クリムトの名画「接吻」を3D化:視覚障碍者が指で触れて芸術鑑賞できる時代へ
オーストリアを代表する画家グスタフ・クリムトの代表作の絵画「接吻(Kiss)」(1907-1908)が3Dプリンターで立体的に複製された作品が2016年10月12日にウィーンで発表された。
視覚障碍者が指で触って芸術鑑賞できる時代へ
EUは視覚障碍者が美術館や博物館を利用しやすい環境を構築しようとするプロジェクト「AMBAV (Access to Museums for Blind and Visually Impaired People) 」を推進しており、今回のクリムトの作品の3D化も、その一環で美術品を指で触って感じてもらうことを目的としている。
絵画を所蔵しているベルベデーレ美術館によると3Dプリンターで複製した作品は実物の絵画よりも小さいが、作品の細部まで複写しており、作品に触れることによってどのような作品か理解できるようになっているとのこと。また3D作品に触れると音声解説が流れるそうだ。
ドイツの視覚障碍者団体のRainer Delgado氏は「視覚障碍者が芸術作品と触れるにあたって、新たな時代の幕開けが期待される。将来は自宅に3Dプリンターを置いて、美術館のホームページから作品をダウンロードして楽しめる時代が来るのではないか」とコメントしている。
これからもこのように世界中の絵画など多くの芸術作品が3D化されて「誰もが作品に触れながら観賞できる」ようになる時代がやってくるだろう。
クリムトというと、最近は国内外でもっぱら映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」(上記の動画参照)ばかりが話題になっていたが、他にも多数の作品がある。