「出る杭でも打たれない」絵本作家五味太郎に聞く4~友達っていうのがほしいのは、助けてほしいんだよね

撮影/ナカンダカリマリ http://nakari5.tumblr.com

●モテる人の人間関係のつくりかた

著書378冊、世界一の絵本作家、五味太郎に聞く

「素直にならなきゃ、ダメだよ。つまり、わかりやすいっていうこと」

人としても男性としてもモテる、魅力ある絵本作家、五味太郎氏。

自分の生き方を言い切る潔さがいい。

「友達つくろうって気が、全くないよね、俺」

「女にモテる人って男にもモテるよね? 片一方は絶対ないよね」

「俺、理解されにくい人間だから、と思っていたら、“いや、太郎ってわかりやすいよね”って言われてさ」

「すべて、対応型人生になっているんだよ」

「私は、こういう人が好きです、とはっきりactionしなきゃ」

「その人が俺のことを好きだなと思ってると、俺もだいたい好きなんだよね。俺が嫌いな人って、その人も俺を嫌いだなと思うから」

「充実させないでおいて、“充実させなさい”っていう矛盾した中に、今、子どもたちがいるのが“気の毒だなあ”って気がする」

「友達って、礼儀がなくなって、ダラダラしてても許し合える関係?」

独創的な考えと直感的な行動力に裏付けされる五味語録。

楽しいことをやり続けている人の人生っていったい。

好きなことを見つけて、それを生業にして、

成功している人って、どんな発想を持っているのだろうか。

独自の視点が際立つ、驚きのアーティスト生活とは?

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Q ここまで、お話を聞かせていただいて、発想も面白く、行動的で、おしゃれでスタイリッシュで、仕事ができて。ですから、たぶん、モテるだろうなあと。モテますよね?

もちろん。しょうがないでしょう、これは。

Q (笑)絵本作家としてのインタビューで、「モテるでしょう? どうやってくどいているんですか」って質問されたことないと思うので、聞きますけれど。

A あははは(笑)。

Q すごく女の人にモテるっていうことが、すべてを表しているような気がするんですよ。仕事だって。

A あのさ、面白いんだけど、たぶん、最初に言った、「いい編集者に会ったよ」って言う中に、女の人が2人、男の人が2人。あと、外国のフェアに時々出かけていって、外国の編集者なんかと、初めて会う人も含めて、割と女性がすごいよね。女の人がかなり今、力を持っている。また、持ちやすいカテゴリーなんだろうね。編集したり、何したり。でも、必ず、素晴らしいおばさまの脇にしっかりした男がついてるよね。それから、男がいい加減に「太郎、やろう。頑張ろう」とか言ってアメリカの編集者がいて、「世界は俺たちのもんだ」とか、訳のわかんないこと言ってるそばにはピシッとしたおばさんがついてて、「今度、五味太郎がすごい企画やるよ」つったら、おばさんは「ちょっと無理ね、それは」とかって言う(笑)。そういうセットが、男と女みたいなものが五分五分で戦っているような、とてもいい世界の雰囲気を出版が持っているんだよね。

Q うーん。

A そこが、俺が、今この世界でとっても軟らかくやれていて、好ましくやれていることなんじゃないかな。台湾の女社長さんが「タロー」みたいにやって来るじゃない。

Q 最初のファーストインプレッションとしては女性がやっぱり「ああ、いいわね」って感じで来られるわけですね?

A まあ、「俺を見るより作品を見てほしい」ってことなんだけどさ。最後のプッシュだよな。はっはははは(笑)

Q プライベートでもモテますよね。

A まあな。はっはっは(笑)

Q いいんです。すごく言い切ってもらって。「そんなことないです」じゃなくて(笑)。

A あの、女にモテる人って男にもモテるよね? 片一方は絶対ないよね。

Q そうですね。でも、これは、いい作品をつくるにはどうしたらいいのかを聞くのと一緒で、モテるにはどうしたらいいか、なんて愚問すぎます?

