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3カード連続で遠征中の阪神ファーム、ナゴヤ初戦は雨天中止

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
鳴尾浜のタイガース選手寮・虎風荘。台風一過の青空をバックに11日の写真です。

台風11号が去って爽やかな朝を迎えた11日。一緒に湿気も連れて行ってくれたのか、強い日差しの鳴尾浜にいても風が心地よい一日でした。と思ったら…きょう12日は未明から雨!ちょっと油断していましたねえ。甲子園の高校野球は30分遅れで始まったんですが、ナゴヤ球場で予定されていたウエスタン・リーグの中日‐阪神戦は朝8時に中止発表。名古屋も朝4時くらいから降り続いていたようです。

3試合で2点しか取れず

先週は福岡でソフトバンク戦があり、週末は青森でイースタンの楽天と交流試合が予定されていた阪神ファーム。9日は八戸市の長根公園野球場、10日は青森市の青森県営球場での開催で、残念ながら10日は雨で中止となっています。9日は、北條選手が二塁打を含むマルチヒットなど8安打しながら1得点のみでした。一方、先発・鶴投手の8安打5失点(自責4)をはじめ、楽天に合計11安打されて6失点。久しぶりに3失策もあったみたいですしねえ。

9日が1点、その前のソフトバンク戦は3安打0点と4安打1点。つまり3連敗中のタイガース、その間の総得点はたった2点です。というわけで、本来はお休み…ではなく自主練習日で名古屋へ移動するのはずだった11日に練習することが決まったのかもしれません。まあ10日が雨で少ししか練習できなかったのもあるでしょうけど。

なお光星学院(現・八戸学院光星)OBの北條選手は、何度も試合をした八戸長根公園野球場に“凱旋”して「変わっていなかった」と言っていました。母校の野球部はちょうど甲子園に来ているので、もちろん監督には会えず。でも青森市へ移動した9日の夜には高校の先輩と食事ができたそうですよ。滅多に行けない青森だから10日の試合もできればよかったのに、残念です。

青森で地震、そのとき小虎は…

10日の試合が中止となり、チームは県営球場でなく青森市内の施設で午前中に練習を行いました。それから宿舎のホテルへ戻って、帰りの飛行機までの時間を過ごしたようです。試合前に球場で食べるはずだったお弁当を食べたり、テレビを見たりして寛いでいたであろう12時43分頃、青森県東方沖で最大震度5弱の地震があったんですよね。ホテルの部屋は10階だったというので、相当揺れたはず。原口選手が「すごかったですよ!みんな廊下へ出ましたよ」と言っていたので、ちょっと聞いてみました。

西田選手は「メッチャすごかったですよ。暴れてました!」という独特の表現。暴れていたんですね、すごく伝わりました。横田選手は目を丸くしながら「めちゃくちゃ揺れましたよ!あんなの初めてです!すごかったです!外に出ました!」と訴えます。他の選手たちもほとんど同じ言葉で、やはり全員が廊下へ飛び出したみたいですね。陽川選手いわく「僕も廊下へ出ましたよ。バスタオル1枚で」…そこんとこ詳しく教えてもらいましょう。

「弁当を食べて風呂入って、ドライヤーで髪の毛を乾かそうとしてたところで携帯がウィーン、ウィーンって鳴ったんですよ!」。なるほど、携帯電話の緊急地震速報ですね。「うわー地震や!と思ったら、次の瞬間にユラユラ来ました!中谷がドアをドンドン叩いていたんで開けたらいなくて」そのまま廊下に出たそうです。バスタオル1枚で(笑)

でも本当に、そんな大きな揺れを経験したことがない選手もいたはずで、おまけに10階ですからねえ。軽くパニックだったかもしれません。陽川選手も初体験?「いえ、僕は東日本大震災を」。あ、東農大でしたね。「でも僕はその時、関西にいたんです」…つまり知らないってことよね?「はい」。すみません、そのまま書いちゃいましたが、読み流してください。

