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いよいよ東京モーターサイクルショー2018開幕 ケニー佐川が独断で選ぶ「見ておくべきモデル11選」

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
第25回 東京モーターサイクルショー2018が東京ビッグサイトで開幕

第45回東京モーターサイクルショーが3月23日(金)、24日(土)、25日(日)の3日間、東京ビッグサイトで開催される。

今年も数多くの車両メーカーや販売店グループ、アフターパーツメーカーや関連団体などが集い、連日多くの来場客で賑わうはずだ。広い会場、限られた時間の中でなかなか全部を見切れない、という人も多いことだろう。

そこで、今回の"見どころ"を車両メーカーに限ってWebikeニュース編集長のケニー佐川が独断で選んでみた。ネタとして少しでも参考にしていただければ幸いだ。

HONDA

【CB1000R】リッターネイキッドの新スタンダード!

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▲CB1000R

合計23台を大量展示するホンダの中から1台を絞るのは難しいが、あえて選ぶとしたら新世代CBシリーズとして発売される大型ネイキッドロードスポーツ「CB1000R」だろう。CBR1000RR系エンジンを搭載。

出力特性とスロットルレスポンスを変化させるパワーセレクター、後輪の挙動変化を抑制するセレクタブルトルクコントロール、エンジンブレーキの強さを制御するセレクタブルエンジンブレーキなど3種類の電子制御や4種類のライディングモードを搭載するなどホンダの最新技術が投入されている。

ぜひCB250R/125Rなども含めたシリーズとして見比べてみてほしい。

YAMAHA

【TRACER 900 ABS】より快適にツーリング機能を強化

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▲TRACER900 ABS

ヤマハは今回初公開となる「TRACER900 ABS」で決まりだろう。水冷直列3気筒を搭載したスポーツツーリングモデルで、従来のMT-09の頭文字を廃して独立したモデルであることを強調しているのがポイントだ。

高いスポーツ性はそのままに快適な乗り心地とツーリング機能の強化を行い、新型フロントスクリーンや新設計ハンドルバー、新たに前後シートとサイドケース用マウントを設定。60mm延長された新設計の高剛性リアアーム、優れた整流効果と質感を高めたスタイリングが採用されるなど、大きく進化した。

サスペンションを強化し、TFTディスプレイなどを採用した上級バリエーションの「TRACER900 GT ABS」とともに気になるところだ。

SUZUKI

【GSX-R1000R ABS】最高峰SSにMotoGPカラー登場か!?

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▲GSX‐R1000R(参考出品車)

スズキと言えばGSX-R!ということで、参考出品車として展示されるMotoGPカラーを採用した「GSX-R1000R ABS」に注目したい。新グラフィックを採用した輸出仕様車ということだが、ぜひ国内仕様でも出して欲しいカッコ良さだ。

MotoGP参戦マシン「GSX-RR」も同時に展示されるので、どこが似ていてどれだけ違うのかなど、じっくり見比べるチャンスだ。

他にもその直系であるフルサイズ原2スーパースポーツの「GSX-R125 ABS」や話題のネオレトロの「SV650X ABS」、上質なスタンダードスクーター「SWISH(スウィッシュ)」などのニューモデルは要チェックだ。

KAWASAKI

【Ninja H2 SX SE】超ド級スーパースポーツツアラーの凄み

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▲Ninja H2 SX SE

昨年末から今年にかけて絶好調のカワサキ。その原動力となったZ900/Z900RS/Z900RS CAFEの3兄弟、そして新生ニンジャ250/400の共演は見逃せないところだ。

ただ、そこであえて注目したいのが3月から発売開始された「Ninja H2 SX SE」。ご存じスーパーチャージドエンジン搭載の超ド級スーパースポーツツアラーの上級バージョンである。H2譲りの圧倒的なパフォーマンスとZZR1400の高速巡行性能のいいとこ取りのようなマシンだが、その迫力と存在感は実物でしか体験できないもの。自分で見て跨ってみて、その凄みを感じてみてほしい。

HARLEY-DAVIDSON

【NEW SOFTAIL FAMILY】歴史的転換点の証を見届けよ

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ハーレーダビッドソンでは昨年デビューした2018年モデルの新型ソフテイル全9車種や、人気のスポーツスターファミリーなどを中心に、ブース内に展示する車両に自由に跨ることができる体験型の展示が今回の目玉となっている。

また、新型ソフテイルファミリーを開発した『ラボ』をテーマにその神髄であるフレームとエンジンも展示予定。ハーレーをして歴史的な転換点と言わしめた大進化の証をしかと見届けたい。ということで、注目はやはり新世代のソフテイルファミリー全般ということになるだろう。

また、ジャパンプレミアとして日本初公開となるモデルの出品・展示が行われるそうなので大いに期待したい。

BMW

【C 400 X】いよいよ日常使いのコミューター領域へ

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▲C 400 X

10年ぶりのフルチェンジによりエンジンを含む駆動系をすべて刷新し、現代的な電子システムが与えられたF 750 GS/ 850 GSは今回の目玉には違いないが、個人的にはアジア市場向けのミドルスクーター「C 400 X」にも注目している。

