新型「スピードツイン」サーキット試乗 正統派ブリティッシュスポーツの神髄とは!?

TRIUMPH SPEED TWIN  写真出典:Webikeバイクニュース

トライアンフの最新モデル「スピードツイン」にサーキットで試乗する機会を得たので緊急レポートしたい。

「スピードツイン」はボンネビル系最強を誇るスラクストンRのエンジンと車体をベースにアップグレードされた“カスタムロードスター”という位置付けで、レトロモダンな外観にもかかわらず戦闘力は非常に高いとされる。であればその神髄はサーキットで確かめないわけにはいかない。

跨っただけでヤル気が伝わってくる

均整の取れた筋肉質のボディラインは、トラディショナル路線のT120と比べてもひと回りコンパクトに見える。水冷並列2気筒270度クランク1200cc、最新式の英国製バーチカルツインが奏でる重厚かつ弾けるエキゾーストノートに目が覚める思いだ。

ライポジは同じボンネビル系のT120に比べるとハンドルが低く近め、ステップ位置は逆に高めで後退したスポーティな設定である。シート高も807mmとボンネビルより2cm程度高めで座り心地もソリッド、というようにかなり違う。跨っただけで「おっ、これは走るな」とバイクから直感的に伝わってくるのだ。

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サーキットが楽しい伸びやかな加速

エンジンはT120のハイトルク型に対して「スピードツイン」はスラクストン譲りのハイパワー型の出力特性を採用している。低速は線が細いかも、と思いきや先入観を裏切る図太いトルクでぐいぐい加速していく。それでいて、高回転型にチューニングされているため、ロングストレートでも想像していた以上に伸びやかな加速が楽しめる。

サーキット前提に作り込まれているかと思うほどで、ミッションも思いのほかクロスしているためギアのつながりもスムーズ。軽いクラッチでシフトワークも節度感があるし、ことサーキットでは最後のひと伸びがトップスピードにかかわってくるため、これは気持ちよかった。

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持って生まれた運動神経の良さ

ややフロントに粘りがあってそれが安定感につながっているのが、ボンネビル系独特のハンドリングの持ち味。フロントに安心感があるので思い切ってコーナーに飛び込んでいけるし、カッチリした車体剛性と足まわりで高速コーナーでもまったく不安のない走りを見せつけてくれた。

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また、標準装着のピレリ・ディアブロロッソ3も接地感が豊富で実にいい仕事ぶり。乗り味は全体的にはしっとりとしているのだが、車体はけっして重ったるくなく、適切な入力を与えてやればむしろ機敏に動いてくれる。トラディショナルな雰囲気なのに運動神経がいい感じ。これは明らかにスラクストンの血統だ。乗り手の要求に素直に応えてくれる適度なスポーティさが気持ちいい。

3気筒トリプルとも互角に渡り合える

サーキットでまさかここまで走ると思っていなかったので、スペックを詳しく見てみたら納得。それは数値でも裏付けられていた。このクラスで車重196kg、ホイールベース1430mm、そしてキャスター角はSS並みの22.8度、と数値だけみれば最新スポーツネイキッドと見まがうばかりだ。特に車重はスラクストンRと比べてなんと10kgも軽い。

最高出力こそ97psと控えめに見えるが1200ccの排気量から吐き出されるトルクは強大で、たとえばサーキットでもヘアピンコーナーからの立ち上がりなどはムチャクチャ速い。エンジンやハンドリングの特性はまったく異なるが、条件さえ揃えば3気筒トリプルシリーズとも互角に渡り合える実力と見た。

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そして、その溢れんばかりのトルクを安全に調教してくれるのが電子制御システムだ。3種類のライディングモード(ROAD、RAIN、SPORT)は走りながらでも選択できるので、走り始めは穏やかなRAINでタイヤを温めてからダイレクトなSPORTで本来のパフォーマンスを楽しむこともできる。そして、今や常識となったトラコンとABSが安全を担保してくれていることも心強い。

幅広く使えてプレミアム感もある

以上、「スピードツイン」はかなりのスポーツ性能を持って生まれたモデルではあるが、もちろん活躍の舞台は主にストリートになるだろう。ベースとなったスラクストンRほど過激なライポジとスタイルではないので、普通に街乗りからツーリングまで幅広く使えてプレミアム感も同時に味わえるモデルだと思う。こうした世界観を正統派ブリティッシュスポーツで体現したい人にこそ、ぜひおすすめしたい一台だ。

出典:Webikeバイクニュース