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建山が虎デビュー、陽川は3安打2打点。首位のソフトバンクに逆転勝ち!阪神ファーム

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

フレッシュオールスター前は毎年、月曜日に試合が組まれるため8連戦や9連戦となることが多く、阪神ファームも8連戦の予定でした。でも13日と14日が雨天中止、前半の最後は鳴尾浜のソフトバンク2連戦です。きのう15日は岩本投手が先発し、先月入団した建山投手もリリーフで初登板しています。打線は中盤に逆転して連敗を2でストップ!ヒットはともに8安打ながら、阪神はもらった四球が全部で9つもあり、そのうち2つは押し出し。そういえば決勝点も森田選手の押し出し四球です。

《ウエスタン公式戦》7月15日

阪神-ソフトバンク 17回戦 (鳴尾浜)

ソフ 000 300 000 = 3

阪神 000 012 30X = 6

◆バッテリー

【阪神】岩本-島本-西村-建山-筒井-○渡辺(2勝)-S小嶋(2勝4敗10S) / 岡崎-小宮山(9回表)

【ソフ】山田(5回0/3)-●巽(1勝4敗)(1回2/3)-星野(1/3回)-大場(1回) / 山下-拓也(8回裏)

◆本塁打 塚田11号ソロ(岩本)

◆二塁打 猪本、真砂、陽川黒瀬

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]遊:北條  (3-1-0 / 0-2 / 0 / 1) .252

2]右:緒方  (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0) .293

3]二一:黒瀬 (3-1-1 / 2-1 / 0 / 0) .286

4]指:森田  (2-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .276

5]三:陽川  (4-3-2 / 0-0 / 0 / 0) .258

6]捕:岡崎  (3-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .255

〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .167

7]一:中谷  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .178

〃打:柴田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .258

〃二:阪口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .258

8]左:一二三 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .172

〃左:田上  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .143

9]中:横田  (3-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .204

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

岩本 4.0回 68球 ( 6-2-2 / 3-3 / 3.61)

島本 0.2回 4球 ( 0-0-0 / 0-0 / 3.54)

西村 0.1回 4球 ( 0-1-0 / 0-0 / 6.04)

建山  1回 23球 ( 2-1-1 / 0-0 / 0.00)

筒井 0.2回 14球 ( 0-1-2 / 0-0 / 2.01)

渡辺 1.1回 17球 ( 0-3-0 / 0-0 / 0.44)

小嶋  1回 12球 ( 0-0-0 / 0-0 / 3.45)

両方とも途中で制球を乱した先発投手

岩本は1回、釜元に三塁側へバントヒットを決められ2回はカニザレスに左前打と、先頭を出しながら併殺など3人で片づけて、3回は三者凡退。しかし4回2死から塚田にソロホームラン!ライナーでレフトのネットに突き刺さる先制弾はリーグトップの11号です。次のカニザレスにストレートの四球を与え、李には左前打、続く猪本に左中間への2点タイムリー二塁打。この回3点を失いました。5回は真砂に二塁打を許して降板。代わった島本は犠打で1死三塁とし、高田を投ゴロに打ち取って交代。西村がスライダーで空振り三振!

一方、打線は山田に3回2死までパーフェクトに抑えられ、横田がチーム初安打となるファースト強襲の内野安打で出ますが盗塁失敗。4回は先頭の北條が左前打するも無得点でした。投手陣がピンチをしのいだ直後の5回裏、先頭の森田がピッチャー返しの中前打、陽川も左中間フェンス直撃の二塁打、岡崎の四球で無死満塁とチャンス到来!中谷、一二三が倒れ2死となり、横田がフルカウントから四球を選んで押し出し。1点を返します。

6回は建山が登板。いきなり連打と四球で無死満塁としましたが、空振り三振と併殺で無失点。そして6回裏、急にストライクが入らなくなった山田か緒方が四球を選び、黒瀬の左翼線二塁打で一気に生還!森田は四球で無死一、二塁となって陽川が右前タイムリー!追いつきました。ただし2人目の巽に後続を断たれ、同点止まりです。

7回は5人目の筒井。1死後に釜元へ四球を与えるも岡崎が盗塁阻止。北條の捕球とタッチも見事!と思ったら北條は、続く高田の遊ゴロを捕りこぼすエラー…。塚田に四球で2死一、二塁となり筒井が降板。ついで渡辺がカニザレスを右飛に打ち取って無失点。するとその裏、2死を取られたあと北條、緒方、黒瀬と3連続四球。巽に代わった星野が森田にも四球。勝ち越し点は、この試合2つ目の押し出し四球でした。

なおも満塁で陽川はピッチャー強襲のタイムリー内野安打、岡崎が右前タイムリー!8回は大場に対し、2死から北條が四球を選ぶも盗塁失敗などで追加点なし。投手陣は、8回も続投の渡辺が圧巻の3者連続三振!9回は小嶋が登板して遊ゴロ2つで2死、最後は釜元がまたセーフティーを狙ってきたものの、ここは陽川がしっかり捕ってナイススロー!三者凡退で試合終了です。

