Yahoo!ニュース

陽川選手は今週4本目、俊介選手が決勝弾。この2発で勝ちました!《5/20 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
14日の和歌山県上富田に続き、20日の淡路でも『勝利投手賞』を獲得した青柳投手。

ウエスタン・阪神-中日戦は、きのう20日から兵庫県立淡路佐野運動公園(ボールパークあわじ)第1野球場での開催。淡路島で阪神主催のウエスタン公式戦は年に一度、5月か6月の土日に行われます。今回もトラッキー、ラッキー、キー太が応援に駆けつけ、まずは2025人のお客様が観戦されました。

きのうの試合は阪神が青柳投手、中日は公式戦初登板のマルティネス投手の先発でスタート。陽川選手の7号2ランで先制(これがチーム初安打)、青柳投手が味方のエラー絡みで追いつかれたものの、すぐに俊介選手に勝ち越しの3号ソロ(これがチーム2本目の安打)が飛び出し、そのまま逃げ切って3対2で勝利!試合後の野球教室も大いに盛り上がったことは、言うまでもありません。

ちなみに前の2試合とも3安打ずつしか出なかった打線は、先ほど書いたように2安打で3点を取り、そのあと2安打。よって4安打ということです。今週あった5試合で計25安打ってのは…ちょっと控えめすぎますよねえ。でも陽川選手はこの5試合で4本塁打。本領を発揮してきましたね。

20日の野球教室で打者役をする伊藤和投手。この数時間後に吉報が届きました!
20日の野球教室で打者役をする伊藤和投手。この数時間後に吉報が届きました!

また連投した伊藤和投手は、前日と同じく2三振で奪三振率が12.064になっています。そして防御率は0.00のまま、きょう21日に1軍昇格!小野投手の登板が楽しみだと話すファーム首脳陣でしたが、新たに伊藤和投手も加わったわけです。岩貞投手や松田投手の登録抹消は辛いけれど、ここへ来て「チャンスが次々に巡ってくる」と感じたファームの選手は多いでしょう。チーム内の競争こそ、強くなる一番の要素。戦って勝って、つかんでください。

では20日の試合結果です。

《ウエスタン公式戦》5月20日

阪神-中日 8回戦 (淡路)

中日 000 200 000 = 2

阪神 002 010 00X = 3

◆バッテリー

【阪神】○青柳(2勝1敗)‐山本‐伊藤和‐Sメンデス(1敗11S) / 長坂

【中日】●マルティネス(1敗)(5回)-福谷(2回)‐祖父江(1回) / 赤田

◆本塁打 陽川7号2ラン、俊介3号ソロ(マルティネス)

◆二塁打 野本

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]遊:植田  (3-1-0 / 0-1 / 1 / 0) .239

2]中:緒方  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .254

〃二:森越  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .228

3]左:陽川  (3-1-2 / 0-1 / 0 / 0) .264

4]三:今成  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .250

5]一:新井  (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0) .360

6]二右:板山 (4-0-0 / 0-0 / 1 / 0) .186

7]指:西田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .291

8]捕:長坂  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .161

9]右中:俊介 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .289

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

青柳  6回108球(6-7-1 / 2-0 / 1.71) 139※

山本  1回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 1.53) 133

伊藤和 1回 24球 (2-2-0 / 0-0 / 0.00) 143

メンデ 1回 15球 (0-2-0 / 0-0 / 2.08) 152

※青柳投手の最速、他のスピードガンでは144でした。

<試合経過>

中日の先発は公式戦初登板のマルティネス投手。まだ20歳です。
中日の先発は公式戦初登板のマルティネス投手。まだ20歳です。
3回に出たチーム初安打が、陽川選手の先制2ランでした。
3回に出たチーム初安打が、陽川選手の先制2ランでした。
4回に追いつかれると、今度は俊介選手が5回に勝ち越しソロ!
4回に追いつかれると、今度は俊介選手が5回に勝ち越しソロ!
出迎える監督、コーチ、選手たち。これが決勝点となりました。
出迎える監督、コーチ、選手たち。これが決勝点となりました。
今成選手の迎え方が素晴らしかったので、おまけです。
今成選手の迎え方が素晴らしかったので、おまけです。

打線は1回に2死から陽川が四球、2回も2死から西田が相手エラー(高く上がった二飛を石川が落球…。阪神の選手も「かなり見づらかった」と)で出ますが、得点には結びつかず。3回に1死から植田が四球を選び、盗塁も成功。続く陽川はセンターバックスクリーンの左端へ放り込む第7号2ラン!チーム初安打で2点を先取しました。

青柳は1回、先頭の遠藤に四球を与え、石岡の右前打などで1死一、二塁としますが無失点。2回は野本に二塁打を浴びるも後続を断ちます。3回は遠藤に右前打されたあと友永を二ゴロ併殺打、石岡の内野安打はあったものの4番・高橋を打ち取って終了。しかし4回、先頭の森野に右前打を許すも2死を取ったところで、8番・赤田の飛球を追った緒方が捕れず(記録はエラー)、一塁から森野が生還。赤田も三塁へ進みました。そして阿部の右中間タイムリーで同点となります。

