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素材にこだわったおいしいパンとお菓子。「セテュヌボンニデー」、自由が丘に2号店をオープン。

清水美穂子ブレッドジャーナリスト
向ヶ丘遊園の1号店と同じ赤がテーマカラーのファサード:筆者撮影

2021年12月8日、向ヶ丘遊園の人気ベーカリー、「セテュヌボンニデー(C’EST UNE BONNE IDÉE!)」の2号店が自由が丘(目黒区自由が丘2丁目15-7)にオープンする。

有形泰輔さん:筆者撮影
有形泰輔さん:筆者撮影

シェフを務めるのはパン職人歴18年の有形泰輔さんだ。彼はパン職人というだけではなく、菓子職人でもあり、料理もできる。「365日」「ジュウニブンベーカリー」などを手がける杉窪章匡さんの一番弟子でもある。2013年にスタートしたブランドは、杉窪さんがプロデュースしている。今回は一から十まで有形さんが作り上げた店ということで、有形さんの新しいステージに注目が集まっている。

店内には、パリッと焼けたバゲットからもっちりとしたみずみずしい食感の各種リュスティック、食パン、職人技の極みを感じるクロワッサンやショソンオポムなどのヴィエノワズリー、キッシュやクロックムッシュ、そしてレモンケーキやヴィクトリアケーキなどの焼き菓子も並ぶ。

クイニーアマン、カヌレなど、キャラメル色のスイーツが魅力的:筆者撮影
クイニーアマン、カヌレなど、キャラメル色のスイーツが魅力的:筆者撮影

世の中には素材へのこだわりを謳う店はたくさんあるようだが、本当にこだわっている店はどのくらいあるだろうか。

パンに使われるベーコンやハム、パテドカンパーニュ、ジャム、各種クリームなどの加工品は自家製で、新鮮で安心なものをより低価格で提供できるようにしている。北海道の小麦やカボチャ、秋田の紅玉やブルーベリー、栃木の蓮根やトウモロコシ、千葉のイチジク、群馬のライ麦、愛媛のブラッドオレンジなど、素材は出自が明らかで、尋ねれば、地域の後には農園の名前や季節により移り変わる品種の名前が続く。

チーズ入り、チョコレート入りなど、リュスティックもいろいろ:筆者撮影
チーズ入り、チョコレート入りなど、リュスティックもいろいろ:筆者撮影

「すべてのフルーツや野菜を顔の見える生産者さんから納入しているわけではないですが、魅力的な生産者さんとの繋がりを重要視しています」と有形さんは言う。「お互い応援し合えるような農家さんと長くつきあいたいと思っていますので、SNS等で発信している方はそれを見て、人柄を想像します」。主に、同年代の生産者で自然農だったり、なるべく農薬を使わないことに挑戦していたりする人たちを応援している。

キッシュに使われるサーモンも鮮魚店から来たものを調理。:筆者撮影
キッシュに使われるサーモンも鮮魚店から来たものを調理。:筆者撮影

有形さんはずっとフランス産のバターにこだわっていたが、最近、チルドの温度帯で届けられる北海道の根釧地区の乳牛のバターに変更した。冷凍されずに届けられるので賞味期限は短いが、物質変化が少ないため、フレッシュな味わいが特徴なのだという。

日本にも、いいものがたくさんある。「日本各地の食の職人たちが、そうした生産者を応援することで、安心してものづくりができる世の中につながっていく」と言った師匠の考え方が、しっかりと受け継がれている。そのようにしてつくられたパンを買うことは、このムーブメントに一票を投じ、持続を可能にするはずだ。

窓ガラスからパンが、その向こうの厨房が見える:筆者撮影
窓ガラスからパンが、その向こうの厨房が見える:筆者撮影

店の窓ガラスにはこう書かれてある。「晴れの日も。雨の日も。曇りの日も。/どんな時も、私の幸せがそこにある。/そうだあそこに行こう。/それは、いい考えだ!」

「セテュヌボンニデー(C’EST UNE BONNE IDÉE!)」はフランス語で、「それはいい考えだ!」を意味する。

ブレッドジャーナリスト

東京出身。2001年より総合情報サイトAll Aboutでガイドを務めることにより、パンに特化した取材執筆活動を開始。注目のベーカリーとつくり手についてWeb、TV、ラジオ、新聞、雑誌等メディアで発信、紹介する一方で、消費者動向やトレンド情報を業界に提供、ベーカリーと消費者の相互理解を深める活動をしている。取材執筆、企画監修、講師、各種コンテスト審査員、コンサルティングなども行う。主な著書『BAKERS おいしいパンの向こう側』(実業之日本社)『日々のパン手帖 パンを愉しむsomething good』(メディアファクトリー)『おいしいパン屋さんのつくりかた』(ソフトバンククリエイティブ)他

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