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カスタムとスポーツ両面で楽しさアップ 「新型GROM」国内投入も秒読み段階に!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA GROM 画像出典:Webikeニュース

先日、ホンダの125ccミニバイク「新型GROM」がタイと欧州で相次いで正式発表され、いよいよ国内導入への期待も高まっている。

GROMの初期型は2013年に発売、その後2016年にマイナーチェンジした現行型がデビューしクラスを代表する人気モデルとなったのは周知のとおりだ。

そして、今回の新型は初のフルモデルチェンジを敢行。まず外観をリファインし、レトロポップ調のシンプルかつファンなスタイルへと一新。タンク側面のパネルやサイドカバーを簡単に脱着できる構造とし、気軽にカスタムを楽しめるようにした。

▲欧州仕様 新型GROM 画像出典:Honda Motor Europe Ltd.以下同
▲欧州仕様 新型GROM 画像出典:Honda Motor Europe Ltd.以下同

エンジンも新設計となりボア×ストロークを変更。従来型が52.4mm × 57.9mmだったのに対し、新型では50.0mm × 63.1mmへとロングストローク化。圧縮比も9.3から10.0へと高められている。最高出力・トルク値は7.2kW / 7,250 rpm 、10.5Nm / 5,500rpmとEURO5に対応しつつも従来とほぼ同等レベル(現行国内仕様は7.2kW / 7,000 rpm、11.0Nm / 5,250rpm)をキープ。PGM-FI採用により高回転寄りの出力特性としているのが特徴だ。

特に注目したいのはトランスミッションが4速から5速に変更されたことだろう。これにより、よりきめ細かい回転数のコントロールと高回転域での車速の伸びが期待できそうだ。

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また、最低地上高を160mmから180mmへとアップしつつもシート高は4mm下げて761mmへ。フューエルタンク容量も5.5Lから6.0Lへ増量するなど細かいスペック向上が図られている。ちなみに車重は1.3kg微増の103kgとなっている。

なお、従来は欧州やタイでは「MSX125」の呼称だったが、新型では「GROM」のモデル名に世界統一されるとのこと。

現時点では新型の国内デビューに関しては未発表だが、今までの流れを見ればタイや欧州仕様とほぼ同等のスペックが与えられている?はずだ。

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新型「GROMレースベース車」を先行発売

▲GROMレースベース車 画像出典:ホンダ広報リリース画像より。以下同
▲GROMレースベース車 画像出典:ホンダ広報リリース画像より。以下同

ここにきて朗報が飛び込んできた。ホンダ・レーシング(HRC)から「GROMレースベース車」を2021年3月から発売すると発表。

これは新型GROMをベースにレースに不要な保安部品等を取り外し、HRCキットパーツのECU、ハーネス、各種切り替えスイッチ等を組み込んだもので、HRCサービスショップが独自開発したレース走行に必要なパーツ(カウル・ステップ・マフラー等)を装備したレース用コンプリート車としてショップにて販売する。

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さらにワンメイクレース「HRC GROM Cup」の全国サーキットで開催を予定するなど、モータースポーツの感動を体感できる環境も同時に整えていくとのこと。

そう考えると、エンジンの高回転化と5速ミッションの採用、そして外装の簡単脱着など新型が目指す方向性にも合点がいく。つまり、カスタムする楽しさとともに、趣味として気軽に楽しめる参加型モータースポーツを新型GROMとともに一層普及させていこうということだろう。国内デビューを心待ちにしたい。

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※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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