JR東日本、「歩きスマホ」川柳入賞作品発表『スマホ見て 周りの迷惑 見えてない』

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 JR東日本は2018年8月に「『危険です!歩きスマホ』キャンペーン川柳コンテスト」の入賞作品を発表した。JR東日本では2018年6月1日から30日まで「歩きスマホ」の危険性を訴える川柳を募集していた。

 コンテストには3250件もの応募があり、最優秀賞(1件)、優秀賞(2件)、JR東日本横浜支社長賞(2件)、佳作(5件)の10作品が入賞。どれも「歩きスマホ」の危険性と迷惑な点、注意喚起を訴えた秀逸な作品ばかりだ。入賞した作品はキャンペーンサイトで公開されるほか、ポスターも制作され、JR東日本横浜支社各駅でも掲示される予定。以下が入賞した10作品で、どれもが「歩きスマホ」の迷惑、困惑、注意喚起を訴えている。

最優秀賞(1件)

「スマホ見て 周りの迷惑 見えてない」

優秀賞(2件)

「ぶつかって 怒鳴る二人の 手にスマホ」

「スマホ見て 歩く大人を 子が真似る」

JR東日本横浜支社長賞(2件)

「ぶつかれば スマンでスマぬ そのスマホ」

「スマホ見て 自分の未来 見えてない」

佳作(5件)

「スマートフォン ながら歩きは ダメな見フォン」

「思いやり スマホに夢中で 忘れてる」

「スマホ見て 先が見えない あなたの目」

「顔上げて 危険は画面の 外にある」

「がめん見る がまんも大事 いまはダメ!」

いっこうに減らない「歩きスマホ」

 「歩きスマホ」は危険であることから、駅では鉄道会社や携帯電話会社らが「歩きスマホ」をやめるようにポスターを掲載したり、放送で積極的に注意喚起を呼びかけている。しかし駅で「歩きスマホ」をしている人は一向に減らない。「歩きスマホ」をしているから目と脳はスマホの中のSNSやゲーム、メッセージなどに集中しているから、ポスターにも気が付かないだろうし、注意喚起の放送も耳に入らない。

 駅では混雑していようとも多くの人がスマホを見つめている。スマホを手に持たないと駅で電車を待つこともできないし、乗り降りもできないのではないかと思うくらい、多くの人がスマホを手に持って見つめている。そしてそのまま歩いて「歩きスマホ」になる。

 駅のホームでの「歩きスマホ」による転倒や衝突でトラブルも発生している。まして線路への転倒すれば、どれだけ危険なのかは想像すれば誰にでもわかるだろう。現在、多くの駅でホームドアの設置が進んでいるが、それでもまだ全ての駅で導入されているわけではない。「白線の内側におさがりください!」と駅員が大きな声で注意放送をしていても、スマホに集中しているから、聞こえないのだろう。しかもスマホで動画を視聴して、イヤホンをしている人も多く、自分のことを放送で注意されていることに気がついてない。

「歩きスマホ」で列車と接触、死亡事故も

 そして「歩きスマホ」をしている人は「自分だけは大丈夫」という自己中心的思考に陥ってしまっている。そして衝突すると、自分は「LINEしてんだから」「ゲームしてんだから」「SNS見てんだから」と、自分の不注意を棚に上げて、まるでぶつかった相手が悪いかのように怒りを表すことが多い。さらに電車に乗る時も降りる時もスマホの画面を見ているから、スムーズに乗降できないので電車遅延の要因にもなる。

 ホームドアがない駅では、電車に接触しそうな距離で「歩きスマホ」をしている人もいて、非常に危険である。2018年7月には、JR東海道線の東静岡駅で中学校3年生の男子生徒が「歩きスマホ」をしながらホームを歩いて、ホームから足を踏み外し、後ろから入線してきた列車と接触し、ホームとの間に挟まれて死亡するという悲惨な事故が発生した。

 「歩きスマホ」で「自分だけは大丈夫」ということは絶対にない。視線と神経がスマホに集中しているから、周囲に目が届かないし、周囲の動きに気が付かない、また気が付いてからも今まで神経はスマホに集中していたから咄嗟の判断と動きが鈍くなる。ましてイヤホンまでしてたら、聞こえも悪いからますます危険である。そのような状態で歩いている人が駅にはたくさんいる。また「歩きスマホ」は自分が線路に転落するだけでなく、ぶつかった相手を転落させてしまったり怪我をさせてしまったりと加害者にもなりかねない。

 スマホを見る必要があるなら、安全な場所で立ち止まって確認すればいい。スマホの世界的な規模での普及によって「歩きスマホ」による事故は日本だけでなく世界規模での社会的課題になっている。そして「歩きスマホ」が危険だと頭では理解しているが、ついやってしまい、やめられないのだ。だが「歩きスマホ」は命をかけてまでやることではない。