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韓国でもあった!! “美しすぎるファイター”と所属先とのトラブル

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(ペイレスイメージズ/アフロ)

モデルで東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者の高野人母美のニュースが話題だ。昨日の会見で6月6日に再起戦を行うと発表しながら、突然の電撃引退表明宣言。所属する協栄ジムの金平桂一郎会長は、6月の試合の中止を検討しているという。

両者は今後話し合いの場を持つそうだが、報道によると高野人母美の対戦相手は元韓国女子バンタム級王者の李恵林(イ・ヘリム)だという。気になって韓国のネットを調べてみたら、李恵林は今から5年前の2011年5月に韓国女子バンタム級王者になっている。その後、どうしていたかは探せなかったが、かなりのベテランであることは間違いないだろう。何しろ調べによると、2005年から韓国女子プロボクシングで活動を始めていたようなのだ。

ちなみに韓国で女子プロボクシングの試合が初めて行われたのは1999年。2002年には初の世界チャンピオンも誕生している。2008年には北朝鮮からの脱北ボクサーであるチェ・ヒョンミが世界チャンピオンに輝いている。ただ、女子プロボクシングはマイナーの部類に入る。

それでも近年は、“美しすぎる美女ボクサー”イ・シヨンと出現で話題になったこともある。高野人母美と同じくモデル出身で人気女優でもあるイ・シヨンは、ボクサー役を演じたことがキッカケでボクシングを始め、2012年には全国アマチュアボクシング大会に出場して優勝。最近は悪質デマを流れる災難にも見舞われたが、韓国では女優兼ボクサーとして広く知られている。

(参考記事:”美しすぎるボクサー”にして人気女優イ・シヨンの災難

今回の高野人母美の一件で興味深いのは、プロボクシングではないが韓国の総合格闘技の世界で類似する出来事が起きていることだ。

それは昨年4月のこと。韓国の人気総合格闘技団体『ROAD FC』に所属していたソン・ガヨンが、『ROAD FC』を運営し自身も所属していた会社に、専属契約解除を要求したのだ。ソン・ガヨンは“美しすぎる格闘家”、“美貌の女戦士”と言われ、テレビのバラエティ番組にも出演したり、SNSにアップされたプライベート写真がそのまま記事になったりと大人気だっただけに、当時は大きなニュースになった。

ソン・ガヨンの主張は「テレビ出演など放送出演を度々強要され、アスリートとしての能力向上のための教育も実施してくれない」というもの。逆に会社のほうは「練習を数十回もさぼるなど、アスリートとしての基本がなってない」と対抗した。

(参考記事:事務所トラブル乗り越え復帰が待望される“美しすぎる格闘家”ソン・ガヨン

この一件以来、ソン・ガヨンと会社の泥仕合は続き、ソン・ガヨンは未だに『ROAD FC』のリングに立ててない。ソン・ガヨンはとある韓国メディアのインタビューで、「自分の名を売りたくてテレビや雑誌に出たわけじゃない。異種格闘技を広めたい一心だった」と語っているのだが・・・・・・。

ちなみに『ROAD FC』は昨年7月に日本でも開催されており、今年4月には中国でも開催されている。『ROAD FC』では女子部もあり、最近はニューヒロインも誕生。イ・イェジが注目を集めている。

何しろ彼女はまだ10代の現役女子高生。韓国の格闘技ファンたちの間では“かわいすぎる現役女子高生ファイター”として知られているらしい。ソン・ガヨン不在でも、ヒロインには事欠かないわけだ。

(参考記事:“かわいすぎる女子高生ファイター”イ・イェジが韓国格闘技界に颯爽出現!!

だからこそ気になるのは、高野人母美と協栄ジムの関係だ。両者は話し合いの場を持つそうだが、果たしてどんな決着を見るのだろう。ソン・ガヨンと『ROAD FC』の対立のようにならないことを祈るのは、私だけではないだろう。少なくとも対戦相手に予定されている李恵林は、韓国ではただでさえ女子プロボクシングへの関心が低いだけに、リングに立ちたいと願っていると思うのだが・・・・・。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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