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【3輪大型スポーツ、H2に超高速ツアラーも登場】2018年のバイク業界を大胆予測!国産車編

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト

明けましておめでとうございます!

年末年始にかけていろいろなメディアを見回していると、どこもかしこもAIや自動運転、量子コンピュータやファンテックなどIT革命の話題ばかり。用語を覚えるだけでも一苦労な私としては、時代に取り残されるのではと焦燥感ばかりが募ります(笑)。

こうした奔流は誰にも止めることはできませんが、個人的な趣味としてのモーターサイクルだけは、いかにテクノロジーが進化しても自由でワクワクする乗り物であってほしいと願うばかりです。ということで、本年もWebikeバイクニュースをよろしくお願いいたします。

さて、年初めのコラムでは、希望的観測も含めつつ2018年のバイク業界を大胆に予想してみたいと思います。まずは国産車編から。

絶好調のホンダがさらにアクセルオン!

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▲CB1000R

2017年にスーパーカブ生産累計1億台を達成し勢いに乗るホンダ。2018年はカブ生誕60周年と創業70周年を迎え、ますます攻勢に出てくるでしょう。

現時点でも新機種として、走りの性能と快適性の更なる高みを目指してフルチェンジした「新型ゴールドウイング」や注目のネオスポーツカフェ「CB1000R」シリーズ、そして新世代の「スーパーカブ125」や「モンキー」などの投入を公表しています。

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▲GOLDWING

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▲Super Cub C125

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▲Monkey 125

また、モータースポーツにおいてもMotoGPではマルケスの2年連続チャンピオンと三冠獲得に、トライアル世界選手権ではトニー・ボウの11連覇。国内においても全日本選手権ロードレースで高橋巧が新型CBRで年間タイトル獲得し、モトクロスやトライアルも含めて3カテゴリーを制覇するなどの絶好調を受けて、今年から新たにホンダの若手育成プログラムから育った中上貴晶のMotoGPへの参戦開始や、全日本ロードレースと鈴鹿8耐でも10年ぶりのワークス体制復活などが既にリリースされています。

個人的な妄想としては、そろそろCBR1100XX以来のホンダの最速マシンを期待しています。新型CBR1000RR/SPで確立した電子制御テクノロジーを盛り込んだ、ホンダ十八番のV4エンジン搭載のメガスポーツなどはいかがでしょうか。

昨年惜しまれつつもディスコンとなったVFR1200の新型モデルとして復活してくれたりしたら嬉しいですね。

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▲CBR1000RR/CBR1000RR SP

ヤマハの3輪大型スポーツがいよいよデビュー

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▲NIKEN

ヤマハの今年イチ押しは何といってもフロント2輪の3輪バイク「NIKEN(ナイケン)」でしょう。

TRICITYシリーズで培ったLMW技術を発展させた大型3輪スポーツモデルで、MT-09ベースの水冷直列3気筒エンジンをオリジナルのシャーシに搭載。フロント2輪・15インチ&片側2本サスペンションという新メカニズムも含め、どんな走りを見せてれるのか楽しみです。

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▲NIKEN

また、初っ端として1月末に発売される新型250ccスクーター「XMAX」も気になる存在。新設計のBLUE COREエンジンを搭載し、モーターサイクル型のフロントフォークやトラコンも装備するなど、MAXシリーズらしいスポーティな走りに期待が集まります。そして、「YZF-R25」の次期モデルの話もそろそろアナウンスされるかもしれませんね。

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▲XMAX

もうひとつ注目したいのは「立ちゴケ」しない自立・自律型2輪車の実用化。1月1日付けで新たにトップに就任した日高社長自らが早期実用化に向けて意欲的な発言をしています。

東京モーターショー2017に参考出品され世界中の度肝を抜いたAI搭載の自律型EVの『MOTOROiD(モトロイド)』は記憶に新しいところですが、異なる方式で自立走行を目指すホンダとどちらが先に主導権を握るか、凌ぎ合いが過熱しそうです。

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▲YAMAHA MOTOROiD

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▲Honda Riding Assist-e

東京モーターショー2017 YAMAHA MOTOROiD デモンストレーション

実用化にはまだ時間がかかりそうですが、ぜひ東京オリンピックまでには間に合わせていただき、聖火ランナーと並んで無人で走る自律型EVバイクの姿を世界に向けて発信してくれたらと期待しています。

くるかGSX-R250、そして次期ハヤブサは!?

