北欧デザインが香る都会派ロードスター ハスクバーナのVITPILEN/SVARTPILENが上陸
「白い矢」と「黒い矢」
ハスクバーナの最新モデルVITPILEN / SVARTPILENが日本に導入されることになった。
SIMPLE. PROGRESSIVE.(「簡素。進歩的。」)をコンセプトに掲げた新しいタイプのモーターサイクルだ。
EICMA 2017でお披露目された最新モデルで、VITPILEN 701 (ヴィットピレン)と、その400ccモデルのVITPILENおよびSVARTPILEN 401 (スヴァルトピレン)の3モデルとなる。
▲VITPILEN 701
▲VITPILEN 401
▲SVARTPILEN 401
VITPILEN / SVARTPILENはそれぞれ白い矢 / 黒い矢を意味し、サーキット走行する往年の名車をインスパイアしたシンプルさを保ちつつ、なおかつ斬新でユニークなデザインをまとい、初心者から上級者まで幅広い層のライダーに対応。街中でのライディングにもうってつけなモーターサイクルということだ。
KTMとプラットフォームを共有
▲VITPILEN 401/SVARTPILEN 401
先日、都内で行われた発表会でもアナウンスされたが、ハスクバーナは元々スウェーデンの銃器メーカーとして誕生し、創立は17世紀後半まで遡る歴史を持つが、1903年に始まったバイク製造部門はその後売却され、さまざまな紆余曲折を経て現在はKTM傘下の1ブランドとなっている。
したがって、701のエンジンはKTMの有名な水冷単気筒エンジンであるLC4を採用していて、メインフレームなどのシャーシもDUKEシリーズと共有化しているという。つまり、701は690DUKE系、401は390DUKE系がベースということになるだろう。
いわゆるプラットフォームの共有化ということになるが、これは2輪や4輪を含め、現在ではマスプロダクトの主流になっている。考えてみれば、実績のある優秀なエンジンとシャーシを使いつつ、オリジナリティあふれる個性的な外観で仕上げたマシンはメーカーズカスタムと言えなくもない。出自がはっきりしているということで、ユーザーも安心できるというわけだ。
具体的なコンポーネンツを見ても、前後WP製サスペンションにブレンボ製(401はブレンボの普及ブランドのByBre)のラジアルマウントキャリパーとボッシュ製ABSユニット、トラクションコントロールにスリッパ―クラッチなど、DUKEシリーズ譲りの現代的な装備となっている。
不思議なミニマルデザインの魅力
▲VITPILEN 701
発表会では実車にも跨ってみたが、北欧デザインの透明感のある美しいスタイリングだけでなくライポジもだいぶDUKEとは異なる感じで、よりシートが高くハンドルは逆に低い位置にある。
結果としてネイキッドではあるが、割と前傾は強めなアグレッシブな雰囲気になる。オーソドックスな丸目のヘッドライトに極端に切り詰められたシートなど、徹底したミニマルデザインの中にヘリテイジとも未来的ともとれる不思議な雰囲気を持っている。
▲VITPILEN 701
ユニークなのはタンク両側に張り出した樹脂パーツで、デザイン上のアクセントでありながら万が一の転倒時にはその部分が真っ先に路面に当たって衝撃を緩和するという役割を担っているとのこと。よく見ると、たしかにマット系の飾り気のないパーツが付いている。
▲VITPILEN 701
一方のSVARTPILEN 401はブラック塗装に高めのハンドルとブロックタイヤ、ヒートガード付きマフラーを装備したタフ仕様。タイムレスな外観ととともに石畳の道を駆け抜ける都会の冒険者のイメージがカッコいい。
▲SVARTPILEN 401
▲SVARTPILEN 401
ハスクバーナといえば、かつてはエンデューロやモトクロスなどオフロード専用メーカーのイメージが強かったが、幾度かの苦難を経て今新たな地平を切り開こうとしている。歴史と実績のあるブランドなので、今後の飛躍に期待したいと思う。
なお発売次期はVITPILEN 701が7月、VITPILEN / SVARTPILEN 401が4月予定、メーカー希望小売価格はそれぞれ135万5,000円、77万7,000円となっている。