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BS初参入の本格アドベンチャー向けタイヤ「AX41」の実力を開発者に聞いてみた!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
画像:BRIDGESTONE

先日、ブリヂストンの新商品発表会に行ってきました。

そこで2つの新製品が紹介されましたが、今回はそのうちのひとつ、アドベンチャーモデル向けにオフロード走破性能と耐久性を追求した「BATTLAX ADVENTURECROSS AX41(バトラックス アドベンチャークロス エーエックスヨンイチ)」について取材してきたのでレポートしたいと思います。

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オフでのトラクションと耐摩耗性を重視

今春発売されたA41が同じアドベンチャーモデル用でもオンロード主体の性能を重視しているのに対し、今回のAX41はオフロード走行に軸足を置いた作り込みをしているのが特徴です。ゴツゴツとした大きなブロックが散りばめられた勇ましい面構えはまさにアドベンチャーに相応しいビジュアル。見ているだけで冒険心が煽られますよね。

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技術的なポイントは主に3点で、トレッドパタンについてはA41に比べてリヤ側のブロック断面積を約30%増やすことで路面に食い込み、高いトラクション性能を発揮する設計に。また、フロント側には新しいブロック形状を採用してブレーキング時の段差摩耗を抑制するなど耐久性も高められています。さらにコンパウンドにも改良を施し、A41に対し強度と剛性を約30%向上させることでトラクション性能をアップしています。

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BS開発者に「本当のところ」を聞いてみました!

近年、世界的なアドベンチャーブームと言われ、各メーカーから様々な新型モデルが登場しています。これに呼応してタイヤメーカーも続々と同カテゴリー向けの新作タイヤをリリースしていますが、BSとしては今回のAX41が本格的な初参入となるわけです。私自身、最近アドベンチャーモデルに試乗する機会も多くタイヤにもとても興味があるので、ここぞとばかりにBSの開発スタッフの方々に話をうかがってみました。

欧州からのニーズに応えた

佐川:「ある車両メーカーの調査によると、アドベンチャーモデルのユーザーの中でも本格的なダート走行を経験したことがある人は5%程度と聞いています。そう考えると商売的には難しいと思いますが、いま何故このカテゴリーに参入するのでしょうか?」

BS:「欧州からの要求が高かったですね。日本とは走行環境も異なりますが、向こうではビッグアドベンチャーモデルでダートを含めた長距離ツーリングを楽しむライフスタイルが定着していて、ライダー人口も多くその割合も高いです。A41でもフラットダートなら十分いけますが、さらに踏み込んだ領域でのオフロード性能を求める声も多く、またダートに行かなくても、見た目的に“らしさ”が欲しいといった意見もありました。そうしたニーズに応えた形ですね」

日本の林道にうってつけの性能

佐川:「オフロードといっても様々なシチュエーションがあると思います。フラットな林道からマディ、ロックやサンドなど…。実際どんな路面を想定していますか?」

BS:「ひと口に言えば、固くしまったドライな土、あるいは砂利道などを想定しています。AX41ではオフでのトラクションを高めるために、タイヤ自体の大径化やブロック断面積の増量、短いピッチの中にブロックを密に詰め込む(小ピッチ長化)などの工夫をしていますが、ブロックの間に泥が入り込んで塞いでしまうようなヘビーマディでは役不足かもしれません。また、深いサンドなどではもっと高いブロックが必要になるでしょう。でも、それはもうレース用ですね。コンパウンドも大事で単に硬くしてもグリップしないし、柔らかすぎて千切れてしまっては意味がない。AX41ではその辺りの剛性と強度のバランスを最適化しています。日本の林道にもうってつけだと思いますよ」

オンロード主体であればA41がおすすめ

佐川:「オフに強いAX41とは言え、実際のツーリングなどではオンロードを走る機会が多いと思います。アスファルトでの走りはどうなんでしょう?」

BS:「正直なところオンロード性能ではA41が優っています。もちろんAX41でも問題なく高速道路やワインディングをスポーティに走れますが、オンロード主体のツーリングを楽しみたい方には、高いウェット性能とロングライフを実現したA41がおすすめです。さらに一歩踏み込んで行動範囲を広げたい方には是非AX41を試していただければと」

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▲BATTLAX ADVENTURECROSS A41

AX41の発売は2019年2月を予定とのこと。MotoGPやEWC(世界耐久選手権)をはじめとした世界のトップシーンで活躍し実績を残してきた国産ブランドの雄が、いよいよ本腰を入れてアドベンチャーセグメントに投入してきた最新モデルです。いやが上にも期待が高まりますね。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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