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陸上自衛隊スキャンイーグル無人偵察機が訓練中に行方不明

JSF軍事/生き物ライター
陸上自衛隊より富士総合火力演習で使用された無人偵察機(中域用)

 11月23日、陸上自衛隊の無人機が種子島沖で通信途絶し海上に墜落したと見られ捜索中です。

訓練中の小型無人偵察機の通信途絶について:防衛省統合幕僚監部

 ボーイング・インシツ社製の無人機「スキャンイーグル」は重量13kgの小型固定翼無人機で、価格は比較的安価な機体です。元はマグロ魚群探査用に開発された民間用無人機「シースキャン」を軍事転用したもので、陸上自衛隊では発展型の「スキャンイーグル2」を無人偵察機(中域用)として採用しています。

スキャンイーグルは、全長1.4メートル、全幅3.11メートル、機体重量13.11キロと小型軽量で、ガス圧式のカタパルトで発射し、ケーブルで引っ掛けて回収する。1機10万ドルと無人機としては安価で、扱いやすく、米海軍と海兵隊が情報収集用に配備している。

出典:軍用ロボット 写真特集:時事通信社

 10万ドル=1150万円(現在の為替レート)

Part of the push for ScanEagle is its relatively low cost, only $100,000 each. (スキャンイーグルが採用された理由のひとつは、1機10万ドルという比較的安価な価格にあります。)

出典:Simple, Low-Cost Surveillance Drones Provide Advantage for U.S. Military | The New York Times

 なお一部の報道ではスキャンイーグル1機あたり2億5000万円とされていますが、おそらく2億5000万円とはシステム一式の価格です。システム一式分の構成は機体4機、カタパルト発進装置、スカイフック回収装置、データ入力指揮装置、遠隔ビデオ端末となります。

The Scan Eagle UAS is a portable system, which features four air vehicles or AVs, a ground control station, remote video terminal, and a launch and recovery system known as the Skyhook system.

和訳:スキャンイーグルUASは、4機のエアビークル(AV)、地上指揮装置、遠隔ビデオ端末、スカイフックシステムと呼ばれる発射・回収システムを備えた可搬システムです。

System Cost: approximately $3.2 million (2006 dollars)

和訳:システムコスト:約320万ドル(2006年)

出典:Scan Eagle | U.S. AIR FORCE

  • 動画の前半にスキャンイーグル2、動画の後半に飛ばしているのは初期型のスキャンイーグル。カタパルト発進と回収の様子。
  • スキャンイーグル2は機首のセンサーが大型化し高性能化していますが、代わりに航続距離が減っています。なお機首のセンサーは回転します。
軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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