最近気になる”ゆるオフ”モデルに注目 「スクランブラー&トラッカー」ブーム到来か!?

BMW R nineT Scrambler

最近バイクに新たなトレンドが生まれつつある予感がある。

それは「スクランブラー」や「ダートトラッカー」と呼ばれる”土系”モデルである。土系といってもモトクロッサーやトライアルのように大ジャンプをキメたり、岩場を登ったりできるものではない。これらのニューウェーブはオンロードモデルをベースにオフロード性能を高めたもので、基本的にはオンロード(舗装路)での走りに軸足を置きながらも、オフロード(未舗装路)もそこそこ楽しめるモデルと言っていいだろう。

オンとオフの得意加減はそれぞれのコンセプトによるが、スタイリングや雰囲気重視のものから、林道レベルなら躊躇なく行けてしまうモデルまで様々だ。

かつての伝統的スタイルが復活

具体的にはBMWの空冷フラットツインを搭載した「R nineTスクランブラー」や今春ドゥカティからデビューした空冷Lツインの拡大版「スクランブラー1100」。そして10月にもアンベールが期待されるトライアンフ「スクランブラー1200」や、アメリカ伝統のフラットトラックレースにインスパイアされたインディアン「スカウトFTR1200」も2019年に発売予定だ。

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▲BMW R nineT Scrambler

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▲Ducati Scrambler 1100

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▲Triumph Street Scrambler

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▲Indian Scout FTR1200

国産でもトラッカーとスクランブラーを融合したネオクラシカルな雰囲気のヤマハ「SCR950」や、かつてフラットトラッカーイメージで一世を風靡した人気長寿モデル、ホンダ「FTR」(2016年に惜しくも生産終了)などがある。

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▲YAMAHA SCR950

ちなみに「スクランブラー」とは、60~70年代に欧米で流行したデザートレース(砂漠や荒野を走る)などに対応するため、オンロードバイクを不整地走行用に改造したマシンの総称で、より高度なオフ性能を求めて進化したモトクロッサーなどが出現する以前のオフロードバイクのこと。

一方、「ダートトラッカー」とは硬くしまった平坦な土でできた楕円形のコース(フラットトラック)を周回するレース用マシンで、主に北米で進化したスタイル。「フラットトラッカー」と同義語で、伝統的にハーレーやインディアンなどご当地ブランドが強い。そのためか、これらのモデルは伝統を意識したネオクラシカルなデザインが主流で、エンジンも味わいや鼓動感を強調した空冷ツイン系が多いのも特徴だ。

スクランブラーは「ゆるオフ」系!?

例えば、間もなく国内デビューするホンダCRF450Lなど、競技用のモトクロッサーやエンデューロモデルの流れを汲む公道モデルが本格的な「がちオフ」系とすると、スクランブラーやダートトラッカーなどは「ゆるオフ」系と位置付けられるかも。

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▲HONDA CRF450L

ハードオフ系が未舗装路でのアジリティ(俊敏性)や走破性を重視して、軽量スリムなボディとロングストロークのサスペンションやフロント21インチなどの大径ホイールを装備しているのに対し、フラットダート系は基本的にオンロードモデルがベースなので、車体は大柄でホイールサイズも17~19インチと標準的。サスペンションストロークも極端に増やしていないため、大きなギャップなどは苦手だ。その一方でシート高は抑えられているため足着きは良く、大排気量エンジンのトルクを生かしたダイナミックな走りが魅力となっている。

アドベンチャーより気楽にオフ散歩できる

では、アドベンチャーモデル(ADV)との差別化はどうなるのか、という疑問について。ADVが目指すのは究極のオールマイティ性能だ。

このジャンルを確立したBMWの「R1200GS」をはじめ、ホンダ「CRF1000Lアフリカツイン」、トライアンフ「タイガー」、ドゥカティ「ムルティストラーダ」、KTM「アドベンチャー」などの各シリーズが存在するが、大同小異、望むなら世界の果てまでも連れていく、というのがこれらADVのコンセプト。

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▲KTM 1290 Super Adventure R

高速かつ快適に長距離を一気に移動するための高性能エンジンとエアプロテクション、未踏のジャングルや砂漠を超えて突っ走る強靭な足まわりと、これらを統合制御する最新の電子デバイスをフル装備した、いわばオフロード版スーパースポーツだ。

これに対しスクランブラーやダートトラッカーなどの「ゆるオフ」系は、シンプルな車体構成で電子デバイスも最小限。スタイリングもネオクラシカルで都会の風景にも溶け込みやすく、普段着で気軽に楽しめる雰囲気を持っている。それでいて、ツーリング先で純粋なオンロードモデルでは躊躇してしまうような荒れ地や林道にもそのまま入っていける。つまり、限界も低いが敷居も低いわけだ。

”土系”をビジュアルで表現したい人にも!

「スクランブラー」や「ダートトラッカー」をオフロードモデルに分類するのは多少無理があるとは思うが、「ゆるオフ」遊びを気軽に楽しめるということでは選択肢は広がりそう。本格的オフモデルやADVを乗りこなす自信はないが、ちょっとしたオフ遊びや林道ツーリングを楽しみたい方。”土系”のタフな雰囲気を日常のバイクライフで感じたり、ビジュアルとして表現したい人にも是非おすすめしたいカテゴリーだ。

出典:Webikeバイクニュース