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小さなエンジンの巨大マシン スペイン発の「レオンアート」が面白い!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
LEONART デイトナ125 画像出典:Webikeニュース

スペインから気鋭のモーターサイクルブランドが上陸した。LEONART(レオンアート)は2004年にバルセロナで誕生した、シンプルで個性的な小排気量モデルを作っているメーカーだ。現オーナーが、趣味で“自分が乗りたいバイク”を作ってしまったのが始まりだとかで、元々は産業機械などを手掛けていただけにモノ作りは得意だったようだ。

原付2種免許で乗れる巨大クルーザー

LEONARTが斬新なのはそのコンセプト。ひと口に言うと、ハーレー並みの車体に125ccエンジンを積んだマシンなのだ。最近のバイク業界では「軽量コンパクトな車体にハイパワーなエンジンを……」というのが決まり文句になっているが、その真逆をいっているのが相当にユニーク。

▲パイルダー125
▲パイルダー125

例えば、フラッグシップモデルの「パイルダー125」などは全長2390mmもある。これはハーレーで言うと、よく知られた名車「ローライダー」を上回る長さだ。リヤタイヤのサイズも190ワイドと堂々たるもの。どこのメガクルーザーかと思いきや、ふとナンバープレートに目をやるとピンク色(原付2種)という意外性がいい。バイクを知らない人が見たら、否けっこうツウな人が見ても、これが原付とは思わないはずだ。

エンジンは水冷4スト並列2気筒にFI装備でユーロ4にも対応。最新のパイルダー125は最高出力15psとかなり頑張っている。作りもなかなかゴージャスで、スチール製ダブルクレードルフレームに、倒立フォークと片持ち式のアルミスイングアームにモノショックを装備。前後連動ブレーキタイプのトリプルディスクを備えるなど足まわりも盤石だ。

ちなみに、パイルダーの名前の由来は、レオンアートの社長が子供時代に見ていた70年代の日本のロボットアニメ「マジンガーZ」からとったのだとか。特にアラフィフ世代には好感度も大かも(笑)。

個性派ぞろいの5モデルをラインナップ

ラインナップとしては、オリジナリティ溢れるカスタムテイストのクルーザーやネオクラシックモデルなど現在6機種を揃えていて、そのうち国内には5機種が投入されている。

それぞれを簡単に紹介すると、前述の「パイルダー125」は唯一6速ミッションを採用したスポーツクルーザーで、豪華装備とパワフルな走りが魅力の最上級モデル。

「デイトナ125」は伝統的なクルーザースタイルでエンジンは他のモデル同様、水冷4スト並列2気筒から約12psを発揮。リジッドフレーム風のクラシカルな雰囲気が本格的だ。

▲デイトナ125
▲デイトナ125

「ヘリテージ125」はレオンアートの中ではコンパクトな車体にツインショックを装備した軽快なモデル。トラッカーとアメリカンの中間的なフォルムが個性的。

▲ヘリテージ125
▲ヘリテージ125

「ベッセル125」はセパハンとツインショック、イモラ風タンクにタンカラ―のシートが味わい深いネオクラシック風のカフェレーサーに仕上がっている。

▲ベッセル125
▲ベッセル125

「トラッカー125」は唯一の空冷単気筒125ccエンジン搭載のビンテージスクランブラータイプ。倒立フォークにアルミスイングアームとモノショックを装備するなど走りにもこだわっている。

▲トラッカー125
▲トラッカー125

というように、レオンアートは既存の型にはまらない個性的でユニークなプロダクトが魅力だ。車両本体価格も418,000円~594,000円(税込)と原2としては高価だが、この内容と存在感、そして外車であることを考えればリーズナブルと言えよう。

なお、取扱店は現在、総輸入元のウイングフット(東京都・足立区)を含め全国に6店舗となっている。

小さなエンジンを積んだ巨大マシン、という逆転の発想。クスッと笑ってしまいそうだが、冗談を本気で突き詰めたスペイン男の心意気もまた見事だと思うのだ。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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