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【BMW新型ロードスター】BMWから水冷ボクサー搭載の新型ロードスター「R 1200 R」が登場!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
「BMW R1200R」 photo:BMW Motorrad

BMWの「R 1200 R」がフルモデル・チェンジし3月6日(金)より販売を開始する。「R」シリーズはBMWモトラッドのアイデンティティでもある水平対向2気筒エンジン(通称ボクサー・エンジン)を搭載するモデルを意味するイニシャルである。そのベーシックモデルとして位置づけられる「R 1200 R」は、1923年に登場した「BMW R32」以来、90年以上にわたりファンを魅了し続けているロードスター・モデル。昨年のドイツ・インターモトで発表され、話題を呼んだ最新モデルがいよいよ国内導入される。

ニュー「R 1200 R」に搭載されるボクサー・エンジンは、新型R1200GSやR1200RTにも採用されている最新の水冷ユニットで、最高出力92kW(125ps)/7,750rpm、最大トルク125Nm/6,500rpmと全域に渡って先代を上回る動力性能を発揮。ちなみに先代R1200Rは空油冷方式で最高出力81kW (110ps)/7,750rpm、最大トルク119Nm/6,000rpmであった。エンジン変更に合わせて、エアボックスやインテーク・シュノーケル等もリファイン、前面中央部には水冷式の証であるラジエーターが配置されている。

フレームも新設計となり、今回から鋼管製ブリッジ・フレームにエンジンが直接マウントされる方式が採用されている。サスペンションも長年培ってきたBMW独自のテレレバー方式を改め、フロントは倒立テレスコピック式フォークを採用。リヤについてはドライブシャフトが片持スイングアームを兼ねる伝統的なEVOパラレバー方式を継承しつつもハンドリング精度や剛性を向上。スーパースポーツ・モデル「S 1000 RR」由来の10本スポークホイールを装着するなどデザイン面でも現代的な解釈が与えられた。

電子制御の進化も見逃せない。ニュー「R 1200 R」では「レイン」、「ロード」の走行モードに加え「ライディングモードPro」を標準装備し、「ダイナミック」と「ユーザー」の2つの走行モードを含めて計4種類の走行モードが選べるなど、乗り手の好みや走行シチュエーションに細かく対応。また、クラッチ操作なしに瞬時にシフトアップ/シフトダウンができる「ギアシフト・アシスタントPro」も標準装備となっている。

ブレーキシステムでは従来のABSの他に「ASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール)」を装備。リーン・アングル・センサー付きの「ダイナミック・トラクション・コントロール(DTC)」を新たに採用するなど優れた走行安全性を実現。さらにニュー「R 1200 R」では最新世代の電子調整式サスペンションであるダイナミックESAを標準装備とし、「ロード」と「ダイナミック」の2つのダンパーセットアップを選択可能とするなど、ライダー支援システムの充実ぶりにも目を見張る。

メーターまわりも一新され、クラシカルなアナログ式スピードメーターとモダンなTFT液晶ディスプレイを組み合わせたコンパクトなデザインとなった。スタイリングも全体としてシャープなウェッジ・シェイプが強調され、フロントからリヤにかけてのラインもよりスリム&コンパクトになった印象だ。なお、希望小売価格は169万円に設定されている。

よりアグレッシブに、そしてスタイリッシュに進化した現代のロードスター、「R 1200 R」がボクサーサウンドを響かせて颯爽と街を駆け抜ける日が楽しみだ。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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