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インド出身のグーグルCEO「インドはこれからもコロナ感染拡大が悪化。最悪の時期はまだ来てない」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

新型コロナウィルス感染が世界規模で拡大している。そのなかでも特にインドは1日の新規感染者が30万人~40万人を超える日が続いており、世界最多記録を更新している。1日に3000人以上が新型コロナウィルスで亡くなり、病院のベッドも火葬場も不足している。世界の新規感染者の3人に1人がインド人で、累計感染者数は2000万人を超えたと報じられている。

そんななか、グーグルのCEOでインド出身のスンダー・ピチャイ氏は4月に「現在のインドの危機を見て悲しい想いです。グーグルの従業員から医療の提供とコミュニティ支援、重要な情報発信に向けて130億5000万ルピー(約20億円)提供します」とツイッターで宣言していた。

そしてピチャイ氏はCNNの取材に対して「インドでの新型コロナ感染の状況はとても恐ろしいです。インドでの感染拡大と多くの死者が出ていることにとても心を痛めています。まだこれからもインドでは感染拡大が続くでしょう。最悪の時期はまだ来ていないと思います。関係する国や機関がインドに対してどのような支援ができるのかバイデン大統領もブリンケン国務長官も最大の注意を払っていると思います」とコメントしていた。

グーグルは酸素濃縮機器、検査機器など医療物資提供に向けてユニセフにも資金を提供する。さらに公衆衛生啓発キャンペーンの広告1500万ドル(約16億円)分を無料で提供する。インドではスマホも急激に普及しており、多くの人がYouTubeや検索などグーグルのサービスを利用している。特にYouTubeはインドでも大人気で、YouTubeの広告でコロナウィルス対策の啓発が掲載されるインパクトは大きい。

人口13億人を抱えるインドはグーグルにとっても重要な市場である。グーグルはピチャイ氏がCEOに就任してからインドの全国の鉄道駅での無料Wi-Fi、子供向けYouTube、AIを活用した洪水警報システム、廉価版スマホの提供など長年にわたってインドに積極的な投資をしてきた。

▼Googleインドが作成したコロナと戦う医師を称えた動画

▼グーグルCEOのピチャイ氏のインド支援に向けたツイート

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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