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中谷将大選手がホームラン!阪神ファームで最多の2号…というのは少し寂しい

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

1日の鳴尾浜は超満員!久しぶりに入場制限が行われ、試合開始から1時間経っても入りきれないお客様が並んでおられました。午後は気温も上がり、鳴尾浜では一瞬しかない観戦びより(決して大げさではありません)だったと思われます。

1軍も甲子園で同じ阪神-広島戦なので、前日に続き1軍の選手も出場。広島は、もと阪神の赤松選手が久々に鳴尾浜へやってきて、なんと先制の3ランを打っちゃったんですねえ。また外野で打球を追いかける姿も見ましたが、やっぱり速い!

試合は前日同様、終盤に追い上げを見せるも逆転できず連敗です。打線は4番までの中谷選手、柴田選手、伊藤隼選手の3人でチーム全部の8安打。6番から8番(代打も含み)の3人でチーム8個のうち7三振。スコアブックの上半分は赤く、下半分が青くなりました。

《ウエスタン公式戦》5月1日

阪神-広島 7回戦 (鳴尾浜)

広島 031 000 000 = 4

阪神 001 000 010 = 2

◆バッテリー

【阪神】●岩本(2勝1敗)-筒井-白仁田-島本 / 清水-小豆畑(9回表)

【広島】○戸田(1勝4敗)(7回)-久本(1回)-Sフィリップス(6S)(1回) / 會澤

◆本塁打 赤松1号3ラン(岩本)、中谷2号ソロ(戸田)

◆二塁打 伊藤隼、柴田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]一:中谷  (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .181

2]中:柴田  (4-3-0 / 0-0 / 0 / 0) .267

3]指:狩野  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .191

4]右:伊藤隼 (4-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .333

5]捕:清水  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .200

〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) 1.000

6]三:陽川  (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .143

7]左:一二三 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .146

8]遊:北條  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .129

〃打:原口  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .158

9]二:西田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .174

〃打:岡崎  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .286

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩本  5回 98球 (5-2-3 / 4-4 / 2.86) 143

筒井  1回 11球 (0-1-0 / 0-0 / 2.25) 142

白仁田 2回 32球 (0-2-1 / 0-0 / 2.25) 146

島本  1回 12球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00) 139

三者凡退で立ち上がった岩本は2回、高橋の左前打とキラへの四球で無死一、二塁として6番・赤松に3ラン。カウント1-1から131キロのシュートでした。続く庄司にも左前打されますが1死後に清水の盗塁阻止があり、鈴木誠は見逃し三振。3回にも東出の左前打と栗原の四球などで2死一、三塁となり、キラの中前タイムリーで4点目。4回と5回は三者凡退で、5回を投げ5安打4失点です。

6回は筒井が11球で三者凡退。ついで白仁田が登板して7回はわずか9球で三者凡退、8回に1つ四球があったものの高橋とキラをスライダーで連続空振り三振に仕留め、2イニングを無安打無失点です。9回は小豆畑と島本のバッテリー。先頭の赤松に中前打されるも、庄司のバント失敗(ボールは小豆畑の目の前。捕って送球、赤松がアウト!)、さらに庄司の盗塁を小豆畑が刺して、最後は倉をフォークで空振り三振。3人で片づけました。

次に阪神の攻撃。2回は伊藤隼が中前打して清水の四球で無死一、二塁としたものの2三振などで後が続かず。でも3回、1死から中谷がレフトへ文句なしのソロホームラン!フルカウントからの6球目、真っすぐを打ったものです。柴田が中前打で続きましたが狩野は由宇ゴロ併殺打で1点返しただけ。

4回は先頭の伊藤隼が右中間二塁打、5回は2死から中谷と柴田が連打したけど、どちらも得点にはつながらず。6回と7回は三者凡退です。ようやく8回、2人目の久本から柴田が左中間二塁打を放ち1死二塁。狩野は空振り三振でしたが伊藤隼の中前タイムリーで2点差に!しかし反撃はそこまで。清水が右飛で3死、9回はまたもやフィリップスが出てきて、先頭・陽川の四球のみ。一二三と代打の原口が空振り三振、岡崎は遊ゴロで試合終了です。

「抑えたい気持ちが強すぎて…」

試合後の話はまず岩本投手から。1回はよかったね。「まあまあ」というところからスタートしました。「抑えた回(1、4、5回は三者凡退)はいい形だったと思います。それを続けられれば。悪いから打たれて点が入るので」。4回以降は結構カーブを使っていましたね、初球からとか。「しっかり腕を振ってカウントを取れたら楽かなと思いました」

また岩本投手は「抑えないとっていう気持ちが強すぎて…。もっと楽にいけばよかった。(体が)突っ込んでしまったんじゃないかなと思います。点を取られたくなかったし、取られたくない気持ちが強かった」と、赤松選手に許した先制3ランを反省していました。

