韓国、産学連携でAIを活用した軍事研究拠点を開設

(写真:ロイター/アフロ)

 韓国の国立大学のKAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)と韓国の防衛関連大手企業のハンファシステムが2018年2月に、人工知能(AI)を活用した自律兵器の開発など軍事研究を共同で推進していくことを明らかにした。

 両者はKAISTのキャンパス内に、AIを活用した防衛に関する研究センター(Research Center for the Convergence of National Defense and Artificial Intelligence)を設立。いわゆる産学連携で、KAISTからは25名の研究者が参加する予定。AIベースのコマンドシステム、AIを搭載した無人ナビゲーションのアルゴリズム開発、AIによる飛行システム、物体追跡に関する研究や開発を行っていく。

 KAISTのSung-Chul Shin学長は「KAISTにはAI分野の専門家が60人いる。グローバルレベルでの研究ができる。今回のセンター設立は、国家防衛でのAI活用の強力な礎になる」とコメント。また「KAISTと協力して、2018年までに開発を完了したい。そしてグローバル市場でも競争力ある製品を開発していきたい」とハンファシステムCEOのChang Si-kweon氏は述べている。

共同研究センター開設(2018年2月20日)(KAIST提供)
共同研究センター開設(2018年2月20日)(KAIST提供)

AI搭載兵器の登場で変わる戦場と戦争

 AIの軍事面での活用はロシアや米国などでも進められており、AIを搭載したロボット同士の戦いになり、戦場や戦争の在り方が変わっていくと注目されている。特に従来、戦場で兵士が行っていた3D業務(単調:dull、汚い:dirty、危険:dangerous)の任務の多くがロボットに置き換わっている。韓国としても地政学的にも軍事面でのAI活用は避けて通れないだろう。韓国では既にサムスンが開発したAI搭載の監視ロボットSGR-A1が北朝鮮との国境に配備されている。画像認識で人が近づいてくることを判断すると警報を発する。発砲には人間の判断が必要とのこと。国境線の監視や警備には人間の目よりも、24時間働き続けても疲れないし広範囲を監視できるのでロボットの方が適している。

 一方で、AIが進化し、自律型ロボット兵器が登場することによって、ロボットが自律的に判断して人間を攻撃してくることも懸念されている。キラーロボットと呼ばれており、「自律型致死兵器システム(LAWS)」の問題は国連でも議題になっている。2017年11月には、国連の特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組で公式専門家会議が開催され、日本からは外務省や防衛省などが参加している。

▼サムスンが開発した監視ロボット「SRG-1」(サムスン)