公式戦初登板のルーキー3投手も貢献した3安打完封リレー《4/27 阪神ファーム》

そろって公式戦で無失点デビューを果たした(左から)藤谷投手、才木投手、浜地投手。

阪神ファームは28日の午後、土日にジャイアンツ球場で行われるイースタン・巨人とのファーム交流戦に向け、東京へ移動しました。30日の先発とみられる福永春吾投手(22)は「楽しみですねえ。年俸総額○億円の相手を、ぶった切ってきますわ!」と気合十分。ちなみに「1イニングだけでよく覚えてないけど、ジャイアンツ球場でも投げたことがありますよ」という、なかなか経験豊富なルーキーです。

さて、27日のオリックス戦はルーキー投手陣が公式戦に初登板するとの情報をご存じで、甲子園のナイター前に寄られた方も多かったのでしょう。鳴尾浜のスタンドは満員でした。おまけに1軍の金本知憲監督も見つめる中で投げた藤谷洸介投手(21)、才木浩人投手(18)、浜地真澄投手(18)ですが、そろって1イニングを0点に抑えるデビュー!

これで公式戦の成績に初めて名前が載り、3人とも『防御率0.00』と書かれています。そうそう、投げ終えた直後に取ってもらった1点で勝ったため、浜地投手は“プロ初勝利”も手にしたわけですね。

ところで25日は0対0の引き分けで、掛布監督は「打って勝つより、守って負けない野球が選手に力をつける」と話していました。27日も、2併殺を含め投手陣が要所を締めて3安打完封リレー!今度は “守って勝った” ということでしょうか。1軍は28日の中日戦が今季初完封だったようですけど、ファームは24試合を終えて7試合目の完封(うち2試合は引き分け)となりました。

では試合結果と経過です。

《ウエスタン公式戦》 4月27日

阪神-オリックス 8回戦 (鳴尾浜)

オリ 000 000 000 = 0

阪神 000 010 00X = 1

◆バッテリー

【阪神】竹安‐才木‐○浜地(1勝)‐藤谷‐守屋‐高宮‐柳瀬‐Sメンデス(6S) / 岡崎‐小豆畑(8回~)

【オリ】●東明(5回2/3)-大山(1/3回)‐赤間(1回)‐ウエスト(1回) / 赤松‐伏見(8回裏)

◆二塁打 宗、今成

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]二遊:植田 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .256

2]遊:糸原  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .111

〃二:森越  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

3]右:江越  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000

〃右:伊藤隼 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .344

4]三:陽川  (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .233

5]一:今成  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .314

6]左:板山  (2-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .191

7]指:大山  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .230

8]捕:岡崎  (2-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .250

〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .105

9]中:緒方  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .284

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

竹安  3回 46球 (1-3-0 / 0-0 / 5.63) 143

才木  1回 15球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00) 150

浜地  1回 19球 (0-0-1 / 0-0 / 0.00) 143

藤谷  1回 14球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 143

守屋 0.2回 10球 (0-0-1 / 0-0 /10.22) 145

高宮 0.1回 6球 (0-0-0 / 0-0 / 2.84) 139

柳瀬  1回 17球 (0-2-0 / 0-0 / 0.87) 146

メンデ 1回 6球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00) 152

試合経過

竹安投手は3回を1安打3三振で無失点。
竹安投手は3回を1安打3三振で無失点。
才木投手は1回を1安打1三振で無失点。
才木投手は1回を1安打1三振で無失点。

まず阪神の攻撃から。オリックス先発・東明の前に1回、2回と三者凡退。3回に岡崎はストレートの四球を選びますが得点なく、4回はまた三者凡退でした。しかし5回、先頭の今成が右翼線二塁打を放ち、2死後に岡崎が中前タイムリー!これで先制します。

6回に先頭の植田が右前打、糸原が送って1死二塁とするも江越は空振り三振。陽川の四球で2死一、二塁となったところで東明が降板。代わった大山から今成が三振を喫して追加点なく終わりました。7回にも板山が四球を選びながら二盗失敗。次の大山が右前打、2死後に緒方も右前打で一、三塁としただけに残念です。結局、続く植田は二ゴロでここも追加点なし。8回は三者凡退でした。

2死二塁となって岡崎選手から声をかけられ
2死二塁となって岡崎選手から声をかけられ
浜地投手は1四球のみで1回無失点。
浜地投手は1四球のみで1回無失点。
藤谷投手は1三振で三者凡退、無失点。
藤谷投手は1三振で三者凡退、無失点。

ついで投手陣。先発の竹安は1回、簡単に2死を取ったあと3番・宗が打ち上げた打球はショート後方へ。レフト板山のチャージが遅れたため間に落ち、これが二塁打となります。しかし奥浪を右飛に打ち取って無失点。2回は川端、岩崎を変化球で、伏見を真っすぐで3者連続三振!3回もピシャリと三者凡退。