筒井、白仁田は手応えあり

筒井投手は降格後初の登板。「ボールとかバッターに対する内容とか、まあまあだと思います。今は、一番は下半身を使って投げることを意識してやっている。悪い時ほど肩の開きとか肘とか、上半身に意識がいきがちでした。下半身を使ったフォームでしっかり投げないと安定したスピードが出ないので、そこをやっていきたいと思います」。この日の投球を振り返って「ある程度まっすぐが放れたら幅が広がる。きょうみたいにフォークやカーブを投げたりできるので。清水が迷わずフォークのサインとか出してくれて、自分もいけるなと感じた」そうです。

これからも下半身を使う意識は継続。「ただ下半身に力を入れて投げるのではなく、動かし方などの修正を入れていけばうまくいくかなと思います。きょうはまずまずです。とにかく試合じゃないと。試合でいいものを感じていきたい」

白仁田投手は4月26日の紅白戦以来、試合では4月16日のソフトバンク戦(甲子園)で先発して以来の登板でした。140キロ台の直球もそこそこあり、最速は146キロ。「真っすぐがよかったです!ケガした後、もう投げられないんじゃないかと思っていました。感覚は戻っても、球速に表れるかどうか心配していたんですけど。ちょっと出てよかった。それだけでもよかった!」。心底うれしそうに笑顔をはじけさせてのコメントでした。

4番・高橋、5番・キラを連続三振に仕留めたスライダーも「戻ってきたと思います」とのこと。フォークはまだ練習であまり投げていないと言いますが、これからですね。近いうちに先発登板もあるでしょう。

強気と投げっぷりが復活?

今季初の連投となった島本投手には、まず前日の9回2死一、三塁で栗原選手を打ち取った配球のことを聞きました。真っすぐで外に、次はのけぞらせるような内角、また外へ、そしてフォークで三ゴロ。「ミーティングでも真っすぐで入れと言われていたので。それにぶつけてもいいくらいの気持ちでいけと」。なるほど、それができる強いピッチャーだと小豆畑選手も言っていますからね。いい締めでした。

1日の内容については「最後の空振り三振はフォークです。カウント負けさえしなければ、自分の球を投げられる。とにかく先頭を抑えること」と。先頭を切れば楽ですもんね。連投は問題なし?「ことし初ですけど、去年は3連投もありました。大丈夫です。ずっと0を続けていきたい」。いずれは勝ち試合を任されるようになってください。

1番に「やりがいも」と中谷

中谷選手は昨年2本のホームランを打っていますが、開幕戦と最終戦。今季2号は早めに出たねと言うと「よかったです!最初と最後でなくて」と笑い、自分のポイントの「いいところで打てた」と言います。次の打席でも中前打を放ったことは「これまで、ホームランのあとが打てていなかったのでよかったです」とニッコリ。

「自分のやりたいことができているし、いい感じだと思います。狙い球を絞って、スイングはあまり考えていないけど飛んだってことはいいスイングできたんじゃないかなと」。ことしは1番という打順も何試合かあります。「打席がよく回ってくるので、いい時はたくさん打てていいですけど、出塁しないといけないと思うから気持ちも入る。やりがいもあって、結構いいかなと思いますね。今まで経験がなかったから楽しいです!」と張り切っていましたよ。

「何とか体とスイングのタイミングが合ってきたね。今まで合っていなかったのが、ようやくね。トレーニングの成果も出てきたかな」と八木打撃コーチは話しています。腰が引ける姿をあまり見なくなった気はしますね。

3安打の伊藤隼と柴田

3安打の伊藤隼選手は「ファームですからねえ」と言いながらも「1本目と3本目は追い込まれた中での対応。2本目(二塁打)は3-1のバッティングカウントでしっかりスイングしようと、打ち損じせず捉えた」と自己分析。2本目はスライダーで「この前の中日戦でスライダーを狙ってミスショットしたので、狙い球が来た時は“より謙虚に”という考え方」だったそうです。狙っている球が来た時も、ガツガツせずに?ってことなんでしょうか。

「1軍でも同じような形、同じ気持ちで入れるようにしたいですね」と伊藤隼選手。また「追い込まれたらコンパクトに、右ピッチャーに対しても同じようなアプローチで、追い込まれるまでは迷うことなくいこうという考えでやっている」と話しています。

同じく3安打(2本目はセカンドの直前で高くイレギュラーバウンドしたもの)の柴田選手は「3本出ても試合に勝たないとね」とひとことでした。

広島にはこれで1勝6敗となりました。現在9勝11敗2分けで、他の3チームには負け越していないんですけどね。そろそろ勝って早めに借金を返済しておきたいところです。それに公式戦3連敗で玉置投手の出番がありません。その間、広島のフィリップス投手が連続セーブで追い上げてきて玉置投手が7セーブ、フィリップス投手は6セーブ。島本投手の締めも見たいし、玉置投手のセーブも…複雑ですねえ。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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