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西田が2週連続の満塁弾!同点打の北條、粘投の白仁田も殊勲

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
試合を決めた1発も「HRバッターじゃないので」と西田選手。さらに上を目指します

17日は鳴尾浜球場でウエスタン阪神-オリックス戦が行われました。上本選手が予告通り実戦に復帰。1番セカンドで6回の攻撃まで出場しています。結果は中前打と盗塁、左飛、四球。守備は、内野ゴロが半分以上だったのにセカンドには一度も飛ばず!スローイングが気がかりとのことでしたから、18日はセカンドへも少しお願します(?)。

試合は白仁田投手が2回にソロを浴びますが、6回1死満塁で北條選手が同点タイムリー、続く西田選手の2号満塁ホームランで勝ち越して連勝!あと1つでまた5割に戻ります。

《ウエスタン公式戦》5月17日

阪神-オリックス 11回戦 (鳴尾浜)

オリ 010 000 000 = 1

阪神 000 005 00X = 5

◆バッテリー

【阪神】○白仁田(1勝)-小嶋-玉置 / 小豆畑-岡崎(7回~)

【オリ】小松(5回)-●森本(2敗)(1回)-戸田(1回)-伊原(1回) / 若月

◆本塁打 奥浪2号ソロ(白仁田)、西田2号満塁(森本)

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:上本   (2-1-0 / 0-1 / 1 / 0) .500

〃捕:岡崎   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .267

2]遊:北條   (3-2-1 / 1-1 / 0 / 0) .204

3]三:西田   (3-1-4 / 0-0 / 0 / 1) .256

〃打一:黒瀬  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

4]右:伊藤隼  (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .282

〃打左:高山  (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .000

5]指:森田   (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .247

〃打指:原口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .143

6]一三:陽川  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 1) .206

7]中左右:中谷 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .178

8]左:一二三  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .179

〃打中:横田  (1-0-0 / 0-0 / 1 / 0) .188

9]捕:小豆畑  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .182

〃打二:阪口  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

白仁田 7回 86球 (2-3-2 / 1-1 / 2.77) 144

小嶋  1回 17球 (1-3-0 / 0-0 / 5.51) 140

玉置  1回 25球 (2-1-0 / 0-0 / 2.77) 141

鳴尾浜の球速掲示で150が出た!

白仁田は1回、先頭の駿太を陽川の捕球エラーで出し、山本の右前打で無死一、二塁とします。谷は真っすぐで見逃し三振。続く高橋への3球目で重盗を決められて(暴投かと思っていました…)1死二、三塁。しかし高橋と中村を三振に仕留め無失点!3者連続の見逃し三振でした。ところが2回、2死からルーキー奥浪に初球を打たれ、ライトポールを巻く先制ホームラン。

そのあとの唯一のピンチは4回。先頭の高橋が西田の捕球エラー、犠打と四球で1死一、二塁となって2死後に奥浪へ死球。これで満塁としてしまいますが、最後は三ゴロで切り抜けました。7回まで投げた白仁田は2安打1失点。3回と、5回から7回まではほとんどが内野ゴロの三者凡退です。

打線は小松の前に、1回は上本が中前打し二盗成功!しかし三盗(ボールがこぼれた時に走ったもの)は失敗し、結局3人で終了。4回は1死から北條が素晴らしい右前打を放つも、西田は一ゴロ併殺打など5回まで2安打のみで、しかも3人ずつで片づけられていました。ところが6回、いきなり149キロや148キロの速球を披露した森本ですが、制球に難ありで中谷の四球と代打・阪口の右前打、上本の四球などで1死満塁のチャンスを迎えます。

北條の時、ついに鳴尾浜で初めて見る『150キロ』が!それを含め6球連続でファウルした北條は10球目のスライダーをレフトへ。同点タイムリーを放ちました。なおも1死満塁で西田はカウント2-2からの5球目、144キロの真っすぐをライトへ満塁ホームラン!これでほぼ試合が決まった感じですね。7回は中谷が中前打し、代打・横田は二ゴロで二塁封殺となるも公式戦3つ目の盗塁を成功させていました。

なお8回は小嶋が先頭の駿太に中前打されたものの、あとは3者連続三振!9回の玉置は小島と宮崎に連打されますが奥浪を空振り三振、代打・西川は遊飛で試合終了です。

3回以降はノーヒットの白仁田

白仁田投手は1回に25球を費やしましたが以降はスイスイ。アウト21個のうち、犠打1つを含む内野ゴロが15もありました。「途中から向こうも早打ちになったし、自分も低めに投げられたからリズムよくいけたかなと。ゴロ多かったですね!追い込むまでに打たせようと思っていました。球数も減らしていったけど、真っすぐでインコースをつきながら、いろいろいけた。きょうコントロールも悪くなかったので」

「僕はいいですよ~。西田にして下さい」と白仁田投手。はい!2人とも撮りました。
「僕はいいですよ~。西田にして下さい」と白仁田投手。はい!2人とも撮りました。

2回に浴びたホームランは悔やまれますが、3回以降はノーヒットで7回2安打1失点という内容。だだし白仁田投手自身は、状態が悪いなと感じながらのピッチングだったようで「球の勢いがなかったですね。でも低めに決まっていたから、このまま続けていけばいけるかなと。ものすごく低くとは思っていなかったけど結果的には低めにいくフォームができていたから、あまり意識せずに投げた」と言います。

