真のコンビニ王国は日本か韓国なのか。 “珍事”も“美談”も尽きない隣国コンビニ事情
人口対比の店舗数が日本の1.5倍にも上るということで、韓国でコンビニが話題になっている。
『聨合ニュース』が8月9日に伝えたところによると、韓国国内のコンビニ(上位6社)は全部で3万4376店舗。韓国の人口は約5125万人なので、1491人当たり1店舗のコンビニがあることになる。
一方の日本のコンビニ店舗数は今年3月末基準で5万6160店舗。「2226人当たり1店舗のお隣・日本より人口対比の店舗数は(韓国が)約1.5倍多い」そうだ。
今回『聨合ニュース』がコンビニの店舗数を日本と比べた理由は、「“コンビニ王国”と呼ばれる日本」との認識があったからだろう。
韓国では今年も続々と新規店舗がオープンしており、1月~7月までに新たに3000店舗以上が設置された。
店舗急増で1階も2階もコンビニという珍事も
もっとも、店舗数が多いということはそれだけ競争が激しいということを意味する。
フランチャイズ本部側は店舗数を増やそうとするが、コンビニ経営者にとっては激しい競争は非常に過酷だ。
例えば、釜山のとあるビルでは、1階も2階もコンビニという珍事が起こり、後から出店したセブンイレブンが非難を受けたという話もあったらしい。
(参考記事:【画像あり】1階も2階もコンビニ!? 韓国の熾烈な“出店競争”が生んだとんでもない珍事)
前出の記事によると、韓国の大手コンビニ「GS25」を運営するGSリテールの営業利益(2分期)は、前年同期対比で21.7%も減少しているそうだ。
韓国の国民性“鍋根性”も影響か
激しすぎる競争がコンビニ業界全体を衰退させるのでは、という危惧も尽きない。
韓国の脱サラ族やリストラ族の間でにわかに囁かれている「起承転“鶏”」という言葉をご存じだろうか。この言葉通り、韓国では少し前までチキン店が乱立。韓国国内にはチキン店が3万6000店(2013年)もあり、全世界のマクドナルドの店舗数よりも多いという報道もあったほどだ。
しかし現在は競争激化によって、廃業となるチキン店が続出。「2016国税統計年報」によると、チキン店をはじめとする飲食店の廃業率は84.1%に上るという。
最近は衰退するチキン業界を横目に、カフェが急激に増えており、チキン店の二の舞になるという不安も出てきた。
コンビニでも酷似の事態が起こっているところを見ると、“鍋根性”と呼ばれる韓国人の国民性も関係しているのかもしれない。
(参考記事:チキンの次はカフェが餌食に!? 一長一短な韓国人特有の気質、“鍋根性”とは)
過酷な現実があるからこそ、美談も!?
ただ逆に、そんな過酷な競争が繰り広げられているコンビニ業界だからこそ、説得力を持つ美談も生まれている。
以前、韓国のとあるコンビニ店長がアルバイトで働く人たちのルールとして、とてもユニークな“絶対原則”を作って話題になったことがあった。
「不当な顧客には絶対に頭を下げないこと」などなど、アルバイトへの気遣いに満ちたもので、韓国ネット民たちが「どこのコンビニなのか。今すぐ移りたい」と称賛していた。
(参考記事:「客より先に頭を下げる必要はない」を“絶対原則”にした、韓国コンビニ店長のアルバイト愛)
韓国に初めてできたコンビニは1989年5月、ソウル松坡区(ソンパグ)・パンイ洞のセブンイレブンだという。今では、同じソウル松坡区にある、ロッテタワー内のセブンイレブンが“無人決済店舗”となっているらしい。
競争と発展を繰り広げ、今では“コンビニ王国”となった韓国。今後もコンビニにまつわるさまざまなニュースが生まれそうだ。