A それは単純なことを言って、なんだろう。オスメスだけの話じゃなくて、わかりやすいんだと思うのよ、俺。俺ね、こういう話あるの。これ、誰にもあんまり話さない。三十半ばぐらいまでさ。ほら、変なこと考えて変なことやると、「バカみたい」とか言われたり、「それ、違うんじゃない?」とか。企画持っていって、「えー、いっぱいなんすよねえ」とかって、いろいろあったのよね。絵本は相当進んだんだけど。俺は、世間にちょっと理解されにくい人間なんではないかと、思いたかったのもあるんだろうかなあ。麻雀やってるときに、なんかのはずみでそういう話をしたわけ。「俺さあ、なんか、ほら、ちょっと理解されにくい人間だからさ」みたいなことを言ってたんだよ。そしたら、その仲間がさ、「いや、太郎ってわかりやすいよね」って言うわけ。

Q はははは(笑)

A そしたら、はたから「五味さん、すごくわかりやすいですよね」って、言うのよ。俺「えっ!?」って思って、実はあれ、結構エポックメーキングな瞬間だったな。

Q へええー。

A 「もしかして、麻雀の手がすごくわかられてるのかな」って思ったのと同時に、「俺、わかられやすいのかなあ」と思って。結構親しい奴に、なんかの折に「俺ってわかりやすいの?」って言ったら「五味さんってすごくわかりやすい」って言われたんだよ。

Q へええー。それを言われて、どう思うんですか。

A ふぁんふぁんふぁんって、力抜ける感じだったの、そのときは。「えっ!?」って思ったのよ。「いや、でも、そうかもな」って思い直したのね。だって、なぜかって言うと、「俺、こういうの、やりたい」って言って出してるわけじゃない。「こういうの、描きたいんだよね」って言ったら、「あ、こんなくだらないこと、描きたいんだ」っていうのも含んで。で、たぶん一般の読み手は「五味さんは五味さんなりにわかりやすい」んだろうね。

Q なるほど。

A それで、子どもたちから言われた、「五味太郎は裏切らない」ってぐらいな感じで、それ以上もそれ以下でもないっていうがっかりさを含んで、わかりやすいんだと思う。

Q もう五味ワールドみたいなのがあって。

A そうそう。変なおじさんにね、聞いてもいないのに、「あんた、いい男よね」って、「でも、あんたと絶対暮らさない」とか(笑)、真剣に言われたことがあって、「何なんだよ、お前!」って。「ぜーったい、この人、暮らしたらヤよね、一緒に」なんつって。

Q はあ。つまり、五味さんっていう人が前面に出て、看板を下げて、「僕は、こういう人です」っていうのがわかりやすかったら、ファンっていうか、確実に五味さんを好きな人が寄ってくる。その中から選び放題ですね。

A ふふふ(笑)

Q そういうことでしょう?

A お前、何を考えて、選び放題って(笑)。中には、ほら、誤解で来る人もいるわけだよ。それは「ちょっと、ごめんね」っていうのがあるじゃないですか。

Q でも、そこが、世の男性が今、ちょっと草食ぎみで、意思が薄弱していて、わかんない状態だと、女性が勘違いして、肉食でガーッと来たりするとかということも起きる。

A だから、それはもう、教育体制とおんなじなんだよ。自分がわかんないんだよ。自分がわかって、この路線で行きたいなっていう最低限がないから。要するに、今の商業も全部そうだよね。全部対応型なんだよ。だから今、世の中で求めてるのは何ですかって。だから、それっぽい本がいっぱいあるじゃない。「今、どうやって生きるか」とか「この混迷の時代に」っていう。混迷なんかしていないんだよね、昔から。

Q じゃactionじゃなくて、みんなreactionで生活をしていると?

