「アンネ・フランクの隠れ家」VRで再現:『VR Days Europe』ノンフィクション部門で金賞
ノンフィクション部門でゴールド賞
2018年10月にオランダ・アムステルダムで「VR Days Europe 2018」が開催されていた。今年で4回目となる「VR Days Europe」だが、様々な分野のVR(仮想現実)作品が紹介されていた。
「VR Days Europe」では、それぞれの分野で優れたVR作品をゴールド賞、シルバー賞、ブロンズ賞で表彰した。アンネ・フランクの隠れ家の様子をVRで表現した作品「Anne Frank House VR」が、「シネマ部門」でブロンズ賞、さらに「ノンフィクション部門」でゴールド賞を受賞した。
▼Anne Frank House VR
アンネ・フランクの隠れ家の生活の様子をVRで再現
第2次大戦中にナチスドイツのユダヤ人迫害を逃れるために、オランダのアムステルダムの隠れ家で生活をしていたアンネ・フランク。「アンネの日記」でお馴染みだが、1942年7月6日から1944年8月4日までの約2年間を隠れ家で生活。ゲシュタポに捕らわれて、収容所で死亡した。現在、アムステルダムの「アンネの家」は世界的な観光地として有名だ。
そのアンネ・フランクが住んでいた隠れ家をVR(仮想現実)で再現した「Anne Frank House VR」が2018年6月にリリースされた。リリースされた6月12日はアンネ・フランクの誕生日だった。アンネが生きていたら89歳だった。
アンネ・フランクの隠れ家の様子を伝えたVRは英語・ドイツ語・オランダ語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・ヘブライ語に対応。アンネの家には、遺族の希望で現在では家具等はないが、VRの世界では当時を再現した家具やベッドなども設置されている。このVRは体が不自由で「アンネの家」を訪問して階段の上り下りができない人でも、当時の様子をVRで体験したり、全世界で教育用にも活用することを目的としている。
アンネ・フランクハウスのExecutive DirectorのRonald Leopold氏は「VRで世界中の人にアンネの当時の生活を理解してもらうことができる。さらに世界中に蔓延している反ユダヤ主義、差別主義、人種差別の危険性を訴え、民主主義や平等と自由の重要性を伝えることにも貢献できれば良い」と語っていた。