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ハーレーがついにシンプル&ミニマル宣言!? 「ソフテイル スタンダード」がイケてる理由とは

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
SOFTAIL STANDARD 記事内画像出典:Webikeニュース

ハーレーダビッドソンからソフテイルファミリーの最新モデル「ソフテイル スタンダード(SOFTAIL STANDARD)」が発売された。

その名も“標準的ソフテイル”。ハーレー伝統の空冷Vツインに最新テクノロジーを注ぎ込んだミルウォーキーエイト107エンジンによるトルク感溢れる動力性能や新世代ソフテイルならではの高次元の走行性能はそのままに、シンプル&ミニマルを追求した現代的なボバースタイルが特長になっている。

新型ソフテイルで最も地味な存在

2018年登場の新型ソフテイルは従来の「ダイナ」と「ソフテイル」の統合によって生まれたハーレーの中でも最も新しいシリーズである。その大変革の背景にはユーザーニーズの変化があったと言われる。特に若い世代においては、クラシックやレトロといった従来のハーレーのイメージだけでなく、「多用途性を持ったモダンスタイル」や「最先端なアグレッシブさ」なども同時に求めていることが判明。それを反映させる形で、排気量を拡大したパワフルなエンジンと走りの性能を高めた新設計シャーシが与えられた新型ソフテイルが登場。現在、個性的なスタイルと独自の世界観を持った12機種がラインナップしている。

さて、その中において今回デビューした「ソフテイル スタンダード」はかなりトーンを押さえた地味な雰囲気になっている。だが実はコレ、かなりイケてると個人的には思っている。その理由を次に挙げてみたい。

1. シンプルさが懐かしい

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新型ソフテイルの中にあって最もシンプルなデザインと装備のモデルである。高く構えたミニエイプバーにワイヤースポークホイールやクローム仕上げのツーショットガンマフラーなど、古き良き時代のハーレーを彷彿させるチョッパーらしさがまたいい。

2. カスタムベースとして最適

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シンプルということは逆に言えば絶好のカスタムベースであり、自分好みの色に染めていける楽しさがある。あえてグラフィックを施していないブラック単色のカラーやソロシート、クラシカルなヘッドライトを見ているだけでカスタムマインドが刺激されるはず。

3. 軽量コンパクト

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297kgの車重はソフテイルの中でも最軽量レベル。最新スポーツモデルに比べれば重いが、そこは鉄馬ハーレー。しかも排気量は1746ccもある大型クルーザーであることを考えれば十分軽いと言える。シート高も680mmと低く、取り回しも楽だろう。

4. 扱いやすい排気量

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ソフテイルシリーズの大きいほうのエンジン、ミルウォーキーエイト114(1868cc)より若干ではあるが排気量が少なく扱いやすい出力特性はメリットでもある。加えてタイヤサイズもフロント100/90-19、リヤ150/80-16と細めかつスタンダードなサイズなので走りも素直なはずだ。

5. お値打ち価格

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高級車であるハーレーの中では169万円台という破格プライス。削ぎ落し系のボバースタイルがウリのストリートボブよりさらに10万円以上も安い。もちろん、スポーツスター系やストリート系など価格を抑えた小排気量モデルもあるが、ビッグツインエンジン搭載のソフテイルの中では一番リーズナブルだ。

時代の空気を読んだモデル

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などの理由からソフテイル・スタンダードはかなりイイ感じに思えるのだ。ハーレーに限らず新型モデルはより高性能・高機能・高価格になりがちだが、思い切ってその逆をいくシンプル&ミニマルをキーワードにしてきた辺りはさすが。時代の空気を読んでいると言えよう。

「シンプルなハーレーを待ってました!」とか「ハーレーは初めてだけど、やはりビッグツイン系に憧れる!」とか「どうせいじり倒すつもりだから車両価格は押さえたい!」という人にはイチ押ししたい一台だ。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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