A もう完全にそうだよ。だから、対応型って形で、対応型人生がすべてなんだよね。だから、「どう対応すればいいんだ」って。残念だけど、男子も女子もこれだから、結論が出ないんだよね。

Q 平行線ですもんね。

A そう。だから、「私は、こういう人が好きです」とはっきりactionしなきゃ。

Q 「モテる」ってことは、ぐんぐん、ぐいぐい、くどくということじゃなくて、自分というものをちゃんとこう確立して、自主性をもって、ちゃんと「僕です」ってわかれば、来る人は来る、来ない人は来ないってのがはっきりしてますもんね。

A 素直だってことよ。素直にならなきゃ、ダメだよ。当たり前だよね。つまり、何だろう、わかりやすいっていうことも含んでるのかもしれないんだけど。人間関係っていうようなものを、あるところでは他人(ひと)のことだから、こっから先は自分が考えてもわかんないことは聞いちゃったほうが早いなっていうのがよくあるんだよね。

Q うんうんうんうん。

A 俺、割と質問するのが、うまいらしいんだよ。だから、たとえば、日本だとわからないんだけど、外国なんかに行ったときとか、日本でもちょっと違うやつなんかに、すぐ聞くんだよね。「それ、何してんの?」とかって。すると、人間て、ある種の人って説明するのがうれしいっていうか(笑)、「これはね」みたいな。

Q わっかりますよお。興味持たれてるのがね。

A うん。外国なんかに行ったときに、何語でしゃべっているのか、よくわからないところが疑問なんだけど、「それ、何してるの?」って言うと、「これはね」みたいのは。それで「お前、ちょっと奥見ろよ」とかさ、なんか結構話がはずんでさあ。

Q それはくどいているわけじゃないんですよね。

A 違う違う。聞きたいわけよ。でも「俺、そこまで聞きたくないんだけど」みたいな。

Q はっはっは(笑)

A たとえば、腹割いて腸詰めしてる人がいて。具体的にあった話。腸詰めって、面白いの。「何してんの?」って言ったら、「ウインナソーセージ」「あっ、なるほど」みたいに、見ていると、一緒に写真なんか撮ったりして。ずっと見てるもんだから。面白いのよ、こうやって、ぐりぐり、ぐりぐり。

Q うふふふ(笑)。

A 「面白いなあ」と思って見てると、「まだ、いたの」なんて。「これから茹でるんだよ。見るか?」なんて言われて、「え? いいの?」って、見せてくれる。それで、帰ろうかなと思うと、「お前、これ、燻製してるの見るか?」みたいな。ははは(笑)。2時間ぐらい、そこにいたの。ポルトガルだったかな、ボトルワインの工場に行って、俺写真を撮ってたら、写真家だと思われて「取材しなさい」「上から撮ると角度がいいから」とか言われて。階段ないから梯子なんかかけてくれて、登るしかないと思って(笑)。上から撮ったら、でかい樽をちいちゃい樽に詰め込んで、下の船に積んで世界に出てく。「すごいね」「really!」とか言って、見てるわけ。

Q ということは、男女かかわらず、面白そうな人を見つけて、興味を持ったことを聞いて、友達になって仲良くなる?

A あんまり仲良くなりたいわけではないけれど、別に。ただ、「面白いよな」と思うわけ。なんだか知らないけど、「面白いね」と。

Q うふふふ(笑)。

A うふふふ(笑)。

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Q ちょっと、モテる人の話聞きたいんですけど、五味先生はどういう人が好きなんですか。好きなタイプは?

A ……そんなないよ、タイプって。

Q いや、こういうことを五味先生に聞いてもらいたい人がいるかもしれない。

A えっとね、基本的に、その人が俺のことを好きだなと思ってると、俺もだいたい好きなんだよね。それは簡単なんだよ。俺が嫌いな人って、たぶんその人も俺を嫌いだなと思うから。だから、単純なんだよ。ガキの頃から。

Q やっぱり、両想いタイプですよね。

A もう一つは、友達つくろうっていう気が全くないのね。

Q うんうんうんうん。

誰かに質問してても、別に友達になろうと思って、質問してるわけじゃないという。

Q 興味でね。

A 友達っていうのは、俺、興味ない。いないもん。

Q その、さっきから話されている、カメラマンの方ぐらい?

