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【ライダーからの質問ナンバーワン】バイクで転ばないためには!?

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
バイクで転ばないためには

ライディングスクールでは参加者からいろいろな質問をいただく。代表的な質問の中に「バイクで転ばないようにするにはどうしたらいいですか?」というものがある。

ウケ狙いで「それはバイクに乗らないのがイチバンです」とうそぶいてみたりもするが、真面目な話、「調子が悪い」と自分で思うときや「何かイヤな予感がする」ときはなるべく乗らないほうがいい。

私自身、そう努めているが仕事でどうしても乗る必要があるときは、自分の中での“イケイケ度"をぐっと落とすことにしている。人間100%の力など常に出せるはずはないし、そこで無理をすると必ず失敗するものだ。7割~8割程度の力であれば、周囲も自分自身もよく見えてくるので冷静になれて失敗も少なくなる。

逆に調子が良すぎるのも落とし穴で、気付かぬうちに限界を超えてしまうことが間々ある。スクールでは急に上手くなってきた方には、ことさら口を酸っぱくして「セーブしてください」と伝えている。

技術的なことを少しだけ言うと、「急な操作・動作をしないこと」が最も重要と考えている。急ブレーキ、急加速、急な倒し込みなどだ。「遅く走れ」というのとは意味が異なる。ペースに関係なく、それこそ街乗りからサーキット走行まで「丁寧な操作・動作で走ってください」という意味。

コーナー入口でガツンとブレーキをかければ簡単にロックするし、倒し込みで一気にバタンとやればタイヤがグリップを失う。コーナー出口でガバッとアクセルを開ければハイサイドを食らうかも。不可抗力以外での転倒の主な原因は「粗い操作」であることがほとんどだ。コースでならまだしも、公道では本当の命取りになる。

暖かさに気が緩むシーズン、いま一度気を引き締めてほしいと思います。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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