5回は2番・友永からを三者凡退に切って取った青柳。その裏に先頭の俊介がライトポール横へ第3号ホームランを放ち、1点勝ち越しました!青柳は6回、サード今成のエラーで1人出したものの野本と赤田を連続三振に仕留め、6イニング回6安打2失点(自責0)という内容です。

7回は山本。先頭の阿部に左前打されますが、遠藤のバント打球を長坂が二塁へ送ってアウト。続く代打攻勢もキッチリ抑えて0点。8回は連投の伊藤和で、森野と野本に左前打を許しながらも無失点でした。

なおホームランによる2安打のみだった打線は、6回も三者凡退。7回2死からようやく3安打目の左前打が俊介に出ました。植田も右前打で続いたのですが、追加点には至らず。8回は新井の1四球のみで無得点。そして9回表は久々にメンデスが登板して2奪三振の三者凡退!1点のリードを守りきりました。

「反省点は改善できたと思います」

青柳投手について掛布監督は「投げているボールは悪くない。緩急をつけられているってのは、よかったかな。ピッチングの幅が出てきましたよね。左を並べてきたときにインコースのボールを投げ切れるかどうか。それが今後の課題になる。ボール自体はよかったよ」と話しています。きょうの中日は、6番と9番以外ずらっと左打者というオーダーでした。

青柳投手は「左バッターが並んでいたので、いい練習ができたと言ってはあれなんですけど。一番もったいなかったのは(1回の)先頭へのフォアボール。それと(3回に)ダブルプレーを取ってもらったあとのヒットも」と振り返り、「5回や6回のピッチングが最初からできたらよかったかなと思います」と話しています。

ファームでの2試合に課題克服をかけた青柳投手。写真は21日のサイン会です。
ファームでの2試合に課題克服をかけた青柳投手。写真は21日のサイン会です。

監督のいう緩急について「3回くらいまで真っすぐ中心だったけど、山田コーチに言われてから緩いボールも長坂が入れてくれた」と青柳投手。1軍の先発に向けてアピールできたでしょう。昇格をかけての登板ですが「早く上がらなきゃというより、呼ばれたらいつでも行けるようにしたい」と言い、続けて「準備はできています!」とニッコリ。

「1軍で出た課題は四死球とエラー。この2試合で1四球だった。2軍でよかった制球面が1軍のプレッシャーかかる中でどうなるか、ですけど。でも四死球とエラーという反省点は改善できたと思います。僕の中では」。力強くうなずきました。

連敗を3で止めた貴重な2発

先制2ランの陽川選手は「インコースよりの真っすぐですね。とりあえず、つなぐというか、そういう意識でやっています」と、いつものコメント。この5試合で4本も打っていると言ったら「そうなんですか?」と驚き、「実感は…ないです」と笑いました。出始めたら続きますよねえ。「でも、出るまでが長いんですよ」。ということは、いったん止まると?「はい」。苦笑いしながら去っていきます。

勝ち越しHRの俊介選手を迎える陽川選手(右)も満面の笑みです。
勝ち越しHRの俊介選手を迎える陽川選手(右)も満面の笑みです。

掛布監督は「肩をレベルに回す意識で、右肩が下がらなくなってきた。そうするとスピンがかかるのでボールが飛んでいくんだよね」と分析。打順について「今は3番のリズムで結果が出ている。打順よりも、陽川には“打つ”という“結果”が大事」とのこと。

なお『ホームラン賞』が淡路ビーフだと告げたら、陽川選手は「ビーフ!」と、とても嬉しそうでした。

最後は、勝ち越しの3号ソロホームランを放ち、淡路ビーフと『ヒーロー賞』のいちじくカレー&玉ねぎドレッシングを獲得した俊介選手。1週間前は和歌山県上富田でのソフトバンク戦で第2号。どこかへ行くと1発出ますね~と言ったら「1号は鳴尾浜で打っていますよ!うわ~怒った。僕は怒りましたからねっ」とロッカーに入ってしまった…。

いやいや、2つも賞をもらってすごいなあと思っただけで。「上富田でももらいましたよ」。そう、あれは初回先頭打者ホームランを含む4安打と大当たりで、やはりフルーツなどの賞品をゲットしています。って書くと、賞品が出るときは打つ、みたいなことになってしまって余計に怒られそうな。すみません!そのあとも、俊介選手は“怒ったふり”で帰っていきました。プンプンと(笑)

野球教室ではノッカーを務め、子どもたちに声をかける俊介選手。
野球教室ではノッカーを務め、子どもたちに声をかける俊介選手。

ただし、取材にはちゃんと応じてくれて「あのホームランは軽打しようと思っていた。風に乗ったかな?まあ、いい形で打てましたね。結果を出さないといけない立場なので、続けていけるよう頑張ります」というコメントです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事