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タイガース新成人トリオ、二十歳の誓いはもちろん「1軍での活躍」

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

15日の午後、球団事務所で『成人のお祝い』が行われました。新成人の歳内宏明投手、西田直斗選手、松田遼馬選手に対して南球団社長から訓辞と記念品の贈呈があり、ことしの記念品は高級ボールペンだったみたいです。社長からの話については、3人とも「二十歳になったら法律も変わるので」という言葉を真っ先に挙げました。「だから大人の自覚を持つように」と言われたようですね。のちほど西田選手のところで詳しく書きます。

カーブに手応え、2度目のブルペン入り

まず歳内投手。13日に地元で行われた成人式では、中学や高校の同級生と楽しい時間を過ごしたようです。「野球の話はあんまりしなかった」とか。南社長の訓辞で「3年目は勝負の年」との言葉があり、それについて「ことしは先発ピッチャーが去年より少ないと思うので、キャンプから争いが始まる。去年はそこにほとんど参加できなかったから、ことしはそこで勝っていきたい」と話しています。それには何が大事?「去年もそうでしたが、一番はケガするのがダメ。抜くんじゃなく、しっかりやる中でケガをしないのが一番。体のケアも、おろそかにせずやっていきたいです」

ケガさえなければチャンスは大きいですね。「調子いい時も悪い時もある。それはみんなそう。開幕に入れなかったとしても、もし誰かがケガした時に自分が悪いと、そこに入っていけないので」。そのための備えは?「単純なことです。ストレッチとか準備とか。試合や練習に入る前も大事だと思う。1軍選手は、やっていました。試合後でもしっかりトレーニングしているのを見たので、見習っていきたい」とのこと。

なお、この日の自主トレは鳴尾浜で2度目のブルペン入り。立ち投げで真っすぐとカーブを計30球投げています。カーブは台湾のウインターリーグでも「単なる投球のひとつではなく、かなり自分のものにできつつある」と手応えを口にしました。投げたのはそれ以来で「去年と比べて腕の振りが緩まず上がってきている。あとは使いよう。まだ日本の打者に投げていないので。反応をみながら、どんな場面で使えるかです」と言います。台湾での試合は動画を見ただけですが、非常に効果的でした。楽しみですね。

大阪桐蔭OBの活躍、あとは僕が!

西田選手は、まず13日に出席した成人式が「おもしろかった!」と笑顔。大阪府柏原市は“新成人の企画による楽しい成人式”という趣旨で、自分たちで作った式だったんですね。より思い出に残るでしょう。ちなみにゲストはお笑いの銀シャリ…って情報はいりませんか。失礼しました。「友だちに、1軍で活躍しろとメッチャ言われた」そうです。

さて、きょうは南社長からどんな話がありましたか?「もう大人になって法律とかも変わってくる。いつまでも子ども扱いはしないから責任を持って行動してくれと言われました。それと、期待している3人だから1軍で、甲子園で野球をせなあかんと」。その通りですね。二十歳になってやりたいことは?「周りの人から大人として見られるように。それと、しっかり親離れしたい。でも19とか20とか関係なく、1軍で野球をすることです」

ことしの目標は「去年1軍で打てなかったので絶対に打つ。初ヒットとか初打点とか、全部の初をこなしていきます!」と意気盛んです。それから「去年は藤浪が活躍したし、西武やロッテでも大阪桐蔭のOBが活躍しています。ことしの森(友哉・西武)もきっと…。あとは僕が頑張って、大阪桐蔭みんな活躍!といわれるようにしたい」と、いっそう力を込めました。

タイムカプセルから出てきた「10年後の自分」

松田投手は帰省中の3日、長崎県島原市で成人式の式典に出席しています。中学の同級生、女優の宮崎香蓮さんが新成人代表で謝辞を述べたと、先日も書きました。その成人式に合わせて、小学4年の時に埋めたタイムカプセルを掘り返したそうです。「10年後の自分」という内容なんでしょうね。松田投手は自主トレのため立ち会えなかったのですが、成人式の前に友だちが持ってきてくれたとか。「その作文には、プロになれたらいいなと書いていました。打者になりたかったのか、ホームランを打ちたいと。でもプロ野球選手にはなれたから夢がかなったんですね」

今から10年後はどうなっていたいかと聞かれた松田投手は「10年後より1年1年。ことし1年を頑張りたい」と堅実な回答でした。「去年はスタートでケガをしたので、1年間ケガなくやりたいです。ケガして野球ができなかった半年間は、何をやっているんだろうと思ったので」。そこは後半の活躍で相殺、なんてわけにはいかないのでしょう。逆に、だからこそ悔しいのかもしれません。

同世代に、プロ野球や他のスポーツで活躍している選手はいますが、松田投手も有名になりたいですか?「なれたらいいですね。でもまず自分のことをしっかりやっていきたいです」。あくまで堅実な新成人(ただし、まだ19歳)でした。

成人の誓いは“男の中の男”…?

最後に、とある雑誌の企画で毎年書いている“成人の誓い”。ことしも色紙にしたためた言葉を一足早く教えてもらっています。歳内投手は『信念』、松田投手は『成長』。なかなか真面目ですねえ。と思ったら、西田選手は『男の中の男』だったそうで…。昨年、中谷選手が書いた『大人の男』にも相当ウケましたけど、実はこれを参考にしたみたいです。

でもどうして『男の中の男』なんでしょう。尋ねてみたら「男らしくしたい!」という答えです。男らしくないとは思わないけど。もしかして2年前の入寮の際にぬいぐるみを持参し、乙女キャラなんて言われたこともあって?「はい、それはもう卒業です!」。ことしは西田直斗の、おとこっぷりにご期待ください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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