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阪神ファームは2か月ぶりの借金1 鳴尾浜では大和がホームラン!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
故障後初の屋外での打撃練習とあり、笑顔の絶えない大和選手。

きのう13日、阪神は中日と対戦。前日の雨天中止で岩本投手の先発が流れたんですが、この日は予定通り二神投手が先発しました。お盆休みということで、テレビ中継で見たナゴヤ球場もお客様の数が多かったですねえ。試合は中盤に阪神が逆転したものの追い上げられ、8回に松田投手が再逆転を許して敗戦。これで5月初旬以来の4連敗を喫した阪神は、6月10日以来となる借金を背負っています。

なお、きょう14日もナゴヤ球場で中日‐阪神戦の予定でしたが…なんと直前に雨が強くなったそうです。試合開始を遅らせたものの止む気配がなく、結局13時に中止になってしまいました。先発の岩崎投手も張り切っていたのに残念ですねえ。あまりに残念なので、既に発表されていたスタメンだけでも書いておきましょう。

【阪神】左:柴田、二:北條、右:緒方、一:森田、三:陽川、遊:西田、捕:岡崎、中:横田、投:岩崎

【中日】遊:三ツ俣、二:吉川、中:古本、一:福田、右:ゴメス、捕:桂、左:堂上剛、三:溝脇、投:伊藤

では13日に行われた試合の結果です。

《ウエスタン公式戦》8月13日

中日-阪神 21回戦 (ナゴヤ)

阪神 000 202 000 = 4

中日 001 000 23X = 6

◆バッテリー

【阪神】二神-山本-●松田(1敗)-玉置 /小宮山

【中日】小川(6回)-山本昌(1回)-○武藤(2勝)(1回)-S岸本(3S)(1回) / 赤田-小田(7回~)

◆二塁打 陽川、中谷、吉川

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中右:緒方 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .301

2]遊:北條  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 1) .250

3]二一:黒瀬 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .260

4]右:狩野  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .284

〃中:柴田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .244

5]一:原口  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .274

〃打二:荒木 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .246

6]三:陽川  (4-3-1 / 1-0 / 0 / 0) .251

7]左:中谷  (4-2-3 / 1-0 / 0 / 0) .179

8]捕:小宮山 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .179

〃打:西田  (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .239

9]投:二神  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃投:山本  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:松田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:玉置  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:森田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .278

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

二神 6.1回 95球 (8-2-2 / 3-2 / 1.60)

山本 0.2回 10球 (0-1-1 / 0-0 / 2.21)

松田 0.2回 18球 (3-0-1 / 3-3 / 9.82)

玉置 0.1回 13球 (0-0-2 / 0-0 / 2.78)

中日戦は10勝10敗1分け

二神は3回、先頭の三ツ俣をショート北條の捕球エラーで出し、犠打で二塁へ進めたあと、3番・古本の右前タイムリーで1点を失いました。しかし3回まで小川に対して2安打に抑えられていた打線が4回に反撃開始。狩野の中前打と陽川の左前打で2死二、三塁として中谷が高めのチェンジアップを打って左前タイムリー!2人が還って逆転に成功です。

6回には2死から原口が“左越え”のシングルヒット。本人は「足が遅かった…」と言いますが、レフト古本の素晴らしい送球に阻まれ一塁へ戻ったもの。続く陽川の左中間二塁打で一塁から必死の走塁を見せ、勝ち越しのホームを踏んでいます。さらに中谷の三塁線を破るタイムリー二塁打!4対1とリードを広げました。

1点を失ったあとは4回に1安打許しただけで5回と6回は三者凡退だった二神。ところが7回、先頭の代打・堂上剛に四球を与え、1死後に代打・井藤へも四球。三ツ俣には初球を左前打されて1死満塁とします。続く2番の吉川に三塁線突破の2点タイムリー二塁打を浴び、ここで降板した二神は8安打3失点(自責2)でした。後続を山本が断つも、4対3とリードは1点。

8回は松田が登板して先頭の小田に左前打されたものの、犠打も含め3球で2死二塁。と思ったら代打・田中に中前打…当たりはよくなかったのですが、そのためにセンター柴田の見事なバックホームでも生還を阻止できず、追いつかれました。三ツ俣に四球を与え、久保コーチがマウンドへ行きますが次の吉川に左中間へ勝ち越しのタイムリー。ここで松田が降板します。