ホームランは?「真っすぐです。叩いた感じでガンッと、うまく打たれたなと思いますねえ。不用意にいってしまった」。1回の3連続見逃し三振は狙っていたかと聞かれ「追い込めていたから、というのはありました。ボールくさかったですね」と苦笑いの白仁田投手。特に116キロの変化球を見逃して三振だった高橋選手は、納得いかない表情で審判を見ていましたね。「はい。あれは、きょう1球目のカーブです」。なるほど、そのあとも115キロ前後のカーブが有効的でした。

受けた小豆畑選手も「真っすぐは白仁田さんも納得していないはず。でも変化球が決まっていたので。あの1本は悔やんでいましたが、あれだけに抑えたのはさすがです」と振り返りました。久保投手コーチは「彼らしいガツンといくボールは少なかったが、ゴロを打たせて取るピッチングをした。安定してるね」。以前、優しすぎると苦言を呈した平田監督も、インコースを攻めていった投球に「きょうはよかった」と話しています。

変化球を打ててよかったと北條

次は同点タイムリーの北條選手。その前の打席の右前打は「これまでみたいにボールを追っかけず、いい形で打てた」そうです。1打席目は粘って空振り三振でしたが、ここは初球打ち。「結構前からファーストストライクは狙っていて去年はファウルとかになっていたけど、最近は捉えられるようになった。試合に出させてもらって準備することも身についてきました」

一転して6回は粘って打った10球目が同点タイムリー。「1アウトの時にどれだけ、いい打席になるかです。2アウト満塁だと打てる確率が低くなる。1死で。ああいう形で打てたのがよかった。追い込まれたので真っすぐに合わせつつ、厳しい球はファウルして、変化球は開かずにと」。いっぱい考えていたんですねえ。

ところで森本投手は何球か149キロを出していて、北條選手への5球目で最速の150キロをマークしました。「一塁線にファウルしたやつですか?」。そう。どうだった?「う~ん…速かったですね」。それだけ?「ファウルできてよかった」。そして、すぐ後ろの西田選手に殊勲を持っていかれたわけですけど。「あはは、いかれた!って(笑)。まあ僕は2番なんで。とにかく白仁田さんが頑張っていたから、打ててよかったです」と笑顔。

この日は北條選手の地元、堺市美木多校区自治連合会の西上さんらが観戦されていました。昨年5月末に地元広報誌の取材で北條選手のインタビューに来られた際、お話を伺ったんですが「史也が2本もいいヒットを打ってくれて大満足です!」とのこと。今度は甲子園へ、自治会の皆さん大集合で応援に行きたいですね。

西田「ミスを絶対に取り返す!」と

さてお待たせしました。西田選手の出番です。今月7日のオリックス戦(神戸第二)で放った“人生初”の満塁ホームランに続いて、今季2号がまたしてもグランドスラム!「またエラーしてしまったし、併殺打もあって足を引っ張ってる、流れを悪くしているという思いがありました。満塁になり、北條があれだけ粘ってつないでくれた。同点になって楽に打てた」そうです。

途中でバットを短く持っていたのが印象に残りました。「追い込まれて真っすぐに詰まってるなと感じたので、前からやっているんですけど短く持とうと。またスライダーが一番ストライク入っていたとか色々考えて、うまく反応できたなと思います。形や状態はいいんですけど振りすぎたりする感じがあって、それに気づけたので打ててきたのかも。あれ振りにいっていたら空振りしていましたね」

ちなみに、また満塁やなあ、よーし!なんてこと考えた?「それは全然なかったですね」と笑う西田選手。2本出たものの「ホームランを欲しがったら、また調子を崩すので」と言います。4月16日の時点で.100に下がってしまった打率が、1か月で.256まで上昇しました。その要因を聞くと「力任せにバットを振ろうとすると体が開く。そうじゃなく下半身から入ってボールに向かっていくようにしたら、勝手にバットは振れてくれるんだとわかったことが大きい」と自己分析。

「守備のエラーを引きずったらあかんと。去年それでバッティングも悪くなったことがあったので。きょうは白仁田さんがエラーのあとを抑えてくれたから、バッティングで取り返そう!絶対にタイムリー打とう!と思っていました。守備も、次飛んできたら絶対に捕る!って」。その通り、以降はしっかり守っています。それにしても西田選手が守るサードへの打球が多かったですねえ。全部で8個もありました。1軍へ行くためには守備も打撃も、と汗と泥に塗れる日々は続きます。

ニコニコ笑顔の2選手

5回の逆転劇を右前打でお膳立てした阪口選手は「真っすぐです。146キロもあったんですか?ランナー一塁で、空いていたからあそこに打ちました。よかったです!」とニコニコして体幹トレーニングへ向かいました。打率は.250ですけど、ゴールデンウィークの頃に.333あった阪口選手としては、まだ物足りないようですね。

最後に、白仁田投手からホームランを打ったオリックスのルーキー・奥浪選手のコメントも。「10試合くらい出ていなくて、というか30打席くらいヒットらしいヒットを打てていなくて…。久しぶりでした!アウトコース低めの真っ直ぐです。正直ファウルかなあと思って。巻きました?」。これまたニコニコと、先輩の荷物をバスに積み込みながら話してくれました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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