イギリス海軍が空母を極東に常駐配備する可能性を示唆

イギリス海軍の空母クイーン・エリザベス(写真:ロイター/アフロ)

 イギリス海軍が中国に対抗する目的で、2隻しか保有していない空母の片方を極東に「常駐」させる考えがあるという驚くべき話をタイムズ紙が7月14日に報じました。

Vice-Admiral Jerry Kyd, the fleet commander, served notice yesterday that the Royal Navy was “going to be coming back to the Indo-Pacific” region. (艦隊司令官ジェリー・キッド中将は昨日、イギリス海軍が「インド太平洋に戻ってくる」と通知した。)

“Our ambition is to be absolutely persistent and forward-based there, maybe with a carrier strike group, or maybe not. We’ll see,” he said. (「私たちの大望は其処に完全に永続的な前線基地を、空母打撃群と共にあるかもしれない、あるいはそうでないかもしれない。いずれ分かるだろう」と彼は言った。)

He raised the prospect of Britain’s F-35 stealth fighter jets disembarking in the region, adding that they could be sustained “through our US allies and through the hub in Japan”. (彼はイギリス軍のF-35ステルス戦闘機をこの地域で空母から降ろす可能性を提起し、「同盟国のアメリカを通じて、そして日本のハブ(※愛知県小牧市にあるF-35戦闘機の整備拠点)を通じて」機体を維持することが出来ると付け加えた。)

出典:Britain set to confront China with new aircraft carrier - The Times

 キッド中将は匂わせるような発言で断言はしておらず、海軍としての決定事項ではありませんが、これは空母の極東への常駐配備の可能性を示唆しています。一体どこへ配備する気なのでしょうか? 軍事同盟の5カ国防衛取極(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール)の中から何処かである可能性が高く、シンガポールかオーストラリア、防御的な面を考えるとオーストラリアが第一候補に挙がります。

 しかしキッド中将は「イギリス空母の搭載しているF-35戦闘機は日本の整備拠点で面倒を見てもらう」という話をしている点が気に掛かります。アジア太平洋でのF-35整備拠点(本格的な重整備が可能)は日本とオーストラリアの二カ所がアメリカから指定されているので、オーストラリアに空母を配備する気なら戦闘機はオーストラリアの整備拠点で面倒を見てもらう筈ですが、そうではないので、空母の配備場所はシンガポールを考えているのかもしれません。

 イギリス海軍のクイーン・エリザベス級航空母艦1番艦「クイーン・エリザベス」、2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」のどちらかが極東に常駐配備される可能性があります。ただしあくまで可能性の話で、具体的な計画としてはまだ決定されていません。

14日付の英紙タイムズは、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核とする空母打撃群が来年初めに初の本格任務として極東に派遣される計画が進んでいると、英軍高官らの話を基に報じた。

出典:英軍の最新鋭空母、極東派遣か 日米と演習想定と報道 | 2020/7/14 - 共同通信

 なお空母クイーン・エリザベスが演習で派遣され一時的に極東に展開する計画の方は、決定事項です。