代わった玉置は古本に四球で2死満塁とし、4番・福田にも四球。押し出しで6点目を与えました。打線は7回に山本昌から緒方がバントヒット、黒瀬は右前打するなど1死一、三塁としますが狩野の三ゴロ併殺打で無得点。8回は三者凡退。そして9回は代打・西田が右前打するも代打・森田は大きな右飛、緒方は遊ゴロ併殺打で試合終了です。

「ペーニャみたいなホームラン」

屋外でのシート打撃も解禁した大和選手。このズボン、そろそろ見納めかも。
屋外でのシート打撃も解禁した大和選手。このズボン、そろそろ見納めかも。

鳴尾浜では残留メンバーによる練習が行われ、故障明けの藤井選手と大和選手も初めて屋外での打撃練習に臨みました。フリー打撃だけでなく、シート打撃にも加わっています。大和選手はフリーで橋本打撃投手とマシンを相手に計60スイングして、安打性の打球は25本。シートは久保田投手から右前打、白仁田投手に対しては遊ゴロと左前打(※のちほど説明)、そして島本投手からレフトへホームラン!

私は間に合わず、帰り際の大和選手と話をしただけなのですが…詳細はスポニチ細川記者から聞きました。※印の左前打は守備についていた田面投手が本来とは違い、まさに“三遊間”で守っていたそうで、ライナー性の打球をキャッチしてしまったとのこと。よって左前打という判断です。またホームランもライナーで、レフトにいた歳内投手はコーチの「さいうちー!」の声にも無反応だったそうです(笑)。

大和選手いわく「だって(レフトのネットに到達するまで)3秒かかってないでしょ。3秒は捕れないですよ」という当たり。すっかり外野手の言葉ですねえ。「もう3年目ですよ」。失礼しました。打ったのは島本投手のスライダーで、ボール、ファウル、ボール、ボールの5球目。その前に打席に立った藤井選手が空振り三振した球で「同じ左ピッチャーを打つのに、すごく参考になりました」と言います。

そして、ホームランを見ていなかった私を「年に1本あるかないかのホームランやのに。しかも、ポール際と違いますよ!ちゃんとレフトですからね」と責める大和選手。ほんまにすみません…。そうかー、桜井選手がよく打ってたあたり?「もっと低い打球ですけどね。うーん、ペーニャみたいな」。へえ~それはすごい。まったく体型は違うのにねえ。で、脇腹は痛くない?ひねっても大丈夫?「全然。痛みも不安もまったくない。シート見てたらわかるでしょう?」と涼しい顔。

“発進”早まる?大和選手

ホームランのあと日高選手と談笑する大和選手。腰においた手が「どや?」笑
ホームランのあと日高選手と談笑する大和選手。腰においた手が「どや?」笑

練習ではベースランニングまでやったそうで、これはもう実戦間近という感じです。週明け19日からのソフトバンク戦で、との段取りも少し前倒しになるかもしれませんね。おそらく大和選手はそのつもりでアピールしていると思われますが。ちなみに“公式な”コメントは「フルスイングしても問題ないです。ホームランはたまたま。レフトオーバーかと思ったら、越えましたわ~!(試合出場は)自分の中ではOKですけど、あとはトレーナーさんと相談して」でした。

仲野トレーナーに聞いてみると、まず「ホームランは3割くらいの力って言っていましたよ」と笑います。屋外での打撃練習を終え「ヒット性の当たりもあったし、ファウルや空振りも問題ないですね。あと2日、強度を上げてどうかなというところ。まず明日の状態を確認して。週末に試合出場という可能性はゼロではないですが…相談して無理のない範囲で。最終判断は15日の全体練習になります」とのこと。

とりあえずファーム本隊が帰ってきての練習に合流し、そこで監督やコーチが見てから結論が出ると思います。もしかすると本人のはやる気持ちを抑えてという配慮があるかもしれませんが、大和ファンの皆さま!そろそろ出動態勢に入りましょうか。久しぶりにゆっくり対面できた大和選手の話は、また機会があればご紹介します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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