日本バスケが迎える勝負の年 2019年に一体何が起こるのか?

今年の一文字を掲げる大河Bリーグチェアマン(左)と三屋JBA会長(右):筆者撮影

毎月のように起こる大イベント

日本のバスケットボール界はリーグ分立や協会の機能不全と言った混乱を脱し、2016年にBリーグが開幕。右肩上がりの状況を続けてきた。強化の面でも男子日本代表はW杯予選を6連勝中と好調で、1998年大会以来の自力出場にあと一歩と迫っている。

2019年はさらにバスケ界を勢いづけられそうなイベントが立て続けに予定されていて、日本バスケがもう一つ上へ飛躍する絶好機だ。

1月7日、メディアの取材に応じた三屋裕子・日本バスケットボール協会(JBA)会長はこう語っていた。

「2月24日に(W杯2次予選の)カタール戦があります。3月30日にコートジボワールのFIBA(国際バスケットボール連盟)セントラルミーティングで、(東京オリンピックの)開催国枠が議題に上がります。その後、八村が6月にNBAのドラフトにかかる可能性が大きいと言われています。そして9月にW杯中国大会本番。今年は一つ一つが次のステップにつながる年です」

つまり2019年は2月、3月、6月、9月と立て続けに「大イベント」がある。東京オリンピックに向けたプレ大会、強豪相手の親善試合も開かれるだろう。

上半期の目標はW杯予選と五輪出場枠獲得

日本はW杯2次予選を2試合残していて、2月21日にイラン、2月24日にカタールとそれぞれアウェイで対戦する。2次予選はサッカーで言う最終予選で、グループEとグループFの二つに分かれて開催されている。日本は現在グループFの3位で、現状だと7つあるアジアの出場枠を獲得可能な「圏内」に入っている。

最終戦の開催地はカタールのドーハ。1993年にサッカー日本代表が「ドーハの悲劇」に屈した場所だが、三屋会長は「ドーハの歓喜を作り出そうと思っている」と意気込んでいた。

3月30日にはFIBAのセントラルボード(中央理事会)が開催され、そこで男女の5人制、3×3の開催国枠を認めるかどうかの議論と決定が行われる。三屋会長はセントラルボードのメンバーで、プレゼンテーションに立ち会う見込みだ。

三屋会長は今から映像資料も用意し、アピール方法を練っている。

「これまで(日本が)やってきたことをFIBAは分かっていますが、どれくらいポテンシャルがあるかをしっかり訴えていくつもりです。言葉で伝えるより視覚で訴える方が理解してもらいやすいので、強化と広報に協力してもらってVTRを作成しています。それをプレゼンテーションに出して、ガバナンスとリーグの方はある程度評価を受けていますので、特に強化の部分で訴える」

日本は昨年6月30日のW杯予選で世界ランク10位のオーストラリアを下し、八村塁(ゴンザガ大)や渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)のような新星も出てきている。八村は日本育ちの日本人選手として、NBAドラフトが現行制度になって初の指名が予想されている。

Bリーグの大河正明チェアマンもこう述べていた。

「2015年の4月にFIBAに初めて呼ばれていったときに、向こうから『渡邊と八村が日本の中心選手』と言ってきたくらい、彼らは日本をすごく研究している。三屋会長のところにはオーストラリア戦のような試合が終わるとすぐに『今見ていた』メールがやってくる」

日本バスケにとって勝負の年

代表とリーグは例えるなら車の両輪だが、Bリーグは発足前に比べて観客、クラブの収入とも倍でも済まないペースで成長している。一方で1993年に開幕したサッカーのJリーグは、3季目から一時的な減速トレンドに入った。足元を見ればアリーナの整備運営など良くも悪くも「伸びしろ」はあるし、現状維持マインドが拡がることは禁物だ。

大河チェアマンは昭和、平成を総括しつつ「新元号のスポーツ文化」を作り出す野心を口にしていた。

「巨人の星、アタックNO1に代表されたのが昭和だと思います。お父さんの娯楽としてプロ野球が栄え、親会社の広告価値としてのスポーツがありました。平成になり、Jリーグが衝撃的に誕生しました。Jリーグでは地域と向き合う、地域に根差したスポーツクラブを作るという理念を持ち、概念を生みました。体育からスポーツに変わったのが平成でした。

新元号ができておそらく最初の大きなスポーツの大会は、Bリーグのチャンピオンシップファイナル(決勝/横浜アリーナ開催)だと思います。5月11日のファイナルを、新元号を飾るにふさわしいものにしたい。昭和のプロ野球、平成のJリーグに続く新元号のBリーグといわれるようにやっていきたい」

どんな大きな夢も実現するためには一つ一つの取り組みが大切で、日本バスケやBリーグにはアリーナの整備・運営などまだ「抜けている」要素が少なからずある。一方で我々が今期待しているようなグッドニュースは良い弾みになるし、バスケ界の大きなエネルギーになるだろう。2019年が日本バスケにとって、未来に力強く進む1年となることを願いたい。