大晦日までOK ふるさと納税 ~ ふるさと納税はなぜ得なのか?

(写真:アフロ)

今年の「ふるさと納税」はもう間に合わない、とあきらめていませんか?

実は大半のふるさと納税は、12月31日23時59分59秒の申込み分まで、今年度分として取り扱われます。NHK紅白歌合戦を見ながらの手続きでも、十分に間に合うのです。

ふるさと納税の手続きは、これから説明する通り意外と簡単です。食料品・家電製品などの豪華返礼品という、嬉しいオマケまで付いてきます。

ふるさと納税をしたことがまだ無い方も、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ふるさと納税のメリットがある方は?

「ふるさと納税なんて、自分には関係ない」と思っている方も多いようです。

しかし、ある程度収入がある方は誰でも、ふるさと納税のメリットを享受できます。給与収入のある方なら、およそ年収140万円を超えるあたりから、ふるさと納税でメリットを受けられる可能性が出てきます。

ふるさと納税は「税金の前払い」

ふるさと納税は、表面上、自治体への寄付金という形を取ります。紛らわしいネーミングですが、全国の好きな自治体にふるさと納税として寄付することができます。そして、この寄付金は、自分が支払う税金の計算において、ほぼ全額控除できます。

誤解している方も多いのですが、ふるさと納税をしても、寄付金の全額が現金として返ってくる(還付される)わけではありません。寄付金の大半は、来年支払う住民税(住所地の自治体に納める税金)から差し引かれます。その分は住民税を来年に支払う必要はありません。

つまり、ふるさと納税とは、言ってみれば来年の税金を今年に前払いするようなものなのです。ふるさと納税をする人からすれば、税金として住所地の自治体等に支払うか、同じ金額を寄付金として別の自治体に支払うかの違いに過ぎません。

なお、税金の計算において寄付金が控除されるのは、年間の寄付金額合計マイナス2千円です。2千円(1件当りではなく1年当り)は、寄付者本人の自己負担となる点に注意して下さい。

ふるさと納税はなぜ得なのか?

繰り返しになりますが、ふるさと納税は税金の前払いに過ぎませんので、節税につながるなど金銭的に得をするわけではありません。

ただし、すでにご承知の通り、ふるさと納税をすると大半の自治体で返礼品をもらえます。返礼品の価値が寄付金に占める割合(返礼率)は、寄付金額の2、3割位が相場となっているようです。なかには4割を超える返礼率のところもあります。

ふるさと納税での本人の持ち出し分は先述の通り2千円なので、返礼品の価値が2千円を超えるならば、実質的に得をすることになります。たとえば3万円のふるさと納税を行い、1万円の価値のある返礼品をもらえれば、2千円を差し引いた8千円が本人の得になるわけです。

「そんなうまい話があるものか、まゆつばものだ」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

でも、ふるさと納税自体は、決して怪しいものではありません。寄付金をもらう代わりに返礼品を用意する自治体も、損しないしくみだからです。

返礼品の返礼率が仮に3割だとしても、残り7割近くは、その自治体の収入となります。つい数年前までは、他府県の住民からの寄付金などほとんど入ってこなかったわけですから、たとえ返礼品目当ての寄付金だとしても、それが入るだけで自治体の財政には大助かりなのです。

また、返礼品を地元の業者から買うことで、地元経済の振興にも役立ち、回りまわって自治体の税収増にもつながる効果も期待できます。

「返礼品をもらうのは気が引けるよ」と気兼ねする必要などないのです。

ふるさと納税の上限額は?

ふるさと納税に申し込める金額に制限はありませんが、かといって、いくらでもいいというものでもありません。少しでも多く得をしたいという方は、ふるさと納税の上限額にくれぐれもご注意下さい。

ふるさと納税の1年間の上限額は、その方の来年の住民税の金額で決まります。

「来年支払う住民税の金額なんて、来年にならなければ分からないのでは」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、来年の住民税は今年の年間所得に応じて決まるしくみのため、年末調整を終えた方なら、今の時点で来年支払う住民税はほぼ確定しています。

会社務めの方は、12月の給与明細と一緒に配られた源泉徴収票を手元にご用意ください。

そこに記載された「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額を計算してみて下さい。その金額に対して2%を乗じた金額プラス2千円位であれば、上限額をオーバーすることはまずありません。

実際には、収入・家族構成・社会保険料などによって、その人ごとに上限額は異なってきます。より正確に計算されたい方は、ふるさと納税の上限を計算するサイトがいくつかありますので、そちらをご参照下さい。

返礼品にひかれて多額のふるさと納税をしたところ、ふるさと納税の寄付金控除の限度額を大幅に超えてしまい、結果的にふるさと納税するよりも店で買ったほうが安かった、という事態だけは避けたいものです。

申込み手続きは意外と簡単

ふるさと納税の上限額を計算したら、次に行うのは自治体選び、端的に言えば返礼品選びです。

もし、ふるさと納税先の自治体を決めていないのであれば、返礼品を選ぶにあたっては、「ふるさとチョイス」「さとふる」「ふるなび」「楽天市場ふるさと納税」などの比較サイトが便利です。

