンも人気で、日本食がブームにもなっている。

韓国でも高い人気を誇る日本の商品たち。来年はどんな意外なヒット商品が生まれるだろうか。興味は尽きないところだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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