韓国の観賞マナーが今、問われている。オーケストラ会場で起きた“騒音テロ”とは?
ソウルの総合芸術施設「芸術の殿堂」コンサートホールでは去る11月19日、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と韓国のピアニスト、チョ・ソンジンの公演が開かれた。
世界的な評価を受けるベルリン・フィルと、韓国人として初めてショパン・コンクールを優勝したチョ・ソンジンの共演は注目を集めたが、それ以上に現在話題となっているのは、韓国人の“観賞マナー”かもしれない。
韓国メディア『聨合ニュース』が11月28日の報じた、「ベルリン・フィル公演を録音する恥…公演場は観覧マナー違反との闘い」という記事が注目されているのだ。
同記事によると、今回の公演中に恥ずかしき“大事件”が起きたという。
オーケストラ会場での“観賞マナー違反”多数…
ピアノ協奏曲の第1楽章が終わった直後、1階の客席から機械音が鳴り響いた。なんと、たった今終わったばかりの演奏を録音した音だったのだ。
『聨合ニュース』によれば、「次の楽章を準備していたベルリン・フィルハーモニー常任指揮者サイモン・ラトルとチョ・ソンジンは、しばらく2楽章を始めずに、機械音が止まるまで待たなければならなかった」という。演奏者にも観客にも大迷惑な話だ。
コンサート劇場ではあるまじき行為とも言えるこの“事件”を報じた同記事には、「こういうところに国のレベルが表れる」「本当に恥ずかしい」などと、1300件を超えるコメントが書き込まれている。なかには「“騒音テロ”」と表現するメディアもあった。
とはいえ、韓国のオーケストラ会場における同じような問題は、以前から何度も起こっている。その観賞マナーの悪さが原因で、とある有名管弦楽団は韓国公演自体を嫌っているらしい。
(参考記事:オーケストラ会場で着信音に泥酔客まで…韓国の仰天すぎる鑑賞マナー)
オーケストラ会場のみならず、最近、韓国人のマナーに対しては何かと非難の声が大きい。他でもなく、韓国人自身が自らのマナー不足を強く指摘しているのだ。
韓国有名人の“軽率すぎる行動”が炎上
例えば、韓国有名人の軽率すぎる行動で炎上することが目につく。
11月中旬には、女優のソ・ユジョンに非難の声が集中。彼女はイタリア・ベネチアのサン・マルコ広場にあるライオン像によじ登って、Vサインしている写真をインスタグラムにアップしたのだ。そのライオン像は文化財だったという。
当然のように非難が集中。謝罪することとなったわけだが、ソ・ユジョンと同じように、重要文化財への“軽率すぎる行為”で叩かれた韓国有名人は少なくないのだ。
(参考記事:重要文化財によじ登ってVサイン…炎上が尽きない韓国有名人が犯した“軽率すぎる行為”)
とはいえ、韓国人にマナー不足の自覚症状がまったくないというわけでもない。
韓国でも「恥ずかしすぎる」と猛省
最近行われた韓国観光公社の調査によれば、自国民の海外におけるマナー水準について、5.00点満点中2.75点とかなり低く自己採点しているのだ。そして、海外旅行先で見た自国民のマナー不足を見て、韓国人であることが「恥ずかしい」と感じる行動も数多くあるという。
(参考記事:海外で露呈した自国民のマナー不足…韓国人が自らを「恥ずかしい」と猛省している行動とは?)
それだけに今後は反省から一歩進んで、具体的な改善行動をとっていく必要があるだろう。冒頭のコンサート会場で露呈したマナー違反に対して「芸術の殿堂」は、鑑賞マナーを説明する小冊子を製作するとのこと。
今回の“騒音テロ”を教訓にし、あらゆる公共の場でマナー意識を高めていくことが、韓国で今、確かに求められている。