熱い視線が向けられる250ccクラス ”ニーゴー”人気の理由とは!?
「Webikeモトレポート」から見える事実
昨年末に掲載された【2018年注目されたモトレポート10選!】から見えてきたバイク市場の最新トレンドについて考えたいと思う。
毎回最新モデルの情報とともに試乗インプレッションをお届けしている「Webikeモトレポート」だが、2018年を通じてユーザーからのアクセスが多かった、つまりユーザー目線で注目度が高かったモデルをメーカー別にランキングした記事を昨年末にアップした。
まずはそのランキングを見てほしい。
■ホンダ
1位 CB250R
2位 PCX125
3位 レブル250/500
4位 CB125R
5位 CB1000R
6位 PCX150
7位 モンキー125
8位 クロスカブ110
9位 スーパーカブ C125
10位 フォルツァ
■ヤマハ
1位 XMAX
2位 MT-10SP
3位 NIKEN(ナイケン)
4位 トレーサー900 GT
5位 BOLT
6位 シグナスX SR
7位 YZF-R25
8位 新型セロー250
9位 YZF-R6
10位 トリシティ155
■スズキ
1位 Vストローム250
2位 スウィッシュ
3位 SV650X
4位 GIXXER(ジクサー)
5位 GSX250R
6位 アドレス125
7位 GSR250
8位 GSX-R125
9位 GSX-R1000R
10位 Vストローム650/XT
※編集部注:カワサキ車については試乗可能な車両が限られていたため、モトレポートでの取りまとめは叶いませんでした。
気になるモデルの4割が“ニーゴー”クラス
ランキングを俯瞰してみると、各メーカーともある一定の特徴があることに気付くはず。まず250ccクラスが多いこと。法的な区分としては軽二輪車(126cc~250cc)に属するが、各メーカーとも4割がこのクラスで占められている。メーカーごとに温度差はあるが、概ね次に目立つのが大型スポーツモデル、そして125ccクラスが続く。
さらに注目したいのは、各メーカーのランキング1位がすべて250ccクラスという事実。ホンダの「CB250R」は“ネオスポーツカフェ”をコンセプトに大胆なイメチェンによって新たなユーザー層獲得を狙う新世代CBということで昨年の話題となったモデル。ヤマハの「XMAX」はかつての“ビグスク”のイメージを一新するスタイリッシュなデザインと最新の走りの性能でこのジャンルに新風を吹き込んだスポーツスクーターだ。そして、スズキの「Vストローム250」は欧州でアルペンマスターの名を欲しいままにした人気シリーズの持つ壮大な冒険感を引き継ぐ“ニーゴー”アドベンチャーモデルである。
▲ホンダ CB250R
▲ヤマハ XMAX
▲スズキ Vストローム250
趣味と実用の性能バランスに優れる
ランキングトップ3台は各々ジャンルが異なるが、一方で共通して言えるのは軽量コンパクトな車体と扱いやすいパワーとサイズ感、スタイリッシュな外観デザインなどだ。
“ニーゴー”(250cc)クラスは街乗りで便利に使いまわせて、高速道路に乗れるのでツーリングでも楽に距離を伸ばせるし、ワインディングも気持ち良く楽しめるスポーツ性能も併せ持っている。そして燃費が良くて車検いらずということでランニングコストも安い。つまり、趣味と実用を兼ねたワイドレンジの使い方ができる、必要十分な性能を備えたクラスなのだ。ユーザーはその辺りの価値をちゃんと見抜いていると言えるだろう。
データでも裏付けられた堅調ぶり
バイク不況と言われる現在だが、軽二輪車(126cc~250cc)は他のクラスと比べても比較的健闘している様子がデータからもうかがえる。全軽自協の資料によると、軽二輪車の新車販売台数は1987年~1988年にかけて20万台を超え、それをピークにバブル崩壊、リーマンショックを経て2010年~2011年辺りでは3万台ペースまで漸減したが、その後やや持ち直しここ数年は5万台前後をキープ。最新データでは、2018年には過去10年で最高となる5万7,229台を記録している。ちなみに小型二輪車(251cc~)は2018年が6万3,220台で、年により多少の波はあるものの6万台強をキープしている状況だ。
リアルな相棒
ニーゴーは、かつての80年代のバイク黄金期を知る者にとっては、これぞ相棒と呼べるリアルな存在だった。好きなときに普段着でパッと跨って、気の向くまま出かけてみたい…。人間の本能からくるそうした自然な欲求は、30年後の現在でもあまり変わっていないと思う。その感性にそっと寄り添ってくれるのが“ニーゴー”なのだ。
■参考資料
※原文より筆者自身が加筆修正しています。