実際のところ返礼品の種類があまりにも多いため、多くの方が返礼品を決めるのに逆に苦労されることと思います。単に損得だけでなく、本当に必要な返礼品なのか、応援したいと思える自治体なのか、など自分なりの判断基準を持つことも大事です。

返礼品が決まったら、後はふるさと納税の申込みです。前述のサイトなどから申込み画面に行くこともできます。手続き自体は、名前、住所、電話番号の記入くらいなので、手間はそれほどかかりません。

なお、ふるさと納税を扱ったサイトのなかには、詐欺サイトなのではと思えるような怪しげなものも存在します。もし、少しでも不安を覚えた場合には、そのサイトから申し込むのではなく、自治体のホームページから直接申し込むのが無難でしょう。

また、ふるさと納税の申込みを装った振り込め詐欺が行われる可能性もあります。申し込んでもいないのに、電話でふるさと納税の振込先を伝えられたからといって、安易に振り込むことだけは避けましょう。

今年分の申込みは12月31日まで

今年分として取り扱われるのは、インターネットを通じての申込みなら12月31日までとなります(年末の申込みを早く締め切る一部の自治体を除きます)。

ただし、12月31日の申込みで大丈夫なのは、クレジットカード決済の場合です。銀行振込を利用される場合は、12月30日の午後3時までに指定された振込先に振り込む必要があります。

また、決済するクレジットカードは必ず本人名義のものにして下さい。ふるさと納税の寄付金控除は、支払った本人だけが受けられる制度のため、他人名義のクレジットカードでは、ふるさと納税として有効とは認められません。

ワンストップ特例制度を利用しよう

ふるさと納税を利用するためには、寄付をした翌年の3月15日までに所得税の確定申告を行う必要が原則としてあります。その際に、自治体が発行した領収書が必要になりますので、なくさないようにしましょう。

確定申告が面倒な方には、確定申告が不要となる「ワンストップ特例制度」というものもあります。

ワンストップ特例制度を利用するには条件があり、(1)給与所得や年金所得等のある方で確定申告の必要が無い方、または(2)1年に行うふるさと納税の寄付先が5団体以下の方のみが利用できます。

また、ワンストップ特例制度の申請にあたっては、申請書と本人確認資料を自治体に郵送して提出する必要があります。これら書類の提出期限は、翌年の1月10日必着としている自治体が多いので、申請される方は提出忘れにご注意下さい。

3万円で何がもらえるのか

では3万円(年収4百万円弱の方の上限範囲内)以内のふるさと納税で、どのような返礼品がもらえるか、ほんの一例にすぎませんがモデルケースを挙げてみましょう(2016年12月28日現在)。

・グルメ関連…とらふぐの刺身とふぐちり鍋セット(山口市・3万円)、本ずわいがにカット済み詰め合わせ(根室市・2万円)、さくらんぼ(佐藤錦)(天童市・1万円)、鹿児島黒牛(曽於市・2万円)、浜名湖うなぎ長蒲焼パック(湖西市・1万円)など

・お酒関連…銀河高原ビールセット(岩手県西和賀町・1万円)、新発田の蔵元飲み比べセット(新発田市・1万円)、本坊酒造ウイスキーギフトセット(駒ケ根市・2万円)など

・スポーツ関連…阪神タイガース清酒・焼酎3本セット(西宮市・3万円)、鹿島アントラーズおすすめ観戦グッズセット(鹿嶋市・2万円)、オールドオーチャードゴルフクラブ昼食付平日ペア無料券(茨城町・3万円)など

・家電製品…日立製炊飯器(日立市・3万円)、iiyama製24型液晶ディスプレイ(飯山市・3万円)、JVCケンウッド製ドライブレコーダー(伊那市・3万円)など

・ギフトカタログ…ギフトカタログいといがわ百選(糸魚川市・3万円)、小岩井農場選べるカタログ(雫石町・3万円)、四日市こだわりギフトコース(四日市市・1万円~3万円)など

ふるさと納税の問題点

本来、寄付とは無償のもので、対価や見返りを求めるようなものではありません。ふるさと納税制度も、スタート当初は、返礼品などはほとんどなく、純粋に自治体を応援する気持ちを持つ方々のための制度でした。

返礼品競争が盛んとなった今でも、寄付先の自治体を応援する気持ちを、寄付する私たちは持ち続けていたいものです。

また、返礼品目当ての寄付で、にわか成金となった地方自治体も増えたようです。自治体での寄付金の使い方が甘くならないように、住民、寄付者ともに厳しい目でチェックをしていきましょう。

自治体の側も、地元以外の住民からいかに寄付金を集めるか、という外向きのことばかりに意識を向けるのではなく、住民税をこつこつ支払ってくれている地元住民への感謝の気持ちを第一に、行政に取り組んで頂きたいと思います。