「建山は経験豊富、動じない」と平田監督

15日、まず鳴尾浜で“タテジマ”お披露目の建山投手。いきなりの連打にも冷静です。
15日、まず鳴尾浜で“タテジマ”お披露目の建山投手。いきなりの連打にも冷静です。

建山投手は試合後に「マウンドはアメリカとは違うけど、あまり気にならなかった。ストライクゾーンはちょっと広いかな」と言い、いきなり連打された点は「ストライクをちょっと揃えすぎた。ボールはしっかりボールにしないとピンチを招いてしまう。点を取られなくて、どんな場面でも抑えられたのがよかった」と振り返りました。久しぶりの実戦で「これから上がっていけば。調子自体は悪くなかったです。思いのほか、いいボールがいっていた」と話しています。

平田監督によれば「久しぶりの実戦でバッター相手に投げられたから。1イニング投げられたことがよかった。打たれた、打たれなかったは関係ないんだよ。いいところ?経験豊富。ランナー出しても動じてないだろ?あすは状態をまず見て、ベンチに入れるかどうかを決める。投げるかどうかは試合次第」とのことでした。

建山投手の球を受けた岡崎選手にも聞いています。「この前、シートバッティングの時も捕らせてもらったんですけど、低めの変化球のコントロールがすごくいい。キレのあるカーブが、特に右打者には有効。まあそればっかりになるとバッターも対応してきますけど。先頭は簡単にいきすぎて打たれてしまいました。でもシートの時より球もキレていたし、よかったです」

そのあと「バッティングのことはいいんですか?」と岡崎選手。ダメ押しの6点目、ナイスタイムリーでした!「ありがとうございます(笑)。まあそれより守備。満塁で2度、粘れたのがよかったです。岩本も3回まですごくよかった!(ホームランの)あの1球だけ。それに、あれで終われば1点で済んでいたので」。リードした岡崎選手にとっても悔しかったでしょうね。

その岩本投手。球はよかったのでは?と聞かれ「まあまあでした。ホームランの1点で抑えていればよかったんですけど…ずるずるいってしまったのが、よくなかったですね」と反省の言葉です。3回までよかったでしょう?「よかったら打たれていないので」。修正点については「これから考えます」と、口数は少なめでした。

あとを受けて投げた島本投手は、打者2人に対して4球で2死を取っています。12日の中日戦(ナゴヤ)では赤坂選手に真っすぐを2打席連続ホームランされました。「きょうは真っすぐを1球しか投げてないです。この前は高くなってしまったので、きょうは低めに。ボールにはなったけど低くてのボールだからよかった」。イニング途中での登板は久しぶりですね。「はい、どんな場面でも結果を出すだけなので、きょうはよかったと思います」

そういえば赤坂選手、14日に支配下登録されましたね。あの2発が効いたのでしょうか。島本投手にとって、この登板はもしかしたら中2日での“追試”だったのかもしれません。クリアできて何よりです!

最後を内野ゴロ3つで三者凡退で締めた小嶋投手は「真っすぐ、フォーク、フォークです。たまたまですよ。たまには3人で抑えんとね」と飄々とした答え。でもこれで玉置投手を抜いて10セーブとなりました。

また黒瀬選手は「1打席目と2打席目は力が入ってしまった。打ちたい、打ち合いとボール球を振って」。この三振2つを反省しつつ「3打席目は冷静になれたので」と、6回のタイムリー二塁打を振り返っています。これで打率が.286、この10日ほどで5分くらい上がっていますね。

リフレッシュして後半へ!

6回の同点タイムリーを含む3安打2打点の陽川選手は「3安打、2度目ですね」と日焼けした顔を緩ませます。「5回の二塁打は、ツーシームをうまく上から叩けた感じでしたね。次のライト前タイムリーは、簡単に追い込まれたので、ランナーを進めたいという気持ちで。そういう形になってよかったです。最後の内野安打はラッキーヒットですね(笑)」と3打席連続安打を自己分析してもらいました。

オールスター休みは何をするの?「リフレッシュします」と陽川選手。それは正当な答えだわ。「前半が終わって、残り半分もた頑張るぞと気持ちを一度切り替えて」。なるほど。でも公式戦はもう3分の2以上消化しちゃいましたよ。「えっ?」。きょうで76試合終わって、残り34試合です。「ええっ!半分以上じゃないですか」。いや、だから3分の2以上と…。「もうそれだけしか残ってないんですか?」。そう、オールスターを挟んで前半後半と便宜上は言っていますけど、特にファームは後半が少ないですね。「うわあー」

驚きとともに焦りのようなものを感じたのか、言葉が続きませんでした。とにかく無我夢中で駆け抜けてきたルーキー・陽川選手。1軍はまだ後半に60試合あります。そこで自慢の強打を見せるために、ここはリフレッシュしておきましょう!

きょう16日がウエスタン、イースタンとも“前半”最終戦。歳内投手が先発みたいですね。貯金5で締めくくれますように。そして試合後からファームは短い夏休みとなります。フレッシュオールスターに出場する平田監督、岩貞投手、山本投手、北條選手、横田選手はもっと短いわけで…とにかく雨天順延のないことを願うのみですね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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