Z900がいよいよ国内投入!で、Z900RSとどっちが得なのか!?
水冷並列4気筒948ccエンジンを新設計の軽量トレリスフレームに搭載するスポーツネイキッド「Z900」がいよいよ4月2日より国内投入されることになった。
実はこのモデル、昨年末にデビューと同時に爆発的ヒットを記録したZ900RSの開発ベースになったマシンで、EICMA2016で発表された後、2017年から欧州ではすでに投入されている。
そこで、今回はZ900とZ900RSという見た目の異なる兄弟車について、どっちがどうベターなのかを考えてみたい。
よりパワフルで軽いZ900
さて、この度国内投入されるZ900のエンジンはZX-9R系に遡る伝統的なユニットで、現行Z1000直4エンジンをスケールダウンしたものだが、素性がいいだけに最高出力125ps/9,500rpmとけっこう凄い数値を軽く計上している。これはZ900RSの111ps/8,500rpmを大きく凌ぐものだ。
このパワフルなエンジンを新設計の鋼管トレリスフレームに搭載するが、ちなみに鋼管トレリス構造は軽量かつ高剛性を実現できるメリットがあり、H2やZ650をはじめとする最近のカワサキの主流になりつつあるフレームレイアウト。
もちろん、Z900RSもまったく同じではないがほぼ同様タイプが使われている。参考までに車重は210kgでZ900RSの215kgよりも軽い。
必要にして十分な装備
足まわりはワインディングでの軽快なハンドリングと街乗りでの快適性を両立するφ41mm倒立フロントフォークに、アルミ製スイングアームに高い快適性とスポーツ性能を併せ持つホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションの組み合わせ。
フロントφ300mm、リヤφ250mmのトリプルペタルディスクにABSを標準装備するブレーキシステムに、バックトルクリミッター機構を備えたアシスト&スリッパークラッチを装備するなど、必要にして十分なスペックとなっている。
Z900はパワフルで軽快、機敏な運動性能、高いコントロール性と快適な乗り心地、優れた足つき性やアップライトなライポジとともに扱い易さを目指したという。走りを演出する爽快な吸気音にもこだわり、「Sugomi」(凄み)を表現したデザインや乗り味などZシリーズのコンセプトは正統に継承されている。ETC2.0車載器キットが標準装備されているのも嬉しいポイントだ。
クラス的にはコスパ重視ではあるが…
▲Z900
900ccといえば排気量的にもアッパーミドルクラスとして、主要マーケットである欧州ではスタンダードモデルの位置付け。故にメーカーの威信をかけた最新スーパースポーツやメガクルーザーのような過剰な装備は省かれ、どちらかというとコスパ重視で作られていることも多いクラスでもある。
ただ、Z900は前述のとおり、かなり充実した装備内容になっている。パワーモードやトラコン、コーナリングABSのような最新電子デバイスは入っていないが、バイクを楽しくスポーティに乗るために本来必要とされる装備はすべて揃えた、ツボを押さえた仕様となっている。
伝統的なZらしさを追求したRS
▲Z900RS
一方のZ900RSはというと、日本の伝統芸術ともいうべきZ1シルエットに加え、水冷エンジンにフィンを刻んだり、マフラーやホイール、フェンダーの取り付けステーひとつとってもZらしいデザインや質感にとことんこだわっている。
機能面でもトラコンやLEDヘッドライトなども追加されるなど上級志向だ。RSはいわば、かつて世界最高性能を誇ったZ1へのオマージュであり、日本人が心象風景に描く普遍的なバイク形を現代のテクノロジーとともに再現したものなのだ。
132万8,400円(税込)というややゴージャスな価格も、そうした知的財産を含めた価値として考えれば納得がいくというものだ。
伝統か斬新か、価値観で選んで問題なし
とはいえ、Z900も前述の装備からしても決して安普請とは言えない作りだし、その上で95万400円(税込)は価格破壊とも言える魅力的なプライスだ。
今まで日本では主流になり得なかったストリートファイタースタイルに対する好みは分かれるとは思うが、それでもパワーと軽さのアドバンテージから予想される走りのポテンシャルとコスパの高さを考え合わせれば、相当イケているマシンということが言えるだろう。
見た目の華やかさとZらしい伝統美にこだわるならRSで決まりだし、逆にアグレッシブな走りや斬新さを追求するならZ900がおすすめだろう。どちらを選ぶかは本人の価値観次第だ。