ここからはルーキーが連続登板。4回は才木が、先頭の吉田雅にフルカウントからの7球目を中前打(惜しくも糸原が届かず)されますが、宗は三邪飛、奥浪は空振り三振で岡崎が吉田雅の二盗を阻止!併殺で終了しました。5回は浜地。川端が三ゴロ、岩崎に四球を与えるも伏見は三ゴロで打ち取り、2死二塁となったところで岡崎がマウンドへ。そして赤松を右飛に切って取り、やはり無失点。6回の藤谷は三者凡退!岡崎が二飛、武田を中飛、最後の吉田雅は空振り三振という内容です。

7回は守屋が1死から1安打と盗塁、2死を取って交代。高宮が締めています。8回は柳瀬が代打2人から連続三振を奪うなど三者凡退。9回はメンデスで、先頭の武田に初球(150キロ)を左前打されました。しかし続く吉田雅のバントを陽川がホームの前で捕り、二塁へ送球。これを植田が受けて一塁へ転送!5-6-4の併殺で試合終了です。

空振りを取れなければ納得いかない!

では、公式戦初登板を果たしたルーキートリオの話からご紹介しましょう。投げた順番に、まず才木投手です。最初に「きょうは自分の中であまり納得していませんが、岡崎さんや内野全員に声をかけて頂いて、落ち着いて投げられたと思います。緊張がほぐれました。先輩方のおかげです」と謙虚なコメント。

1死一塁でオリックス4番の奥浪選手を迎え…
1死一塁でオリックス4番の奥浪選手を迎え…

納得いかないのは「みんな初球からストライクを取れたらよかったんですけど、3人目はツーボールになって守備のリズムを悪くしてしまったとこ」だと言います。最後の空振り三振がスライダーで、他は全部真っすぐだったそうで「基本は真っすぐ主体の投手なので、真っすぐで空振りを取れるかカウントを取れるかを、自分の中で課題にしていました。相手はプロだから意識してやりました」とのこと。

先頭・吉田雅選手への6球目、ファウルになったのが最速の150キロですが「全然、感触はなかったですね。150出たという感じはありませんでした。当てられている(ファウル)のは速く感じていないのと同じ。空振りを取れなければ納得いかない」 と、負けん気の強いところも見せています。

金本監督の見ている前で投げた感想は「来られると聞いていましたが、そこまで意識していなかったです」とサラリ。その金本監督が大塚晶文さん(現・中日コーチ)に似ていると言っていたと聞いて、反応は「…誰ですか?」でした。さすがに知らなくても仕方ないでしょう。

最後は三振ゲッツー!3人で終わり、笑顔でベンチへ戻る才木投手。
最後は三振ゲッツー!3人で終わり、笑顔でベンチへ戻る才木投手。

今後、イニング数が増えてきたら「しっかり攻撃につなげる流れを作るようにしたい。カウントが悪くなると、守備のリズムも悪くしかねないので。次からは自分がリズムを作りたいですね」と、責任感も十分です。

信条は「自分のやれることをやる」

続いて浜地投手。公式戦は前回の練習試合とは違ったかと聞かれ「気持ちに変わりはなかったです。でも公式戦なので、勝利ってのが大事になってくる。点を取られないようにと思いました」と答えています。初登板で初勝利も手にしたわけですが「僕がもらっていいの?って感じですね。だけどゼロに抑えられて、そこはよかった」と笑顔。ウイニングボールももらったみたいですね。

最後のバッターは右飛に打ち取った浜地投手。
最後のバッターは右飛に打ち取った浜地投手。

金本監督が視察、緊張した?「来られると聞いてはいましたが、力みというのはなかったです。力んだらよくないってのは、何度もやってわかっているので。力まないようにと心がけました」。きょうのピッチングを「ボール自体は納得できるものがなかったんですけど、ゲームを重ねて自分の中で課題も出てきて、それはよかったと思う」と振り返っています。

課題とは?「今までワインドアップしかやっていなくて、やっぱりセットになった時にいろいろ。間合いだったり、ボールを長く持ったり短くしたり、ただ投げるだけじゃなく奥深くなってくる。そういうところを意識していけたら」。なお、解禁となった変化球はカーブとスライダーを投げたとか。「まず真っすぐ主体、そこが軸だと思います。それプラス、次の機会でもっといろいろ試していけたらいいですね」

これからイニング数が増えてきて、先発する機会もあるでしょう。浜地投手は「いずれは先発としてやりたい気持ちはあります」と言っていました。そうそう、金本監督が川上憲伸さんをイメージさせると話していたようですよ。わかりますか?「はい。知っています。足元にも及ばないですけど…嬉しいです。でも自分がやれることをやるだけ。やれないことをやるんじゃなく、やれることをやろうと常に思っています」

試合後の挨拶へ向かうところ。転がり込んできたプロ初勝利に照れ笑い?
試合後の挨拶へ向かうところ。転がり込んできたプロ初勝利に照れ笑い?