A もうあいつを友達とは言いたくないわ。

Q はははは(笑)

A 知り合いばっかり。知り合いはもう、何万人いるけど、友達なんか。あっ、友達がほしいタイプじゃないんだよね。

Q えっ、友達と知り合いの違いって、どこら辺が違うんですか。

友達っていうのがほしいのは、助けてほしいんだよね。

Q はあーあ。

「俺とお前、友達じゃん」って言って、ふっと「そうだよ」って言っちゃうと、「金、貸してくれる?」みたいになっちゃう。

Q えっへへへ(笑)

A ほんとなんだから。

Q じゃ友達って依存だから、知り合いぐらいのほうが自立してていいってことですか。

友達っていうと、礼儀がなくなって、ダラダラしてても許し合える。ね? そういうのができちゃうことがあるんだよ。僕にも、あえて言えば、いっぱいいますけども、それは、相当緊張していかなくちゃいけない。だから、一概に、「友達をいっぱいつくろう」とも言えないかなと。そういうときに、友達っていうのはやっぱり、「助け合う」っていうことなんだよ。助け合うのは福祉がやればいいんだよ、ほんとに。

Q いろんな名言が出ててきますね。なるほどね。確かに、知り合いぐらいに思ったほうが遠慮もあるしね、礼儀も出てきますもんね。

A だから、これはもしかしたら、うちの親父が言った中では、唯一教育的配慮だったのかな。要するに、たとえばさ、「『金、貸してくれ』って言ったら、貸すな」って言われたの。「で、どうすんの?」って言ったら、「やっちゃえ」って。

Q やっちゃえ?

A 「金、あげろ」って。「あげる気がないときには貸すな」って言ってた。それも、教育的に言ったわけじゃないんだよ。「お前さ、やっちゃえ、やっちゃえ」。それで「やっちゃうと、お前がやだなって思ったら、貸すな」。たぶん、自分もそういう経験があったんじゃないかな、ははは(笑)。

Q 常にこう、対等というかね。

A だから、不思議な話なんだけど、俺、もう、それこそ、今、一般的にいう友達いっぱいいるけど、金の話が出る友達、全然いないし。出たやつは疎遠になる。なんつったらいんだろう。お金持ちだったら、わかるでしょ。

Q そりゃあ、これだけ本を出せばね。

「ちょっと用立ててくれないか」とかさ、あるよ。それを、用立てないし、逆に言うと、それ言っちゃったらもうダメだよね。

Q さよならですか。

A なんかのときに、「これ、なんかしよう」「俺、金あるから出すよ」っていうのはしょっちゅうあるよね。何かをするときにね。それから、ちっちゃい出版社をつくるの、やっぱり資金繰りって難しいから、ちょっと足りない部分、一緒の時代で頑張ってつくってきたのがあるから、「ちょっとピンチなんだよね」「わかった。俺、用立てる」なんてことは、若いころ特にあったけど。それを前提じゃない場合の金の貸し借りみたいものはまずない、って感じってあるじゃないですか。

Q その「お金をあげてもいいな」って思えるっていうのは、何か、ちょっと共感するというか。だからこそ、投資というか、賭けようという気があるんですかね。

A それは、親父、さすがは先人だなと思ったよね。そのとき、意味よくわかんなかったんだよ。「なんだよ。やだよ」みたいな。たかだかちっちゃなお金なんだけど、俺もなかったから、親父に借りたんだよね。「どうすんだ?」って言うから、「あいつに貸すんだ」って言ったら、「それ、やっちゃえ」って言うわけ。「そりゃ、ないだろ!?」みたいに思ったの。「だったら、やめろ」みたいな。

Q でも、すごい。お父さんは、将来のことを考えて、「貸すなよ」って言ったんでしょ。「借りるなよ」じゃなくて。貸す立場の人になるって、お父さん、思ってたんですね。

A そこまで深い? はははは(笑)

Q あははは(笑)

