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ビル・ゲイツ、イーロン・マスク等の著名人のTwitterアカウントがID不正利用被害に。

大元隆志CISOアドバイザー
ビットコインを送金すれば、倍にして還元するという詐欺投稿

 TwitterでIDを不正に利用し、ビットコインを送金させようとする詐欺が流行している。この被害には、ビル・ゲイツ氏やイーロン・マスク氏といった多大な影響力を持つ実業家や、トランプ大統領と大統領選挙を戦っているジョー・バイデン氏、米国元大統領のバラク・オバマ氏といった著名人も被害にあっており、多数のメディアで報道されている。

 不正に利用されたアカウントからは、特定のアドレスにビットコインを送付すれば、倍にして還元するという以下の内容が含まれていた。

「私はCovid-19のために私のコミュニティに還元しています!下記の私のアドレスに送られたすべてのビットコインは、2倍にして送り返されます。もしあなたが1,000ドルを送ったら、私は2,000ドルを送り返します!

■実際の投稿

 前述した世界的なインフルエンサーのIDはTwitter社によって削除されているが、今なお投稿が削除されていないものも存在する。これが、現存している被害にあったと推測される投稿だ。

 Twitter社もこの大量の不正ID利用に関して調査中としているが、現時点では原因や対策は解明されていない。

■多数のIDが被害に

 Twitterにて、詐欺投稿に含まれていた「i am giving back to my community bitcoin」という文章を検索すると多数のユーザの投稿が表示される。

 本件は著名人のTwitterアカウントが被害にあっていることから、著名人のみが対象になっているかのような印象を受けるが実際にはそうではなく、一般ユーザのアカウントも被害にあっていると推測される。

 

詐欺投稿に含まれていた「i am giving back to my community bitcoin」の検索結果
詐欺投稿に含まれていた「i am giving back to my community bitcoin」の検索結果

■本件に関する対策

 今回被害にあったアカウントの一部では二要素認証を設定していたにも関わらず被害にあっていたとの報道もあり、二要素認証も迂回された可能性がある。

 Twitterにログインし、自分のTwitterアカウントが不審な投稿をしていないか確認してみると良いだろう。そして、パスワードを変更してみることを推奨する。また、これまであまりTwitterを利用していなかった人は、不審な投稿をしていないか、念の為確認することを推奨する。こういった攻撃は放置されているアカウント程、被害にあいやすい。

■Covid-19を題材にした投資詐欺等には注意を

 今回、著名人のTwitterアカウントが被害にあったことで世界的に報道されているが、Covid-19を題材とした詐欺犯罪は世界中で増加傾向にあり、今回のような詐欺は今後も増加が予想されるので「安易な儲け話」には警戒することを推奨する。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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