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Google インドのコロナ対策で17億円追加寄付:酸素濃縮機器工場建設と地方のヘルスワーカー養成

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

新型コロナウィルス感染の拡大が続いているインドに、GoogleのCEOでインド出身のスンダー・ピチャイ氏は2021年5月に新型コロナウィルス対策でインドへ医療用酸素の提供、資金援助、技術的な知識の提供などの支援を発表した。ピチャイ氏は「現在のインドの危機を見て悲しい想いです。Googleの従業員から医療の提供とコミュニティ支援、重要な情報発信に向けて130億5000万ルピー(約20億円)提供します」とツイッターで宣言していた。

Googleは酸素濃縮機器、検査機器など医療物資提供に向けてユニセフにも資金を提供。さらに公衆衛生啓発キャンペーンの広告1500万ドル(約16億円)分を無料で提供。インドではスマホも急激に普及しており、多くの人がYouTubeや検索などGoogleのサービスを利用している。特にYouTubeは大人気で、そこでの広告でコロナウィルス対策の啓発が掲載されるインパクトは大きい。またGoogleでは新型コロナに関する正しい情報を検索するように呼びかける動画を制作してYouTubeで配信しており、英語版で約3900万回、ヒンディ語版で約2600万回再生されている。

さらに2021年6月には、Googleは追加での1550万ドル(約17億円)を寄付することを発表した。80か所の酸素濃縮機器工場の建設と地方でのヘルスワーカー養成に活用される予定。

人口13億人を抱えるインドはGoogleにとっても重要な市場である。特にGoogleはピチャイ氏がCEOに就任してからインドの全国の鉄道駅での無料Wi-Fi、子供向けYouTube、AIを活用した洪水警報システム、廉価版スマホの提供など長年にわたってインドに積極的な投資をしてきた。

▼Googleが制作した新型コロナに関する正しい情報を検索するように呼びかける動画

写真:ロイター/アフロ

▼ピチャイCEOのツイッターでの1550万ドルの寄付を宣言

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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