A そっから先、知らないよね、全然。そういう意味で言うと、借金したこと、ないよね。実際はね。別にいらないもん。「貸してください」って言われたことはあるけどな。

Q (笑)「貸してください」って言われたときに、どうやって断るんですか。

「いいや」って言えばいいの。「ケチ」って言われたら「ケチだよ」って感じ。だから、たぶん「いやって言うと、ケチと思われるといや」なんだろうね。俺、ケチと思われてもいいもん。

Q そこが、子どもの頃から、「みんなで仲良くしましょう」って来た人は、なかなか断ることができないんじゃないですか。

A だよね。それをキープするためにどうするかとか。それってね、子どもっぽいよね。今の、子どもの事件を見ても、結局それでしょ。あるものをキープして、友達関係っていうのをキープするために、非常に人間的に低いレベルでの貸し借りで、しかも最後、金がからむよね。そういう形のもので、世の中が推移しているときに、「元はなんなの?」って考えてみたら、はっきり言うならば、その子たち、みんな、いい子だったって、必ず言うよね。校長先生なんかが、「いい子でした」と。その子がほんとにいないんだよね。

Q どういう子だったかという、特別感、個性、特徴がない。

自分がどういう子なのか、自分がどういう生き方なのか、どういう生き方したいのかって。いわゆるソーシャルメディアでやってるとか、ゲームやっているとか、それが社会問題になる以前に、やってる子がどうのこうのじゃなくてさ。時々、夜が遅くなっちゃって早朝の電車に乗ってみたら、みんな、携帯見てるじゃないですか。それぐらいしかやることがないのよね、通勤って。そうでしょ? だって、それが習慣になってるから、信号待ってるときも、こうやって見てるよね。

Q 歩きながらも見てますもんね。

A ね。で、それがどうのこうの以前に、それをせざるを得ないような充実しない人生っていうのを送らざるを得ない社会体制になっているってことなんだよね。

Q そうですよねえ。

A 電話がかかってくる機能だけで十分なわけ、携帯電話って。時々、絵の確認とかでいるからしょうがないから俺も一応携帯持ってるけども。つまり、それが生活のものになるぐらいにやることがないっていう状況が、ほんとは問題なんだろうね、実はね。だから、ゲームにはまっている子どもたちがどうのこうのって。

Q それが環境ですからね。

A そう。充実させないでおいて「充実させなさい」って言うような矛盾した中に、今、子どもたちがいるのが「気の毒だなあ」っていう気がする。

Q 選択肢がないっていうか、選択させないようにしておいて「選択しなさい」って言われてるってことですよね。

A ほんとにそうだよ。うん。

Q ちょっと、好みのタイプの話に戻しても。

A まだ言ってんの。

Q (笑)五味先生はワクワクすることが好きじゃないですか。

A 基本的にはB型が好きなのね、俺。結果的にわかったのは、B型って何かというと、勝手なのね。その人がやってるって感じ。

Q そういうタイプが好きですか。

俺は導いているものが嫌いだから、俺の知り合いも、女房、子どもを導いてるのがいるね。女房に対して、なんか、「うちの妻が」とかなんて言うやつ、もう張り倒したくなるね。「うちの妻が」もないだろうって感じる。

Q 名前で言ってと。

A そう。「うちのけいこさんが」とか(笑)言えばいいんだ。俺の親しいやつでも、みんな、そうだよね。「うちのまゆみさんが」みたいな。みんな、さん付けで言ってるよね。ところが、今の若いのが割と言うな、「うちの妻が」ってな。

Q じゃあ、子どももそうですが、男女もそうだけど、やっぱり、その人のキャラクター、個性っていうのをちゃんと認めてと。

A 認めてって言うよりも、それぞれ、五分五分にねえ。

Q 五味先生みたいな人だったら、選ぶ相手もワクワクした、ちゃんと自分を持っている人、自分のやりたいことを、好きなことがわかってやっている人が好きですか。

あんまり人の話聞いてない人が好きだね。俺も聞いてないんだから。

Q あはは(笑)。じゃ、お互いにね。

そこをクリアすると、お互いにあるのは、味覚とか清潔感とかね、そういった生理的なものが合うか合わないか、だよね。「ちょっと、不潔ダメよね」みたいなのとか、「不潔好き」って(笑)、いるじゃない。