エンジンは新開発の350cc単気筒でCVTの組み合わせによりスムーズな加速を実現。LEDヘッドライトとTFTモニターを装備するなどスタイリッシュな魅力も高めている。C650シリーズやEVマキシスクーターのC evolutionなど、ここ数年来、都市型コミューターに傾注してきたBMWがいよいよ日常的な普及モデルへも進出するのか、その意味でも注目したい。

またK 1600 Grand Americaにも注目。BMWが直6ツアラーをどうバガースタイルとして料理したのかも興味深いところだ。

TRIUMPH

【スピードマスター】正統派ブリティッシュカスタムクルーザー登場

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▲Speedmaster

昨年から好調なセールスが続くトライアンフでは、日本での発売デビュー直前の「ボンネビル・スピードマスター」や「ボンネビル・ボバー・ブラック、全面刷新された「タイガー800&1200」シリーズなどを展示。

中でも本格派ネオクラシッククルーザーとして復活を遂げたスピードマスターに注目したい。古典的な外観に反して、リジッド風リンク式モノショックやクルコン、ライドモードにトラコンなどの先進装備が魅力。レイドバックハンドルとフォワードステップ、ビリオンシートを新たに備え快適なタンデムの旅が楽しめる仕様だ。

また、2019シーズンから公式サプライヤーとしてMoto2にエンジンを供給する、ストリートトリプルRSベースの3気筒765ccエンジンの展示にも注目したい。

DUCATI

【Panigale V4】MotoGP直系のV4パニガーレとご対面

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▲Panigale V4

先日のMotoGP初戦で勝利し波に乗るドゥカティでは、昨年のEICMA同様のコンセプトを踏襲し、プレミアムテイストを前面に押し出した展示が行われる。

その目玉は何といってもV4エンジンを搭載する初の量産型ドゥカティ「Panigale V4」だろう。「デスモセディチ・ストラダーレ」と名付けられたそのエンジンはMotoGP用のV4ユニットから直接派生したユニットで、1,103ccの排気量から214psを発生。市販ストリートモデル最強レベルのパフォーマンスを実現した美しき獣の佇まいをぜひ間近でご覧いただきたい。

排気量を拡大したスクランブラ―1100やさらに進化したムルティストラーダ1260にも注目だ。

KTM

【790DUKE】KTM初の並列2気筒の実力とは

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▲790DUKE

KTMでは今年発売の「790 DUKE」をはじめ、2018年ストリートモデル、2018年オフロードモデル、さらには参考出品車輌の「790 ADVENTURE」など幅広いラインアップを展示する。最大のトピックスはずばり790DUKEだ。

SCALPEL(外科用メス)にも例えられる切れ味鋭い走りが真骨頂とされるが、その実は先進の設計思想と電制システムが詰め込まれた、KTMの新たな時代を告げるマシンである。従来のDUKEシリーズとの違い、特に単気筒並みにコンパクト化されたエンジンにぜひ注目してもらいたい。

そして、そのエンジンを使ったミドルクラスの新型アドベンチャーのチェックもお忘れなく!

Piaggio Group

【Sei Giorni】最も過酷なレースで勝利した伝説的モデルが復刻

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▲Sei Giorni

ピアッジオグループジャパンでは「アプリリア」「モトグッツィ」「ベスパ」の3つの個性豊かなイタリアンブランドから計11台のモデルを展示する。

モトグッツィからは「V7 III Carbon」「V7 III Milano」をアジア初公開。アプリリアからは「RSV4 RF」と「Tuono V4 1100 Factory」 の2018モデルが展示される他、EICMAで発表された125ccモトクロッサー「RX125」がアジア初公開される。

その中でイチ押しは、ベスパから出展される伝説的スポーツモデルの復刻版「Sei Giorni」だろう。1951年当時、最も過酷で名誉あるアベレージラリーにおいて純レーサーを打ち負かして優勝した記念に作られた限定モデルを忠実に再現したものだ。ノスタルジックかつ現代的なテイストが融合したデザインは一見の価値あり。

INDIAN MOTORCYCLE

【ロードマスター・エリート】勢を尽くした究極のアメリカン

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▲ロードマスター・エリート

アメリカンモーターサイクルの歴史に燦然と輝くインディアンのイチ押しは、フラッグシップの頂点『ロードマスター・エリート』だろう。

元々がハイエンドなラインナップの中でも更に別格の仕上がりで、なんと23K純金を使用したエンブレム、1台につき30時間をかけた塗装など、従来のモーターサイクルでは見られない最高峰のプレミアムフィニッシュが見ものだ。300ワットプレミアムオーディオ、レザーアームレスト、2連コンソールゲージなど贅を尽くした究極のアメリカンの美学をその目で確かめよう。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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