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▲GSX-R125

スズキで注目の一台といったらまずは東京モーターショー2017で日本初公開された「GSX-R125」が挙げられるでしょう。

昨年スズキが22年ぶりに国内向けに設定した125ccモデルとして話題になった「GSX-S125」と共通のエンジンと車体を持ったフルカウルスポーツモデルで、エンジンはコンパクトな水冷単気筒DOHC4バルブで、最高出力15psは現行モデルでは断トツのクラス最強レベル。

前後17インチの本格的なグローバルモデルとして海外ではすでに発売されていて、国内投入も秒読み段階かと思われます。

GSX-Rつながりで考えると、「GSX-R250」の可能性もゼロとは言い切れません。「え、昨年GSX250Rが出てるでしょう!」というのは早計です。

GSXは日常域でのカッコいい走りを目指したものであるのに対し、GSX-Rの名は”サーキット最強”を標榜するモデルに与えられる称号。だとすれば当然、CBR250RRや2月に国内発売される新型Ninja250などのライバルを超える性能を狙ってくることでしょう。

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▲Honda CBR250RR

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▲Kawasaki Ninja250

かつて80年代後半に水冷4気筒を搭載し45psを叩き出したレーサーレプリカに同名のGSX-R250というモデルが存在していましたが、個人的にはその現代版として一気に4気筒モデルで登場してもらっても嬉しいですね。

そして、ここ数年来、世界中で噂が途切れることがないターボ搭載の「次期ハヤブサ」やGSX-S1000ベースの「新型カタナ」も含め、あくまでも推測の域を出ませんが夢のある話として楽しみにしたいと思います。

次のZはカフェスタイル、H2は超高速ツアラーで登場!

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▲Z900RS

昨年末に「Z900RS」、「Ninja250/400」と立て続けに大物をリリースしたカワサキ。すでに2月には「Ninja250/400」国内仕様の発売が決定していますが、その後の展開はどうなるでしょう。

その一端が垣間見れたのが昨年11月にオートポリスで開催されたカワサキ2018モデル発表試乗会。R900RSやNinja250/400などの試乗車に混じり、撮影のみ許されたのが「Ninja H2 SX /SE」と「Z900RS CAFE」でした。

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▲Ninja H2 SX

「Ninja H2 SX /SE」はスーパーチャージャー搭載の超高速ツアラーという位置付けで、200psを発生するエンジンはH2がベースですがセッティングは専用。フレームもトレリス構造であることは共通ですが大型フルカウルも含めて車体のレイアウトはだいぶ異なる感じ。タンデムとフルパニアが前提ということで、シートやマフラーも含めた車体後部のデザインも大きく異なる印象を受けました。

ちなみにSEは、フルカラーTFTパネルやLEDコーナリングライト、ローンチコントロールやクイックシフターなどが装備された上級モデルです。

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▲Z900RS CAFE

「Z900RS CAFE」は言わずと知れた「Z900RS」のカフェレーサー仕様で、エンジンや車体、足まわりなどは共通ですが、フロントハーフカウルとカワサキ伝統のライムグリーン&ホワイトストライプで彩られるなど、かつてのZ1ベースの耐久レーサー、「KR1000」を彷彿させるカラーリングが印象的でした。

ライポジもより低めのフラットタイプのバーハンドルや専用の段付きシート、ショートミラーなどを採用、よりスポーティな雰囲気に仕上げられているのが特徴となっています。

両者とも今春にも国内投入されることがアナウンスされていますので楽しみですね。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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