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平成27年度のF-35戦闘機の購入費用は1機160億円

JSF軍事/生き物ライター
アメリカ空軍公式よりF-35戦闘機の空対空ミサイル発射テスト

8月29日に防衛省の平成27年度概算要求が提出され、平成27年度予算分のF-35戦闘機購入予定費用の内訳が分かりました。

○ 戦闘機(F-35A)の取得(6機:959億円※)

※1 国内企業参画の範囲を拡大することに伴う初度費として、別途180億円を計上

※2 その他関連経費(教育用器材等)として、別途176億円を計上

出典:防衛省:我が国の防衛と予算-平成27年度概算要求の概要-(PDF:4.3MB)

機体価格は1機あたり約160億円で、去年の購入価格とほぼ同じです。日本が購入するF-35戦闘機は最初の4機がFMS(有償軍事援助)での完成品輸入で1機約100億円、以降の日本国内での組み立て・ライセンス生産となる機体は1機150億円前後で推移しています。ライセンス生産に移行した後で1機140~160億円で変動があるのは、為替レートの変化やライセンス部品の比率の変化がある為です。なおFMSでの完成品輸入よりライセンス生産の機体が高いのはF-35に限った事ではなく、他のどの戦闘機でも価格は上昇するのでこれは問題となりません。

※)昨年の平成26年度概算要求ではF-35購入予定価格は4機693億円(1機あたり約173億円)でしたが、実際に確定した平成26年度予算での価格は4機638億円(1機あたり約160億円)でした。平成27年度予算についても現段階では概算要求の段階なので、まだ確定ではありません。

F-35戦闘機の価格は最近になってアメリカ本国では製造コストが低下する傾向にあり実際に安くなってるので、これが反映されるようになると日本での購入価格も安くなるでしょう。ライセンス生産が軌道に乗れば量産効果によるコスト低減も期待できます。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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