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GDPR、日本を「十分性認定」採択に着手。

大元隆志CISOアドバイザー

2018年5月25日、GDPR(EU一般データ保護規則)が、施行された。EU地域の個人情報保護法で有り、EU地域の個人情報をEU地域外に持ち出すと、巨額の制裁金を課せられるというもので、大きな話題を集めていた。GDPRの施行により厳格な個人情報保護管理義務が個人情報を取り扱う企業に発生し、Facebook等個人情報を活用し、広告利益を挙げていた企業の大きな負担となっていた。

2018年9月6日、欧州委員会は欧州連合(EU)と日本の間の個人情報保護に関する協議が2018年7月に終了したことを受け、日本の十分性認定の採択手続きに入ったと発表した。

但し、日本とGDPRの個人情報保護については差異が存在するため、これらを補完するために個人情報に関するアクセス開示請求や、欧州地域のセンシティブな個人情報を日本から第三国に移転する場合の条件等が付与される予定となっている。

この認定か完了すれば、欧州地域の個人情報を日本へ持ち出すことが可能になる。2020年の東京オリンピック、インバウンド需要等、訪日外国人需要の期待が膨らむ日本企業にとって"朗報"と言えそうだ。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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