陽川選手は「13タコ中」

ここで陽川選手は「今、13タコ中です」と自己申告。それって、もしかして?「そうです。サヨナラのあと打ててないんです」。あら、じゃあサヨナラ打で今月の運を全部使ってしまったのかな?「いやいやいや、それは早すぎるでしょ。あれ1日ですよ(笑)」。ぷっ!なかなか早いツッコミですねえ。確かに8月1日のオリックス戦、4時間48分の恐ろしく長い試合の延長10回に出た逆転2点タイムリー二塁打。この日は3安打5打点でしたね。

そのあとは中止も多く全部で4試合だったんですが、陽川選手は15打席で13打数ノーヒット。打率は.257から.243まで下がっています。「悪くはないんですが、捉えたって思っても正面へいってしまう。そうやって、はまっていくんですよね、考えて考えすぎて」。ナゴヤ球場で切り替えましょう!「ナゴヤはよかったかな。でも1戦目の先発は西川らしい。相性悪いんっすよ」。朗報がありました!西川投手はスライドせず、小川投手みたいです。

おっと、チームにとって朗報とは言えません。小川投手は先月27日の新潟三条で完封負けを喫した相手。陽川選手は二塁打を含む2安打で2三振と五分五分でした。西田選手が2安打、北條選手と横田選手が1安打ずつの合計6安打。打ったのは3年目までの選手だけ?さて、あすはどうでしょう。なんせ阪神には自信を持っている小川投手だけに、苦戦を強いられるかも。こちらの先発投手に負担がかかりますね。

13日の先発は二神投手

その先発投手の件。10日の楽天戦に先発予定だった岩本投手が12日に回ったものの、また流れてしまいました。平田監督によれば中日3連戦は岩本投手、二神投手、岩崎投手で、土日のオリックス戦は鶴投手、歳内投手という順番。これがどう動くのか、先々のお天気も微妙なので読みにくいですね。とりあえず、あす13日は阪神もスライドせず、予定通り二神投手のようです。そして岩崎投手がきょう名古屋へ向かいましたので、14日は岩崎投手でしょう。

今回のナゴヤ遠征は先発予定以外に松田投手、伊藤和投手、山本投手が参加です。野手では小宮山選手、小豆畑選手、原口選手、北條選手、西田選手、陽川選手、阪口選手、柴田選手、横田選手、中谷選手、緒方選手が鳴尾浜からの出発でした。いったん自宅に戻って駅へ向かった選手は確認できていませんが、西村投手、玉置投手、岡崎選手、黒瀬選手、荒木選手、森田選手など、他にも大勢います。育成の島本投手は、今回も中日戦での先発予定が消え、遠征もなくなりました。これで何度目でしょう。でも“飛ばされない”立場になればいいんですよね。負けずに頑張ってください。

大和選手は復帰間近?

11日の鳴尾浜では、久しぶりに大和選手とも会えました。左脇腹を痛めて抹消されてから半月余り、今は室内でのマシン打撃も行っています。これまでカーブマシンだけで、この日がストレートマシン初日かと思いきや「と思うでしょう?」とニヤニヤする大和選手。仲野トレーナーに聞いてみると「5分、10分、10分とやってきて、きょうが15分。4回目」と判明。ストレートマシンでの打撃も問題なく、順調だそうです。大和選手は「外で打とうと思えば打てると思いますけど」と言っていました。

きょう12日もまだバッティングは室内のみ。グラウンド状態がよくなかったからですね、きっと。橋本打撃投手の球を打っていたとか。あすは屋外で打つみたいな気配ですよ。仲野トレーナーによれば「本人は名古屋遠征に行きたかったみたいですが、まだ残って確認したいこともありますし。週末のオリックス戦だと日曜日は佐藤薬品スタジアムなので、その次のソフトバンク戦を目標に」とのこと。このまま順調にいけば19日からのソフトバンク戦(鳴尾浜)で復帰という感じでしょうか。そうなると、あとは早いかもしれません。

また左肩の違和感で戦列を離れている榎田投手は、11日にキャッチボールを再開しました。「距離は20メートルです。問題なし。ブルペン入りは少し時間をかけようかなと思っています。遠投ができるようになってから」と仲野トレーナー。そして先週から体調を崩して静養中の一二三選手は、まだ練習に参加していません。でも検査では問題なかったようなので、もう少しの辛抱ですね。ファンの皆様、しばしお待ちください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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