Q えっ(笑)。そこで、肌感覚が出てくるでしょうね。合うか合わないか。

A そうそう。もっと言うと、それがまずスタートかもしれないよね。どこかでメシ食って「うまいね」みたいな盛り上がり方とか、食べるスピードとかね。リズム感とかね。

Q なんか、仕事はね、自分の好きなことはできたけど、伴侶はいまいち自分の好きな人に出会えてなかったっていうんじゃなくて、全部一貫してますね、何もかもが。

A それにここに至るまで努力してるから。

Q あははははは(笑)。そうですね。

Q 五味先生の日常とかも聞きたいんですけど。何時ぐらいに起きてるんですか。

A 昼の1時ぐらい。12時ぐらいに起きることを目標にしているの。

Q ふふ、そこから、ごはん食べたりして、いつぐらいから仕事をするんですか。

A 仕事はわかんない。することもあるし、しないこともあるし、ずっとしてることもあるから。

Q それじゃ、完全に夜型なんですね。朝がないんだ。

A うん、決めたもんじゃないけど、結果なっちゃうね、どうしてもね。あの、なんでもないと、夜の1時、2時、3時、4時、5時っていうのは、ほんとにいい時間だよね。

Q 全然、病気とかされてないんですよね。

A ずっと病気みたいな気がする。へへ(笑)。全然、健康だと思っていない、自分で。

Q それで、これだけ創作活動が続けられるってことがね。やっぱり、気持ちの問題なんですかね。楽しいことをしてるからなんですかね。やなことしてたら。

ていうより、そういうこと、考えてないよね、あんまりね。それは、事実、考えてない。残念なくらい、考えてない。ははは(笑)。

Q だって、世の中的には、若い層の人は、どうやって生きていくのか、上の層になると、長生きしたい、健康でいたい、ぽっくり死にたい、みたいなことを思っているわけでしょ。元気でいたいとか。

A いや、考えないからじゃないのかな、それ。

Q 何にも考えてないんだ!

A いや、そうじゃなくて、その人たちがだよ。真剣に考えていないから、一般論で言ってるんじゃないのかな。

Q ああ、そういうことですか。ふふ(笑)。

A そうとしか思えないよ。うちの母ちゃんなんかは、95歳になって、困ってるよ、「どうするのかしら」とか言ってるよ。

Q どういう意味で? これから?

A 「私、長生きするつもり、ないんだけど」って。

Q はは(笑)。やだ。五味先生、確実にお母さんに似てますね。

A いや、まあ、似てるわなあ。

Q だって、「絵本作家になりたいわけじゃないんだよ」って言いながら、なったんですよね。

A いや、そんな、否定的じゃないもの、俺は別に(笑)。ただ、母ちゃんの場合、俺もそんな長く人生やったことがないから、「どうなんだろうね?」って言ったら、母ちゃんが、「悪くはないんだけど。いつまで、やるのかしらね」って言って、へへへへへへ(笑)。

Q はははははは(笑)。

A まわりも、一応、孫とかも、「補聴器なんか、着けてみたらどうですか」って言うから、母さん、補聴器着けてみたの。すごい高いのがあるのね、今。40万、40万で、左右の耳で80万円。そしたら、沖縄、この前、遊びにいったのね。そしたら、暑くて着替えたら、補聴器なくなっちゃったんだって。1個40万の。それも気がつかなくて。「片っぽ、どうしたの?」って言ったら、「あら!」補聴器、落としても気がつかないんだから、いらないんじゃないのって結論になって(笑)。

Q はは(笑)。そうですよね。それか、さっき言われてましたけど、もともと聞かないんじゃないですか、人の話を。

A そうそう、聞いてないの。聞いてないから、補聴器いらないんだけど。

Q はははは(笑)。なんですか、そのオチは。五味先生も絶対長生きするタイプだと思いますよ(笑)。

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