国連WFP、飢餓ゼロを目指して映画館広告「FEED OUR FUTURE」Facebookも協力
世界30カ国の映画館で展開
飢餓のない世界を目指して活動する国連の食料支援機関であるWFP国連世界食糧計画(国連WFP)は2018年9月24日、世界中の映画館広告会社で構成される業界団体SAWA(Screen Advertising World Association)とともに、世界の飢餓問題に取り組むため広告キャンペーン「Feed Our Future」を世界各国の映画館で展開を開始した。
CM映像「Feed Our Future」は日本を含む世界30カ国以上の映画館で本編前に上映される予定。60秒のCM映像は、華やかな医学賞授賞式での会見シーンが描かれ、ミリアム・アデカという名の若い女性による発言が綴られている。彼女の口から語られたのは、自分は偉大な医学の発見をしておらず、8歳の時に飢えにより死んだということ。映像は「子どもが一人死ぬたびに未来も死にます」というメッセージと共に、国連WFPの活動を寄付を通して支援するスマホアプリ「ShareTheMeal」のダウンロードを促している。
Facebookでもデジタルキャンペーン
Facebookも「Feed Our Future」のメッセージに共鳴し、CM映像と連携したデジタルキャンペーンをオンラインで展開。FacebookやInstagramにおけるビデオコンテンツの配信、Facebook Live、Facebookメッセンジャーを通してCM映像に登場するミリアム・ アデカと対話するプラットフォームも立ち上げた。世界で8億2100万人が飢えているという現実を、デジタルコンテンツを活用し新たな形で広く伝えていく。
『子どもが死んだときに私たちはすべて失う』
広告クリエーターのハガティー氏は「今回の制作における課題は、飢えた子どもたちのイメージに頼らずに観客を巻き込む方法を見つけること。視聴者が『子どもが死んだときに私たちはすべて失う』ということに改めて気づくことによって、共感を生み出す」とコメント。
SAWAの最高経営責任者シェリル・ワンネル氏は「飢餓は世界的な課題。映画メディアは世界で同時展開できるという特性を生かし、国連WFPとその活動についての啓蒙に積極的に取り組むべきだ。ミレニアル世代は、十分な教育を受け、社会的な関心が高く、映画館来場者の大部分を占めている。彼らは社会に変化をもたらし続けていくであろう人々。 映画メディアは2015年から持続可能な開発目標(SDGs)の支援に関わり、2018年からは映画メディアの影響力を活用して国連WFPの認知向上に取り組んでいる。 SAWAは他のメディア媒体にも同様の取組みを奨励していく」と述べている。
国連WFPのトップであるデイビッド・ビーズリー事務局長は「飢餓人口は世界中で再び増加に転じている。命が失われ、将来の可能性をつぶしている。『Feed Our Future』キャンペーンは、一人の子どもが飢餓によって命を落とすたびに私たちが何を失うのかを表している。飢餓に苦しむ子どもたちをなくすために行動を起こすことを映画の視聴者に喚起するため、SAWAと映画メディアと協力できることを誇りに思います」とコメント。