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日本美女も表紙グラビア登場。「雑誌不況」でも韓国の成人男性誌が“元気いっぱい”なワケ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真=著者撮影)韓国の雑誌コーナー

1980年に創刊したビジネス月刊誌『BIG tomorrow』(ビッグ・トゥモロウ)が、2018年1月号(11月25日発売)をもって休刊するという。

青春出版社のホームページには「休刊することになりました」「長年のご支援、ご協力に心より感謝申し上げます」と書かれているが、詳細な理由は書かれていない。雑誌不況と呼ばれて久しいが、その影響が多分にあったと考えられる。

30年以上も発行された“長寿”のビジネス系男性誌が休刊となってしまい、日本の雑誌不況が改めて注目されているが、お隣・韓国も実情は変わらない。

韓国雑誌協会によると、2012年は1兆8625億ウォン(約1862億円)の市場規模だったが、2014年には1兆3754億ウォン(約1375億円)に減少。26%近く落ち込み、その下落は今後も止まらないと危惧されている。

“元気”な男性誌もある韓国の雑誌業界

とはいえ、韓国ではすべての雑誌が不調というわけでもないようだ。特に一部の“男性誌”は元気がある印象だ。

例えば、今夏に創刊した『PLAY BOY KOREA』だ。創刊号のプレイメイトには、“マッスル美女”として人気のイ・ヨンファが選ばれ、その美貌と美ボディが話題となった。

(参考記事:写真20連発!! “マッスル美女”イ・ヨンファの一日に密着…筋トレから本業、シャワー室まで!?

最新号の11月号では、モデル兼自動車設計士のキム・ボラがプレイメイトを務めており、韓国メディアに紹介されているほど。日本版『PLAY BOY』は2009年1月号で休刊しているだけに、韓国で同誌がどのような評価を受けるか気になるところではある。

日本人美女も表紙を飾る韓国男性誌

『PLAY BOY KOREA』ばかりでなく、韓国の人気男性誌『MAXIM KOREA』も相変わらず話題が尽きない。

毎月のように最新号の表紙モデルが話題になるのだが、そこに日本の美女がたびたび登場していることも注目に値するだろう。

例えば、2016年2月号ではグラビアアイドルの篠崎愛が表紙を飾り、今年の9月号ではK-POPアイドルグループに所属する日本人メンバーRUI(本名:渡辺るい)が表紙モデルを務めていた。

また、2015年9月号でも女優・藤井美菜が表紙に登場している。『MAXIM KOREA』では年に1度、日本人美女が表紙を飾っているわけだ。

(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち

『MAXIM KOREA』は雑誌自体はもちろん、その他のイベントや出版で注目を集めることも少なくない。

例えば、同誌が開催するミスコン「MISS MAXIM CONTEST」がある。日本ほどグラビアアイドルという存在が認知されていない韓国においては、登竜門的なコンテストになっている。

今年の「MISS MAXIM CONTEST」ではモデルのほか、ピラティスとヨガのインストラクターとしても活動しているイ・スミが読者投票1位で優勝しており、今後の活躍が期待されるだろう。

篠崎愛の写真集も完売必死!!『MAXIM KOREA』の強み

そして、特筆すべきは『MAXIM KOREA』が販売する写真集だろう。

昨年は 写真集『MAXIM B SIDE』が発売開始5日で品薄状態に。前出の「MISS MAXIM CONTEST」に出場した上位4人が被写体となった写真集だが、先日韓国で発売された篠崎愛の写真集『夢幻』も発行元は『MAXIM KOREA』で、オンライン書店に準備していた1万8000部が2日間で完売になったという。

(参考記事:NGショット解禁に、激レア写真も…篠崎愛が韓国で発売する過激写真集が完売必至の人気!!

さらに言えば、コンテストや写真集販売だけでなく、ゴージャスなイベントを行なっていることも『MAXIM KOREA』の強みだ。

『MAXIM KOREA』では年に1回、雑誌に登場したタレント、レースクイーン、グラビアモデル、チアドルなどを一斉に集めた「MAXIM K-Model Awards」]というイベントを開催している。

レッドカーペット・セレモニーから歌やショウなどもあるそのイベントは読者参加型で、開催日には読者はもちろん、多数のメディアも訪れる。ライバル・メディアも取材に来るほどなのだから、宣伝効果も抜群だろう。

コンテストや写真集の販売、さらには読者参加型のゴージャス・イベント開催など、韓国男性の心を掴んで離さない試みと企画を次々と打ち出すことで存在感示しているわけだ。その取り組みは日本の男性雑誌業界にとっても参考になるかもしれない。

雑誌不況に立ち向かうべく、あの手この手で奮闘している韓国の男性誌。今後も善戦は続くのか、注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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