最後に、2死二塁になったところで岡崎選手がマウンドへ行ったのは、どんなアドバイス?「一塁が空いているし、厳しいとこに投げていいよと言ってもらいました」。なるほど。ベテランキャッチャーのミットをめがけ、安心して投げられたでしょう。

自慢のチェンジアップで三者凡退

そして藤谷投手です。ほとんど変化球だった?「真っすぐは2球しか投げてないんですよ。カーブとスライダーもちょっとだけ、あとは全部チェンジアップです。ブルペンからチェンジアップばっかり投げていたので、岡崎さんも多めだったのかなと」。登板前のコメントでも“持ち味の変化球”と言っていたように「チェンジアップあっての自分、と思っています。自信があるのもチェンジアップですね」とうなずきました。

本当に手足が長いなあと、しみじみ。
本当に手足が長いなあと、しみじみ。

打者の反応は?「前回は久しぶりで真っすぐだけだったし、抑えられるかなと心配していたけど、きょうはそんなに不安なく抑えられた。カーブ、チェンジアップはバッターの反応もよかったですね。チェンジアップが一番、反応ありました」。投球の内容を振り返って「最後のバッターを三振に取ったチェンジアップが浮いたのと、あとスライダーを1球ひっかけたのがちょっと。結果はよかったですけど」という感想。

そういえば岡崎選手はパナソニック(松下電器)の大先輩ですね。昨年、練習試合で鳴尾浜へ来た際に挨拶はしたと言いますが、偶然にも公式戦初登板で受けてもらったわけですね。ところで公式戦って意識はした?「していません。自分のことで精一杯だったし。金本監督が来られていたのも、投げ終わってから知ったんですよ(笑)。あ、そうなんや!と。知っていても変わらないと思いますね。あまり気にしないです」

相変わらず、ひょうひょうとした受け答えの藤谷投手ですが、今後のことを聞かれ「変化球は今のままで。真っすぐをもっと良くしていきたいですね。真っすぐが良くなったら変化球も生きるので。まだスピードがあまり出ていないので、変化球で空振りを取れない。空振り取れるとこに落としているつもりなんですけど、当てられる。それも全部、真っすぐの球威によるのかなと思いました」と、ここは真剣な表情です。

「一番自信がある」チェンジアップで三者凡退の藤谷投手。
「一番自信がある」チェンジアップで三者凡退の藤谷投手。

掛布監督がカーブは面白いと言っていましたよ。「腕の振りもあまり変わらないですかね。でもカーブの時は“抜いた”あと、振りを速くしています。他の変化球もそうですが、カーブはより速く。そうした方が、(ボールは)浮いてくる感じがあるんで」。非常にわかりにくいと思いますが、文字だけで表現するのは難しくて藤谷投手の言葉をそのまま書きました。すみません。イメージを膨らませていただければ。

ポイントは左打者へのツーシーム

なお試合後の掛布監督は、公式戦初登板・ルーキートリオについて「3人ともそれなりに投げていたと思う。最初にしては上出来でしょう。バッターに対して攻めていたね。藤谷は変化球が多かったけど、逃げる変化球じゃないしね。才木も浜地も腕の振りはいい。才木は角度があるし、浜地はキレがいいし。三者三様で面白い。初めて変化球を投げたところなので評価はまだできないけど、楽しみな初登板だったと思いますよ。みんな堂々としていたよねえ。それがすごい」と話しています。

次に、先発した竹安投手のコメントです。3回1安打無失点、ナイスピッチングでしたね。「試合前のピッチングで真っすぐが引っかかっていて、右バッターへのインコースに投げるツーシームがよかったから、ゲーム中に岡崎さんと話して、これ中心でいこうということになりました。よかったですね」

本人も手応えを覚えたようで「右バッターへのインコースへツーシームって、あまりなかったんです。左バッターしか投げていなかった。こういう抑え方もあるんだと思った」とのこと。さらに「真っすぐで、狙ったとこへいったのが1球もなかった。(それくらい)真っすぐが悪かったけど、抑えられてよかったです」と笑顔も出ました。

大先輩キャッチャーと組んで、また新たな収穫があったと話す竹安投手。
大先輩キャッチャーと組んで、また新たな収穫があったと話す竹安投手。

そのツーシーム、1人のバッターに続けて投げ、カウントも作れたのでは?「そうですね。これまで左バッターにはあったけど、右ではなかったので。でも球速や精度はまだまだ。その中でも、一歩ずつ登っていけている感じはあります」。3イニングは今季公式戦最長で「3回までと言われていたけど、まだいける感じはあったし、もっと投げたいと思いましたね」と竹安投手。我々も同じで、もっと見たかったですよ。次に期待しましょう。